「孤独」が宿命の職業
私の職業は呉服業界の様々なジャンルのプロデュースやデレクションである。
モノづくりから流通、そして小売、はたまたその先まで全てが守備範囲だ。しかしながら私自身がモノづくりができるわけでなく、流通をコントロールできることもなく、ユーザーにきものを提案する店も持っていない。
要は何も無い。
あるのはこの業界の中で生まれ、育ってきた環境と知識と経験という本当にちっぽけなものだ。
だから根本的な部分でその全てのカテゴリの人たちと同じ立ち位置になることはできない。
本当の意味で大変な時に大変さを分かち合うことはできない。悔しく思う時もあれば悲しく思うこともある。
でも私はその孤独感がなければ成り立たない職業なのかもしれない。
一緒になってその大変さを共感するのではなく、様々な情報や全く異なる業界の人達と交わり、全く違う分野やその考え方を知ることによって、現在の延長線上に何が起こるのか?を考え、想像し、それを私が身を置く世界の人たちに伝えたり、方向を示したりする事が私の役割なのだ。
本当はそれぞれのジャンルの大切な仲間たちと全く同じ立ち位置で一緒に悩んだり、苦しさや大変さを同じ立場として分かち合う事ができたら、どんなに心が救われたり、連帯感を実感できたりできるか。。。。。
でもそれは望んではいけないし、そうなってはいけない。私の仕事はそこにいることではない。それよりも次はどうなるか?を考え、示していくこと、そしてそれらをイメージしてもらうことによって、呉服業界にとって大切な人達に前に進む意欲や自信を持ってもらうことが使命なのだ。
悲しいかな「孤独」は私の仕事にとって宿命であり、必要なもののようだ。