今年の共通テスト雑感

受験生の皆さん、共通テスト大変だったようですね……本当にお疲れさまでした。

東京大学でも、共通テスト難化による足切り点が60点前後低下したことがニュースになっていたので、相当のインパクトだったと思います。


特に数学では、受験勉強で解いてきたであろう問題集とは全く形式の異なる問題が出て、多くの受験生がメンタルブレイクしたと聞きました。

一方で、化学は前年度と比較しても大きな傾向の変化はありませんでした。計算を数値で出す問題が新たに出来たくらいで、前年度と同じ程度に「時間足りないだろうなぁ……」って感じです。

むしろ、グラフを書く問題がなくなりましたし、選択肢問題は解きやすくなってますし、有機化合物の後の方の知識ガン攻め問題も減ってますし、この辺りを軽くすることで、考えさせる問題に充てる時間を稼いでもらう算段だったんじゃないかな?と。例の数値で出す計算問題もラスボス的に最後に入れてるので、ここで足止めするつもりは無さそうだなぁってなります。

それでも平均点が10点も下がってしまったのは、全面的に傾向が変わり疲弊した受験生が、数学でトドメを刺された直後だったから、というのはある気がします。最後の計算問題もみんな捨てちゃったんじゃないかな………

……となると、来年の傾向はどうなるんでしょう?
私たちは何を目指して、教育を更新すればいいんでしょうか?


ここからは憶測混じりの独り言なので、話半分に聞いてください。


今後も大学入試センターは、基礎問としてワークに掲載されてないようなビックリ問題を出し、メンブレではなく「うおおおお頑張れば解けるかもしれん!!!」と前向きに思えるかによって「生きる力」の一つ、「学びに向かう力・人間性等」を見てくるのではないか?と私は考えてます。

一方で、解く気力が失せてしまうような状況(時間が無さすぎる・難易度が高すぎる)を回避するために、問題の量・順番や基礎問の配分、誘導を調節してくるだろうと予想します。

……なので、我々教員がやるべきことも、ビックリ問題も時間内に全て打ち返せるようバキバキに生徒を追い詰めるのではなく「絶妙な難題を生徒に出し、出来るか否かは置いといてそれを面白がる自分の背中を見せること」なのかもしれません。目には目を、じゃないですが、メンタルが課題ならメンタルで打ち返すべきなんです。たぶん。


そういえば東大切りつけや共通テストカンニングなど、受験というシステムが生んだ歪みによる事件も、今年はニュースになりました。

でも、こういう大きな事件がなくても、勉強ができないことから人格をまるごと否定されるように感じて病んでいく子を、私は沢山見てきました。(というか、自分もそうでした。)そして逆に、社会に出てから、学校で培ってきたはずの力が通用しないことに気付き、ミスマッチで病む人も沢山聞きます。

こうやって、学校教育が生きる力を奪っていくのは、本当に悲劇です。多分教育界全体がそう思ってます。思っててほしい。

であるならば、学力なんて人間のほんの一部分、と皆で割り切って、勉強に振り回されるのではなく、長い人生が懸かってるからこそ「学びで人生面白くしちゃおう!」くらいにした方が、最終的には課題に対して前向きな、持続可能な社会になると私は思うんですが、どうなんでしょうかね?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?