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亡父の発言~吉凶ランキング~

こんな個人的なこと誰が読んでくれるんでしょうかと思いつつ、語る相手がないので勝手にランキング。吉凶3つずつカウントダウンします。

【吉】
3位
あのニラ玉はホントに…卵の火加減がフワっとこう…お父さん普通のニラ玉はベチャっとして苦手だけど、ニラの歯ごたえもちょーうどよくて…お父さんが子供の頃に食べてたような、なんかこう瑞々しい味なんだよ…

自分が成人したての頃、寿司屋で語られました。連れて行きたい店がある的な話でした。父は喋りに感情が乗る人で、ニラ玉がえらく美味そうで忘れられませんでした。二十年後、父にニラ玉の店はどこにあったのかと聞いたら、話しも店も忘却してました

2位
今日はチョコレートなんぼでも食べてもいいぞ

3歳のころ二人きりで競馬場に連れて行かれ言われた一言です。
母から甘い物の食べ過ぎを禁じられていたので夢のようで興奮しまくりました。ですが好物の明治の板チョコ2枚食べたところで鼻血が出て止まらなくなり、パドックに集中したかった父にとっては大誤算だったと思います。

1位
おまえのことはぜんぜん心配してないけど兄ちゃんだけは心配だ

北海道から上京前に言われました。人気者で色んなことに詳しい兄と比べ、自分がしっかりした人間に仕上がってると外部評価を得たという意味でほくそ笑みました。とりあえず、父の独特な評価ポイントとして「なんでもやってみるバイタリティ」みたいなものが買われました。
実際は30過ぎても見知らぬ男と大江戸線でバトルして罪名「相互暴力」で警察に行ったような人間です。

【凶】
3位
俺を殺しに来たのかー!!

いえ違います。東京から北海道へ月次面会に来ただけです。鬱病で布団から出られない正子さん(父の後妻)から預かったヒートテック持参です。
正子さんとツレ鬱になり胃腸を悪くして衰弱し、長引く入院で認知が逝っちゃった父から自分が聞いた最後の言葉となりました。
お医者さんに薬のチューニングについて手紙で意見したりしましたが田舎の病院なので通じもしませんで、運命に任せてたらそのうち終わりが来ました。自分が薄情であることは否定しません。

2位
ちょっとお前が持ってるあの本貸してもらっていいかい?

自分は十代後半、女性アイドルが好きでした。
父は夜になると部屋にきて、アイドル雑誌をねだりました。

断捨離できません

父はわりと暴れん坊で、それが主原因で母と離婚しました。親子関係も特に愛情溢れてはなかったと思います。なのにその貸し借りのときだけ急にニコニコしてくるので、どんな照れ隠しなのか想像するのがちょっとイヤでした。中村由真の鼻の形の絶妙な愛くるしさについて語ってくるのも非常に微妙でした。

1位
おまえは見た目こそ美人とかスタイルがいいとかではないけども

「これからは女の人も自立する時代になる。だから見た目は関係ない。たくさん本を読む、自分で正しいと思ったら先生にも負けないで物を言う。おまえのそういう独立心が云々…」と続きますがどうでもよかったです

肝心なのは、嘘をつかない人間から外見に明確な低評価を下された事です。
当時小五ですが薄々そうかもと思い始めてました。でも夢見る乙女心でシャッター下ろしてました。いきなりバーーン開かれ頭真っ白です。
でもそこから脱ヒラヒラ服とか低音ボイスとか新方針を構築したので、何かが手遅れにならずに済んだのかもしれず、災い転じて吉として終わります

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