見出し画像

意外と知られていない志望理由と志望動機の若干の違い

皆さん
こんにちは。
心理系大学院受験専門塾 京都コムニタス塾長の井上です。

今、京都コムニタスでは、研究計画や志望理由書など、書類作成が本格化してきています。書類は「事前準備ができる試験科目」と考えるべきもので、これをしっかり作ることでかなりのアドバンテージを得ることができます。

書類のライティング方法についてはいずれ述べます。

以前、志望理由書について少し述べました。

今回は少し書類の先の面接を意識して、志望理由と志望動機の若干の違いについて述べたいと思います。以前受けた質問で、志望動機を最初に聞かれたあと、しばらくして、志望理由を聞かれたことがありました。そこでフリーズしてしまい不合格になったとのことでした。同様の質問は、立命館大学や鳴門教育大学でもありましたので、当塾では対策はしています。
確かに、これは急に聞かれると、パニックになるかもしれません。

本稿は、こういった時の備えとしていただけると幸いです。

志望理由と志望動機は方向性が違う

まず以下の3つを分けて考えるようにしておきたいところです。
①きっかけ
②動機
③理由

志望理由と志望動機は、混同されがちであることが、そもそもの混乱の原因です。

しかし、両者はそれなりに違いますので、一応の区別をしておく必要があります。そもそも言葉が違うので、当然と言えば当然でしょうが、「理由」は、
「 物事がそうなった、また物事をそのように判断した根拠」
「論理的関係においては結論に対する前提、実在的関係においては結果に対する原因」
このあたりが辞書的定義です。
「動機」は
「人が意志を決めたり、行動を起こしたりする直接の原因」。
「心理学で、人間や動物に行動を引き起こし、その行動に持続性を与える内的原因」
「倫理学で、行為をなすべく意志する際、その意志を規定する根拠」

一見してわかるのは、動機は、個人的、あるいは個人の内的なものであり、理由は、普遍的で、誰が見てもそうなる根拠ということになります。つまり、志望動機は、矢印は自分に向いていてい、普遍性はなくとも、自分個人の出来事でも良いということになります。一方、理由は、矢印は相手に向いていて、個人的なことではなく、誰がどう見ても納得のいく、普遍性が要求されます。志望理由と志望動機もそのくらいの違いがあり、どちらかというと志望理由の方が難しいと言えます。

裁判でも判決文には、「本件控訴は理由がないものとして棄却することとし、主文の通り判決する」などという締め言葉が書かれます。もちろん、この「理由」とは、誰がどう見てもこの結論になるという意味でもあります。

志望理由は、「○○でなければならない理由」動機は「私が○○を目指すエネルギー源(モチベーション)になったこと」


志望理由は、「○○でなければならない理由」で動機は「私が○○がを目指すエネルギー源(モチベーション)になったこと」と考えればわかりやすいでしょう。

例えば、「志望理由」が問われて、「私が○○大学がいいと思った理由」を言ってしまうと、「それならウチの大学でなくてもいいのでは?」などと言われてしまうことがよくあります。

書類および面接会場で実際に求められるのは、理由の方が多いでしょう。
動機は不要という先生もおられます。
動機ををうまく使うと効果的なのは、研究計画です。これは任意で使います。よく序盤で書くのは、「研究の動機」で、個人的に問題意識を持つに至った出来事を書くのはよくあることです。うまく使い分けるようにしておきましょう。

書き方がわからない、という方は是非下記をクリックしてお問い合わせください。