偏差値の低い大学出身でも臨床心理士や公認心理師になれますか?
皆さん
こんにちは。
心理系大学院受験専門塾 京都コムニタス塾長の井上です。
設立以来20年、旧帝大の学生、いわゆるFランク大学の学生、様々な大学出身者に出会いました。
「偏差値の低い大学出身の私でも臨床心理士や公認心理師になれますか?」
こんな質問をいただくことは、当塾では珍しいことではありません。
どんな人でも正しい方法で学べば成長して合格できます
先に結論から。
私は20年間そう断言して、京都コムニタスを運営してきましたし、実際、たいていの場合、合格できています。
本人いわくFラン出身であっても、30年英語にブランクがあっても、
ほとんどの場合、皆心理職についています。
こんな合格体験記を書いてくださった人もいます。
確かに20年もやっていると、諸事情で受験できないことも含めて、イレギュラーはありますので100%とは言えませんが、かなりそれに近いと自負しています。
だから、今は、私たちは心理系大学院フルコースの方に関しては、合格保証のような形で、契約期間内で不合格だった場合は、合格するまで追加料金をいただかずに、合格まで付き添う形を取っています。
京都コムタスは、大人が勉強して、大学院に行って、食べていけるようになるための塾です。『心理職大全』にも書きましたが、
かつて偏差値が低くて、勉強に対してトラウマがあっても何の問題もありません。正しい方法で、正しく負荷をかければ、あと必要なものは大学院に行きたいという意思のみです。それがあれば合格することはできます。私は20年間、そうやって大学院に人を送り込んできました。
偏差値信仰は大学院受験には不要
かくいう私自身が、かつて大学受験予備校に属していた時は、
偏差値という言葉をバリバリ使っていました。
「あなたの偏差値では●●大学には届かないから・・・」
などと、わかったような顔をして言ったものです。
あらゆる主張の根拠はすべてこの偏差値だったのです。
そして、結構「当たっている」のです。確かに、「偏差値は正直だ」
と思えるくらいに、「輪切り」された学校に合格したり、不合格であったりするのです。
しかし、あるとき、ちょっと重要ポジションについたときのことです。
大学受験の問題を予備校が作っているという話を聞きました。
以来、「そりゃ当たるわな」と考えを改めました。規模が大きすぎて
気づかなかったのですが、予備校が、模試を作り、予備校が入試問題を
作るなら、その数字はかなり信頼ができるものになるでしょう。
しかし、もはやこれは入試というより、アトラクションです。
1回3万円超の恐怖不安体験アトラクションです。
こう思った瞬間に私は、大学受験産業とは縁を切りました。
大学院受験とそれ以後の試験に大学受験偏差値は何の関係もない
臨床心理士指定大学院や公認心理師養成大学院に限らず、大学院入試と偏差値は何の関係もありません。
また心理職としての就職にもほとんど影響はありません。
もしかすると、採用者が、自分の出身大学をたくさん採用しているということはありえますが、むしろ特殊事例になります。
これまでも学歴フィルターに関する質問は時々ありましが、
漠然と、都市伝説的に、「有名大学の方が、いいところに就職できる」というトピックが、臨床心理士の世界の中にあるのかと問われると、これはないと思います。学歴フィルターとは、大学入試における偏差値に適用されるものですので、大学院については、ほとんど関係がありません。
私はたくさんの心理職採用関係者を知っていますが、
学部の偏差値で採用をする、と言ったり、考えたりする人は
一人もいません。
行きたいところに行ってやりたいことをする
もちろん、学部の偏差値の高い学校に行く意味がないと言っているわけではありません。
「行きたいところに行ってやりたいことをする」
これ以上でもなければこれ以下でもありません。
大学院に偏差値もランキングもありません。
もちろん、だからといってどこでも一緒ではありません。
特に臨床心理士指定大学院の場合は、複雑で、教育系、文学系、福祉系など、学科の系統も大学によって異なった考え方を持っています。あえて注目するとすれば、定員と倍率です。京都文教大学が30名で、私学では最多の部類です。国立ではもう少し多い所もあります。一方で定員5名もあります。そのため倍率の単純比較ではわからないことが多くなります。受験者数、内部受験者率、定員を検討して、総合的に見た戦略をたてるのが妥当です。
ただし、やや失礼な言い方かもしれませんが、正確には、学部の偏差値と比例するところもあれば、そうでないところもあり、そうでないところの方が多いと言えます。また国立と私立ではどちらが難しいか、という問いにも答えにくいです。京大、阪大、神大は博士課程まで行くことが基本ですし、一方で、兵庫教育や鳴門教育は、博士までを想定しませんし、実践重視の学校です。ですから、単純比較することができません。また兵庫教育と鳴門教育でどちらが難しいかを決めるのも不可能です。同じ国立で奈良女子も簡単でないことは確かですが、上記の大学と比べてランキング何位になるか、と問われても答えることができません。私立も同様にランキングを出すことは不可能です。
ただ、いくつか条件をそろえると、ある程度は、難易度として、大学を比較することは可能です。立命館は関西圏では難しい大学院と言えます。
仮に立命館を基準にすると、①倍率の高さ、②受験時期、③内部進学への対応、④定員、⑤学科の難しさなどが尺度としてあげられます。立命館はこの基準で見ると、難しい大学院になります。兵庫教育や鳴門教育と比べても少し難しいのではないかと考えられます。
大学院の選び方については稿をあらためます。
学校選びで困っていたり、ある程度の難易度の差に関心のある方は、是非お問い合わせください。