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宇宙産業を日本の誇る基幹産業に〜と思って色々と立ち上げてきて、もやもやして、やってみて、そしてこれから

こんばんは。きどくらっち(@kclutch3)です。【宇宙産業を日本の誇る基幹産業に】をモットーに、宇宙のサービス化を行っています。

日本全国旅するように暮らしながら、宇宙ビジネスのメディア(TELSTAR、宙畑)を立ち上げたり、新規事業の支援をしたり(sorano me inc.)、人工衛星のデータを使った新しいサービス(Tellus)の事業開発をしたりしています。

この記事はれごんさん(@regonn_haizine)の宇宙関連Advent Calender企画に登録しています!

今回は、よく質問をいただく「城戸さんはなんで宇宙をやってるの?」という話と、今何をしてるのか、ざっくりとつらつらと時系列で書いてみようと思います。

宇宙との出会い

高校生の時の私は、とにかく世界を舞台に仕事がしたい!とバリキャリ国際女子に憧れる女子高生でした。そんな私の転機となったのは、NH○のニュース番組です。

若田宇宙飛行士が宇宙に行っていたときのこと。国際宇宙ステーションに、スペースデブリなるものが衝突しそうになり、若田さんが避難したという出来事がありました。

スペースデブリとは、使われなくなった人工衛星やロケットの残骸です。人間の宇宙開発活動により、その数は年々増加し、使用中の宇宙機の運用を脅かしています。

ニュースを見た頃、高校生で調べられる範囲では、スペースデブリについて日本で研究している研究者はわずかでした。デブリの除去は国際的な協力が不可欠な問題になるだろう。そう直感し、これを進路にすると決めました。デブリを除去するにはまずは技術開発だ!とシンプルに理転を決意。

数学が大の苦手だった私ですが、なんとか志望大学に入学し、デブリ除去の研究を行うことができる機会を得ることができました。

宇宙広報団体TELSTARの立ち上げ

数学と化学が大の苦手だったにも関わらず、強行で入学した大学では、成績はなかなか伸び悩みました。課題も大量に出るのですが、そのひとつひとつに人一倍(正確に言うと、私が50分かかる問題を友人は5分で解くくらい)時間がかかってしまい、やる気マックスで入学したモチベーションがしくしく…。

さらに、スペースデブリを除去することを目指したベンチャーが立ち上がったのです。

Astroscale | アストロスケール 

単純ですが、苦手な数学や化学をなんとかやってきたのはスペースデブリを除去する会社を立ち上げて、国際的に活躍するという目標があったからこそ。

その目標を失って、あんまり科目もできなくて、やる気を失い二郎に通い詰めました。。

そんな中で、進路を改めて考え直そうと一念発起しました。

自分が周囲と比べて得意なこと・好きなことは何かを考えてたどり着いたのが、おもしろい研究やプロジェクトを人々に伝えていくということです。

同時に、大学に入ってから様々なイベントに出かけて宇宙開発は理系だけで成立しているものではない、ということも強く感じていました。JAXAにも、プロジェクトを支える研究職以外のスタッフさんがたくさんいますし、先ほどご紹介したASTROSCALEの岡田さんは大蔵省の出身です。(ご専門は農学ということで、文系というわけではなさそうですが…)

高校生の時に無理やり理転しましたが、スペースデブリの除去という課題の解決に際しても、文系的アプローチもたくさん必要であるということがわかりました。

結果的には後悔していないけれど、「自分は文系だから」と宇宙を諦める友人たちもいた中で理転をした身からして、文系・理系の選択の只中にある高校生のうちに、宇宙への関わり方の多様性について知ることができる機会をあげられたらと考えました。

そうして悶々と考える中でたどり着いたのが「宇宙広報団体TELSTAR」です。

中高生に向けて、宇宙への多様な関わり方を伝え、宇宙関連の研究開発の面白さを伝え、文理に関わらず様々な人が参入してくる業界にすることで、宇宙開発を日本の誇る基幹産業にする。

そんなビジョンを掲げ、中高生向けにフリーマガジンを中心とした情報発信活動をする団体です。

今は後輩たちに引継ぎ、代々継続して情報発信を続けてくれています。

宇宙広報団体 - TELSTAR(テルスター)

TELSTARをやっていた頃、取材していただいていたものたちが当時の想いを語ってくれているので、誰得ですがはりつけておきます。

宙畑-sorabatake-の立ち上げ

TELSTARで情報発信をしている中で、ひとつの課題にたどり着きました。

それは、「宇宙に興味のある人を増やしてこれている(ような感覚は持てるようになってきた)けれど、興味を持ったその先で、受け入れ口がない」ということです。

当時、宇宙関連の就職先といえば、某研究所か片手で数えられる程度の衛星・ロケットメーカー数社、あるいは部品関連の企業くらいでした。航空宇宙工学を専攻している自分の周囲をみても、ほとんどが自動車メーカーや半導体メーカーに就職していきました。

自分がやっている活動は果たして、本当に中高生の将来のため・宇宙開発の未来のためになっているのだろうかと、もやもやした日々が続きました。そんな中でぴんときたのが「宇宙ビジネスを自分で立上げるようなパワーを持った人を育てていくこと」でした。宇宙関連の就職の受け皿がないのであれば、自ら受け皿を作って広げていくような人を育てればよいのだ、と思いました。思ったら即行動。ということで、TELSTARを卒業したメンバーや、当時興味を持ってくれていた数名を集めて、議論しました。

「宇宙ビジネスを自分で立上げるようなパワーを持った人を育てていくこと」とミッションが決まっても、あまりに大きすぎてどのようなアプローチでそれを実現していくのか途方に暮れました。アイデアも大量に出て、どれも良さそうだし、どれもすぐに人を育てることに繋がるような、繋がらないような…

半年ほど議論を重ねて、たどり着いたのがウェブメディア「宙畑-sorabatake-」でした。なぜメディアにしたかというと、TELSTARをやってきたことで、コンテンツを作っていくことに関しては少しだけ土地勘がある(ような気がしていた)というくらいの理由でした。

そこから約1年、どんなコンテンツを提供したら良いのかわからず迷走して苦しむ毎日が始まっていったのでした。

就職して転職して宇宙に戻る

そうこうしている間に大学院を卒業し、株式会社リクルート(当時はリクルートキャリア)に就職しました。就職活動のときにどんなことを考えていたかは

宇宙ビジネスの歩き方〜理転して文転してUXDになった宇宙人編〜

こちらのnoteを見てみてください。

リクルートでの日々は(お世辞にも楽とは言えず)過酷な反面楽しいことも多く、やりがいに満ち溢れた毎日を送っていました。そんな中で休日に続けていたメディアを見て、担当者が声をかけてくれたのをきっかけに、現在の会社に転職しました。衛星データプラットフォームを新規事業として挑戦している会社で、情報発信だけでなく自分でサービス開発がしたいと思ったこと。そして、衛星データ利活用が大きく飛躍することが今の宇宙産業の拡大に必至だと考えたことが転職の理由です。

そうこうして、今勤めているさくらインターネット株式会社にて「衛星データプラットフォームTellus」のサービス開発に従事することになりました。このタイミングで、ボランティアメディア「宙畑-sorabatake-」もさくらインターネットに仲間入りし、Tellusのオウンドメディアとしてデビューすることになりました。

このタイミングで編集長を、TELSTARの時代から一緒にやってきて、宙畑-sorabatake-をぐんぐん育ててくれていた中村にお願いしました。その後、宙畑は月間UU7万をゆうに越えるメディアに成長しています。

宙畑-sorabatake-

sorano meの立ち上げとこれから

さくらインターネットに転職して、衛星データビジネスを拡大するべく全力投球をしながら、色々な課題にぶち当たって乗り越えてを繰り返し、新規事業・起業とはなんて大変なんだ!とひいひい楽しくやっているのですが笑 自分で経験したからこそ、改めて「宇宙ビジネスを自分で立上げるようなパワーを持った人を育てていくこと」さらには「宇宙ビジネスを立上げようと画策している人の推進力になること」をやっていきたいという思いが強くなりました。

そうして2019年10月に立ち上げた会社が株式会社sorano meです。

株式会社sorano me

sorano meについては、年明けにがっつりとnoteを書こうと思っています。2019年に立ち上げてから、なんだかんだであまり発表ができていなかったのですが、来年は攻めの姿勢で発表しまくります!


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