自粛要請って?

政府の緊急事態宣言が出され、7都府県が対象に。富山に住んでいると緊急事態宣言は遠くのことのように思われるが、4月8日時点の人口10万人当たりの感染者数は、福井県が第2位(8.6人)、石川県が4位(5.7人)。トップの東京が9.7人なので、密度だけ言えば福井には緊急事態が出てもおかしくない。他方、富山県は第29位(1.3人)だが、本日も新たに2名の感染者が出て、25名に達した(10日19時半時点では第33位。石川が11位=92人、福井が14位=82人)。うち一人が、大型ショッピングモールに勤めており、そのモールは明日は全面閉館になるとか。

富山でもクラスターチックになっているのが、新型コロナウイルス感染者の指定病院になっている富山県立中央病院と富山市立病院。後者は院内感染が発生していると市が認めているが、これは仕方ないこと。医療従事者やその手当を受けている患者が媒介になってしまうのは、いくら気をつけたって限度がある。彼ら・彼女らを責めることは出来ない。

他方、前者は、民間企業がとっくに接触防止措置を講じていた3月27日に、居酒屋で送別会をやっていたという。医師1名が感染し、濃厚接触者が当然その送別会の参加者となる。送別会だから、県内の他病院に移る人がいるわけ。感染経路は分かっていないが、3月27日には県内での感染者が出ていない状況だった中、民間以上に意識の緩さが出てしまった。ただ、それもアフター・フェスティバル。(PCRの検査の結果、出席した医師は全員陰性だったとか。)

会社でも、上司が何をしているかと思ったら、マスクをつけてないからと、ネットでマスクを買いまくっていた(社員に配付するためです)。ネットで9社に950枚発注し、うち2社は注文の翌日に届く。富山でも、私が立ち回るドラッグストアやコンビニにはマスクはないが、ネットでは意外と手に入るという実態もあるようだ。私自身は花粉症ではないため、ワークマンでフェイスマスクを仕込んでつけていたが、その上司から「フェイスマスクではなく、(意識付けのために)マスクをしろ」と指導。若干理不尽に感じながらも、従うことにする。

実際、「マスクをすること」がプロトコルになっている感は否めない。玄関先と車、会社の机にはマスクを入れてある。手持ち在庫がないわけではないし、そもそもマスクを常用する人間ではない(インフルエンザもそうだが、マスクで自分を守れるという考えがない。するときは、よっぽど埃が舞っているとか、自分が咳をしているといった状況だけ。)が、プロトコルとしてつけるようにしている。

#stayhome #stayathome というハッシュタグがトレンドに挙がる。私自身は、「何が起ころうが止められない、しかも人が介在しないと回らない会社」だが、「その介在する人ではない」という微妙な立場。実際テレワークはしていない。環境整備などに立ち回る役目であり、それはきちんとやりたいと思う。

個人としては、世間からは揶揄されるが、スポーツクラブにも行く。いわゆる24時間系。実際、3密が実現する可能性は小さい。ソーシャルディスタンスは確保されているし、知り合いもいないので、会話することもない。換気もそれなりにされている。今朝もジムワークに行ったが、入館直後は貸し切り状態。退館時は客2~3人とスタッフ2~3人。本来なら外ランをしたいのだが、膝の状態が思わしくなく、ジムワークにしている。私としては、 #stayhome というより、独り身であるので #stayalone を掲げていきたい。

緊急事態宣言が出されたわけだが、効果のほどがあるのかは1ヵ月様子を見る必要はあるだろう。潜伏期間が2週間だから、それを超えてから感染者のカーブがなだらかになれば、効果があったと言えるが、海外で行われているより強い制限をかけることについては、安倍政権の弊害が出ているように思う。これまでの長期政権による悪弊が、中途半端な法整備に終わらせ、より強権を繰り出しづらくなってしまい、結局「自粛の要請」という日本語として意味不明なアクションしか取れないというダッチロール(久々に使うな)に陥っている。

安倍首相の言動を断片的に聞いていると、何はなくとも、「緊急事態宣言を出したかった」のではないかとさえ思う。実際にそれに基づいて動くのは都道府県知事であり、自民党改憲草案にある「緊急事態条項」とは全くかけ離れている(それを肯定も否定もしない。)。記者会見や対策会議での立ち居振る舞いを見ても、雄弁に語るものの、何かに怯えている印象がある。ある雑誌で、口は笑っても目が笑っていない人は信用がならない、例として世耕参議院幹事長、萩生田文部科学大臣などを挙げているが、安倍首相もその一人だと感じている。スーパーやコンビニに立ち寄ることなんてないんだろうなぁ、だから今の「風」を感じないので、ああいうトーンになってしまうのだろうと。

日本は島国であり、様々な外的には「水際作戦」になりがちであり、それを突破されるとなすすべがないというのは、歴史が教えているところであり、それは、感染症でも同様。それに対して、二の矢、三の矢を出せないのも、振り返りがない。双日総研のチーフエコノミスト・吉崎達彦さんが4月10日のテレビ出演で、「ヨーロッパは城郭で守るという歴史がある。アメリカや日本はそれがないし、日本の城の内側に一般市民はいない」という言及をされていて、なるほどと思う。今日本政府は、城の中に立てこもろうとしているが、そこに一般国民は見えてないのではないか。

私自身は、(安倍首相が使ってしまったので、あまり使いたくないが)自分が感染者であると思って行動することを心がけたい。(だったらスポーツクラブに行くなって話だが)

追記:4/12「新型コロナウイルス」から改題しました。

追記2:4/14、擁護していた富山市民病院ですが、共同通信によると、感染の確認された医師2名が、職員の送別会に出ていたことが分かりました。そうなると全体のトーンが変わってしまいますが、追記のみとします。

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