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Good to Great ― KC B team

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小宮コンサルタンツのコンサルタントによる経営のお役に立つコラムです
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#採用

5年前5%が今は45%

3月26日の日経新聞で、「銀行変身(下)働き方アップデート 「退職者カムバック」歓迎 みずほ、中途採用数が新卒超え」というタイトルの記事が掲載されました。新卒主義が強かった銀行においても、人材の流動化が進んでいることを取り上げた内容です。 同記事の一部を抜粋してみます。 もう二十数年前になりますが、当時学生で就職活動の時に意見交換していた知人が次のように話していました。 「○○銀行(当時の有力行)から内定が出た。出身大学でどの程度の役職にまでなれるかがだいたい決まってい

シニア人材の採用を考える

2月17日の日経新聞で、「USJの来園増、シニア人材が鍵 200人採用計画 熟練の接客/「マリオ」人気で期待」というタイトルの記事が掲載されました。シニア人材の積極的な活用について取り上げた内容です。 同記事の一部を抜粋してみます。 既に在籍しているシニア人材が一層活躍できる環境をどのようにつくれるかは、各社で課題テーマとなっていますが、シニア人材の積極的な新規採用は、さらに踏み込んだ動きだと言えます。 同記事も参照すると、サービス・顧客対応の領域でコミュニケーションの

休眠人材の活用を考える

1月24日の日経新聞で、休眠人材に焦点を当てた記事が複数掲載されていました。 「休眠人材、サービス業で引き合い ヘアカット「QBハウス」、再教育で600人就業」の記事は、次の内容です。(同記事より抜粋) 「コスメ人材、復職しやすく ファンケル、ウェブ接客や在宅視野 コーセーは離職者も対象」の記事では、次のように紹介されています。(一部抜粋) 先日は、出戻り社員の採用をテーマに考えました。 各社で人材不足の現状なのは周知のとおりですが、これまで一般的と考えられてきた採用

アルムナイ(卒業生)採用を考える

1月24日の日経新聞で「人手不足 元従業員と解決 ペイメントテクノロジー 離職バイト、店とつなぐ ハッカズーク 交流サイト運営を支援」というタイトルの記事が掲載されました。元従業員と元勤務先だった会社をつなぐという考え方、手法が広がっていることを取り上げたものです。 同記事の一部を抜粋してみます。 同日付の記事「コスメ人材、復職しやすく」では、出産などで退職した社員の復職制度を導入するコーセーの取り組みなども紹介されていました。 ずいぶん前になりますが、ある企業の常務役

お客さんを採用候補者として見る

先日、ある飲食のチェーン店を利用する機会がありました。 そのときの店員さんの行動が印象に残りました。 私の隣に2人組のお客さんがいて、何やら会話しています。その2人組が入店してから、10分ぐらい経っていたでしょうか。店員さんがおもむろにやってきて2人組に話しかけました。 「学生さんですか?」と問いかけて、2人組が「そうですが」と返すと、話が続きました。 「アルバイトを募集しているのですが、いかがですか?」 いくつか会話のやりとりが続いた後、「いつでも歓迎しますので、ご

新卒の通年採用を考える

11月7日の日経新聞で、「「新卒も通年採用を」、留学生など念頭 経団連方針案」というタイトルの記事が掲載されました。日本企業では、学卒直後の新入社員採用を4月に一斉に行う慣習があるのは広く知られるところですが、そのあり方に見直しを提起することも含んだ内容です。 同記事の一部を抜粋してみます。 同記事から、大きく2つのことを感じました。ひとつは、採用や雇用形態についてもっと多様性があってよい、ということです。 新卒採用の会社説明会の実施は、一般的に3月~5月に集中します。

外国人材受け入れを考える

10月19日の日経新聞で「外国人材受け入れの新制度 就労1年超で転職可」及び「「選ばれる国」へ新制度 外国人材、長期就労しやすく 賃金など待遇改善急務」というタイトルの記事が掲載されました。以前から問題点が指摘されていた外国人材受入の制度について、今後の展開を示唆している内容です。 同記事の一部を抜粋してみます。 専門家の指摘の通り、これで満点というわけではないと思いますが、前進する動きだと言えそうです。 普段仕事を通していろいろな企業の方にお会いしますが、中小企業の方

遠隔地採用という考え方(2)

9月12日の日経新聞で「USJ、アルバイト厚遇 人手不足で全国募集 大阪への転居費や家賃、祝い金10万円」というタイトルの記事が掲載されました。 同記事の一部を抜粋してみます。 アルバイト採用でここまで補助を出すケースは稀で、破格と言えるでしょう。 以前の投稿「遠隔地採用という考え方」では、遠隔地採用で成果を上げた企業様の事例を取り上げました。次のような概要でした。 ・本社所在地のある県からはるかに離れた県で求人広告を出して社員を募集した。本社のある県より有効求人倍率

「惹きつける採用」を考える(2)

前回は、「中堅・中小企業が良い人材をバスに乗せるために-惹きつける採用の仕組みづくり-」のセミナーにて、パネリストの一人として参加しての気づきをテーマにしました。採用にあたって大切だと感じたこととして、「応募者の志向に訴求して惹きつける」ということでした。 同セミナーにて感じたことの2つ目は、「全社員採用」です。 地方が拠点で、毎年十数人の新卒社員を安定して採り続けている、ある企業様があります。同社様はそれほど規模も大きくない中小企業で、十数人は同社様の社員数にとってとて

「惹きつける採用」を考える

先日、所属先の小宮コンサルタンツで行われた対談セミナー「中堅・中小企業が良い人材をバスに乗せるために-惹きつける採用の仕組みづくり-」にて、パネリストの一人として参加する機会がありました。採用に関する悩みは各社で大きく、簡単には解決できない課題だというのを、改めて感じた次第です。 同セミナーに同席する中で、採用にあたって改めて大切だと感じたことをここでは2点あげてみます。ひとつは、「応募者の志向に訴求して惹きつける」ということです。 応募者は、人それぞれ様々な志向の持ち主

企業は従業員の高齢化問題を放置してはいけない

昨日、社外取締役をさせていただいている企業様の式典に参加してきました。経営者の発表の中で、20代の従業員比率が44%まで高まったという話がありました。 総務省の労働力調査を元に若い世代の労働力の占める割合を計算すると、15歳~34歳の割合が2022年12月末で24.5%となっています。そこから考えると、この企業様の若い人材の比率がいかに高いかが分かります。 この企業様では元々30代・40代の中間層が少なく、従業員の高齢化が長期的な課題となっていました。中途で中間層を大量に採

「宮崎モデル」を考える

8月23日の日経新聞で、「海外IT人材活用「宮崎モデル」の力 隠れた大国から獲得」というタイトルの記事が掲載されました。どの業界も人手不足・人材不足と言われていますが、IT業界はその筆頭業界のひとつです。経済産業省の試算では、2030年には日本国内で約45万人のIT人材が不足するとしています。 地方都市でこの課題への解決に成果を上げている例として、IT人材をバングラデシュから呼び込む宮崎大学や宮崎市などの取り組みを紹介しています。同記事の一部を抜粋してみます。 私は九州に

アルバイト学生をスカウトした

先日、地方を地盤とする会社の経営者様とお話する機会がありました。立ち寄った地元のカフェで、アルバイトをしている大学生に声をかけたという話です。 少し話してみると、その大学生は4年生で、まだ就職が決まっていないとのこと。いくつか会話を交わした後に、筋の良さそうな大学生だと感じたらしく、「じゃあ、うちの会社に来たら?」とその場でスカウトして店を出たとのことでした。 それだけで採用するわけでもなく、採用試験も行うでしょうし、実際に採用に至ったのかどうかは、分かりません。 その

採用での特別扱い

6月5日の日経新聞で「新卒採用の今後(上) 固定的・同質的慣習に変化も」というタイトルの記事が掲載されました。新規学卒者を対象とした日本企業の採用は、募集や選抜のあり方、活動時期など、固定的で同質的でしたが、変化がみられるという内容を取り上げています。 同記事の一部を抜粋してみます。 私が就職活動をしたのは二十年以上前です。全員同じ色のリクルートスーツを着て、同じ時期にいっせいにエントリーシートを書き始めることから始めていました。上記記事からは就職活動のあり方が様変わりし