90歳のくりからもんもん
長い付き合いのミニのコレクターさんがいます。
長崎在住の2人の妙齢のご婦人と言っておきます。
お二人は特に陶磁器のミニチュアが大好きで、
二人で20年ほど前には京都の作家さんの作品を
京都まで出かけ、収集して楽しんでいました。
十数年前、SNSで出会ってから縁が始まりました。
それからは東京のミニチュアショーにやって来て
次第に付き合いが深まることになります。
染め付けは普通は素焼きに呉須で絵付けをします。
円を描こうとすると、半円を描いたあたりに来ると
皿に呉須が吸われてしまいインク切れになります。
円を描くことができないと絵の種類は増えません。
そこで悩んでいた時に東京で受けた絵付け講座で
イングレーズという技法があることを知りました。
これを使えば円が描ける!
そう気づいた私は、電動ロクロの上で皿の位置を
0.1㎜単位で調整する微妙な方法を探しました。
この方法に近づいてから、円を使った染め付けと
単純な上絵付けの制作が始まることになります。
それに気づいたのか、長崎のコレクターさんから
分厚い柴田コレクション8冊が送られてきました。
私達が欲しいのはここに掲載の絵付けの皿だと。
https://saga-museum.jp/ceramic/exhibition/collection/shibata/
ここから本格的な上絵の皿作りが始まりました。
この資料を基に図柄を正確に皿に写し取る方法、
筆や上絵の具とメディウムの種類や使い方など
ミニチュアならではの細かな工夫が必要でした。
そして10年程経った今、二人のコレクションは
まるで90歳の倶利伽羅紋紋となったのでした。
着
飾
っ
た
小
さ
な
お
皿
あ
い
く
る
し
い
小
さ
な
お
皿
グ
ッ
チ
も
シ
ャ
ネ
ル
も
私
は
い
ら
な
い
今
日
も
ま
た
コ
ク
シ
ョ
ン
を
開
け
る
た
だ
た
だ
眺
め
る
だ
け
で
私
は
幸
せ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?