お利口に夢を諦められなかった35歳の僕へ

#もしも叶うなら
一度文章化して自分のセーブポイントにしておきたい内的な出来事があった。被せられそうなお題も見つけられたことだし、話していく。

3年前、趣味の写真活動を辞めたことについて。
似たような経験をした先輩方はきっと多いだろうし、まま共感頂けるかなあという内容。


ナオンにねだったカメラで始まる10年間

学生の頃にNikonのデジタル一眼レフカメラD40を買った。いいや、当時付き合ってた社会人彼女にゴリゴリにねだって買ってもらったのだ。
D40はキットレンズ込みで5万円ほど。デジタル一眼レフカメラ普及の先駆けとして勢いのあった入門機だ。

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「なにか明確な購入後ビジョンがあったわけでもないけれどただぼんやりと憧れてた、ちゃんとしたカメラ」を邪な手段で手にした23歳の僕。
はじめは風景を、といろんな所へ行ってみたけどすぐに鞍替えして身近な人たちをメインに撮るようになった。

同じ時期に手をつけた趣味は他にも沢山あった。3DCGのモデリング。ギターインスト。コールオブデューティ。などなど。写真もどうせすぐに飽きて他に飛び移っていくのであろう趣味群のひとつ、のはずだった。

没頭した

寝る間を惜しむ程度には没頭した。

写真に関しては多く抱えた趣味活動の中でもおそらく最も人に褒めてもらう、喜んでもらうことが多かった。それは概ね「センス」といった単語に括られて。こう評されるようになったことに関して感ずる要素が2つある。

1つ目。直前に3DCGをみっちり修練していたこと。
こちらはコンピュータ演算下ではあるけど、立体物と光源の関係の成り立ちについて脳内でトレースする癖がついている。当時はPCの演算能力も低く、莫大な時間がかかるデータ出力ボタンを実際に押す前にできるだけの詰め調整をしたい事情があった。

2つ目。WAIS-Ⅲの診断によると僕は知覚統合の能力が多くの人からみて秀でること。物体同士の状態・関係性を細かく観測するのが得意で、前項内容を習得しやすい適性があった。

見てる世界に対する認識が多くの人とすこーしずつ違う。
そういった言い方はおそらく多くの発達障害者にとって孤独を表すことになりかねないんだろうけど、僕は良くも悪くも「特性的に自分は人と何かが違う」とずっと思ってたから、半分後天的なものであってもその裏付けが増えるのは悪くない気分だった。

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字面通り毎日カメラを首から提げて、年間2万枚撮った。商業やハイアマな使い方となれば全く多い数ではないけど、機種の連写速度や保存ストレージ環境諸々を考えても僕としては充分ハマり抜いたと言える。

道中、(長い学生生活で学んだこととはほぼ無関係に)webデザイナーとして就職し撮影業務については任されるようになる。プライベートでも撮影の試行錯誤を繰り返した。
結果として、業としてはあまりうまく行かなかった末に退職した。今になって思えばひとえに勉強不足だった。
写真は一度仕事になり、ただの趣味に戻った。

D40は6年目で天寿を全うした。
ちょっと大きな中級機D600に乗り換え、こちらも数年でシャッターユニット故障で終了。
上位機と呼べるであろうD810に乗り換え。
気付けば10年、写真を撮っていた。

写真趣味からの出会い

僕がファインダーを覗かない感性のまま暮らしてたら絶対に出会わなかったであろう人たちと関わりを持った。

・キャバ嬢とキャバ嬢、あとキャバ嬢。
僕が主戦場としたのはポートレート。人物写真に協力してくれる人なんて見た目にそれなり以上の自信を持ってる女の子が8割だ。
もっと都会に行けば商業モデルさんを捕まえられたのかもしれないけどここは石川県、魔都金沢。僕は決してキャバ嬢とオフで遊びたいだけのしみったれたクソ野郎ではないんだ。
傍目に「いつ連絡してもどっかのキャバ嬢と会ってる」状態が続いたため、
当時の彼女は本当に嫌な気持ちだっただろうと思う。

・地場の地下アイドルたち。とそのヲタクたち。
当時西金沢で活動していた「おやゆびプリンセス」さんの撮影会に参加した。縁ときっかけが重なり、同グループ所属の「かほりんちゃん」さんのヲタクとなり、月に何回かは長ーいバズーカレンズで彼女を撮りまくらないと死ぬカルマを負う。(かほりんちゃんさんはオモテカホさんとなり現在も活躍中。最近は全然会えていません)
あとアイドルのヲタクは優しい。ただ僕が言えたことではないけど本当に色々ダメな人が多い。本当に。

・恋人も何度代わったか分からない。
これは写真関係ないかもしれない。でも彼氏がポトレマンは結構病むらしい。それはそう。

そんなこんなの濃い人たちと時間を共にした。
明らかに違法な過剰労働を続けざるを得なかった時も、逆に完全ニートな時も、それを乗り切る原動力は写真の楽しさだった。

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写真ってなんだろう

ひとつ。僕が思う普遍的な意味では、「人のどうしようもない部分を許容し称賛するに適したツール」だと思ってる。
「どうしようもない」というような悪いことではなくって、
「どうせありのままでしかありようがない」ということだ。

けっこう「可愛く撮る」みたいなことを志してる人は多くってそれを否定するわけでは全くないが、僕はヒトにしろモノにしろ被写体をあまり美化しない。
最低限のレタッチもしないとか、そういう意味じゃないよ。

撮影活動から逃げた理由

逃げた理由。並べ出せば沢山ある。

結婚を視野に入れた同棲
33歳の僕。相手方の両親は、穿った言い方をすれば
「うちの娘のために(ちょっとでもお金のかかる)趣味は全部やめてくれるんだよね?」
みたいなところがあった。
当時の彼女自身もそれなりに嫌がってた。特に止めてくれと言われてた時期ではないけど。

僕も僕で、もうそういう年貢の納め時というか
「誰かを大事にするってそういうことなんだろう」
みたいな思いを抱えてた。みんなそうやって「大人」になるのだ、と。

撮影自体のうまくいかなさ
撮影協力者への苛立ちがあった。何だってそうだろうけど、気を緩めてずっとやってるとお互いワガママになる。
作品性迷子。行く先が見えなくなった。
等々。

あーだーこーだあったけど決めたのは僕で、その実、思い通りにならないことが嫌になって逃げただけだなと今は思う。
25万円で買ったカメラボディもレンズも、売れるものは全部売って新生活資金の足しにした。余るものは写真仲間に全部あげた。現像に使うPC類も全部処分した。

写真から逃げてやったこと

・実家から逃げた
実家から出られない業に縛られてたけど、業にも隙があった。これは本当によかった。

・女を養おうとした
向いてなかった。向いてない形でやってしまっただけとも言える。
反省点多々あり。解決策?挽回策?は無くもない。次回があれば。

・バイク
二輪免許を取った。スポーツバイクを購入した。一年そこらでめちゃくちゃ乗った。
コロナの拡大と二輪教習のタイミングが重なってどうかなと思ったけどあれよあれよで免許は取得でき、その後のあり方も幸いでしかなかった。誰とも接触しないソロツーはいいぞ。
ただ全体的に維持がけっこう大変。悩み多い。

・本を読んだ
去年は108冊。今年は80冊くらいになりそう。ビジネス、テクノロジー、哲学、自己啓発が多い。
日常から本を読んでると、読んでない時間も何かと吸収率と気付きスキルのボーナスが継続する。お得だ。

・ネイル
元来可愛いものが好き。職場NGながらちょいちょいやってる。
お出かけのときはすこし張り切る等する。
ネイルチップ(アートのキャンバスが自爪でない、貼り付けるタイプのプレート)なら自由な制作ができるけど、今は自分の詰めを可愛くしてテンション上げることばかりに興味がある。
メンズネイルっぽいのもデザイン考えていきたい。発信を強めていきたい。

・思考法の会得
マインドマップ活用。本投稿内容もMindMeisterで構成。最近は仕事でも趣味でも、考え事なら何にでも使ってる。

・ブログ
自己表現・発信ツールとして。マインドマップと共に思考整理とノウハウ集積のコンボで使用。収益面はまだまだこれから。

何かに本気になるたび、知らなかったものをひとつ得る度に感じることがある。人生は短い。

気付いたこと

話の時間軸がようやく今になる。

かなり遠回りして理解・納得した。うまくいかない時に憤りの矛先を誤ったこと。
4歳の子どもが「ママきらい」って言うのときっと同じ。

結局のところ僕は写真が好きなんですね。誰に勝ろうとも劣ろうとも。


いま一度自分に問う。写真って何だろう。

ひとつ。普遍的な意味では、
「人のどうしようもない部分を許容するツール」
だと思ってる。ここについては変わらない。

もうひとつ。
僕にとっては人生で唯一の、自分で描いた夢だ。

カメラマンとして食いたい、とかの職業ベースの夢ではなく。
表現したいものを表現する。あるいは思いがけないものが表現されてしまう。そういう風に写真と付き合っていく未来をいつの間にかただ漠然と思い描いていた。
それが僕の夢だ。

写真に向かってた頃の僕を知る人からすればそんなことは
「今更???」かもしれない。あれだけ熱を入れてた当の本人は気付きすらしてなかったんだよ。

そうじゃなくても「夢」なんて単語を口にするのはダサいと思ってた。
何周かして戻ってきた今は、それを真顔で語れない方が普通にダサいと思う。

兎角、やっとやっと気付くべきことに気付いた。新しい景色を見る下準備が整ったと感じてる。
道具はほぼ全部手放しちゃってるけど、もっとも大事なスキルはココ(頭)とココ(上腕)に詰まってる☆

最悪スマホでもできんことはないけど、テンション上がらないから何とかはしたい。
必要であれば界隈数年分の遅れを取り戻して、必要でなければそれはそれでまた僕の思う写真を撮ってみればいいや。

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とはいえ他にもやりたいこと山積み

弊発達障害、隙あらば一点集中になる。体力・資産・いろんなバランス見ながら何かやるのは超苦手だ。
でもある意味残念だけど、そのありのままが僕(主観)にとってバランスの取れた点なんだろう、とも今は思う。許容できるコストなら並走してよい。わざわざ削除しなくてよい。
「あれをやりたい」が「これをやらない」の直接の理由にはならない。
なんだシンプルじゃないか。

結局僕の人生。僕は堪え性がないだけのことで色んなものを遠ざけて大回りをする。思うにここの改善を避けようがない。

現状は、間違いに気付いたらごめんなさいをする。その後どうなるかはやってみないと分からない、だけでもある。

なので。

#もしも叶うなら  僕は写真という夢と仲直りをしたい。

ブログもやってます。

石川県金沢市でぼんやり暮らしています。発達障害グレーゾーン(知覚統合凸)です。 障害特性を掴み始める30歳くらいまでは生きた心地がしませんでした。 今はバイクに乗って風景を愛でたり、過去を慈しんだりカレーを作ったり。