人は簡単には死ねない
昨日は夕方から母の手術でした。
ひょっとしたら、母の命日になるかも知れないな…などと、冗談抜きで、そんな覚悟でこの日を迎えました。
上行結腸に大きな腫瘍が見つかり、人生で初めて母の身体にメスが入りました。
今更手術を受けて、痛い目にあって、もういっそ死んだほうが楽になれるんじゃないかなどと思ってしまったこともありました。
薄情な娘です。
人工肛門になる可能性もゼロではないといわれていました。
3時前から、母の病室で待機し、4時前にストレッチャーで手術室に運ばれ、約4時間かかりました。
一晩ICUで様子を見るといわれていましたが、満室になった為、救急病棟に一泊することになりました。
母は麻酔も醒めて、呼びかければ反応もありました。
すっかり痩せこけて顔も紙のように白く、死神のように見えましたが、これで普通にご飯が食べられるようになれば、いずれ元気になるでしょう。
執刀された若い女医さんから説明を受けました。
無印良品の衣装ケースみたいな箱に切除した部分が入っていて、「見ます?」といわれましたが、「結構です」とお断りしました。
半透明の蓋越しに見たところでは、患部が思った以上に大きくて、腸管をほとんど塞いでいたことがよくわかりました。
後方の腎臓に迫るほどの大きさだったそうです。
ステージ4 といわれました。
経過を見て順調なら、今日にも病室に戻り、早速リハビリが始まるそうです。
母はすっかり呆けて、人格も変わってしまい、心身ともに衰えた姿を見るのが不憫で仕方がないのです。
それでもわたしのことはよくわかり、行けば「ありがとう」と喜んでくれます。
手術が終わって運ばれてくる姿を見て、生きていてくれさえすればそれでいいと強く思いました。
高齢者の過剰医療には批判もありますが、この手術は必要なものだったと信じたいです。
これで復活し、寿命も延びた筈なので、リハビリも頑張って、寝たきりにならないように。
好きなお寿司が食べたいのなら、もうひと頑張りふた頑張りしてもらわなければ。
人はそうそう簡単には死ねません。
母の手術を待つ間、青空文庫とnoteを読んでいました。
コメント欄で、メイぷる子🐝さんに思わず、母の手術の待機中です…と洩らしてしまいました。
そうしたら、記事でエールを送ってくださいました。
ありがとうございます。
とても励まされました。