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最近の母のこと

日曜日に娘の家に行き、月曜日に帰るつもりだったが、上の子が手足口病に罹ってしまったので、もう一泊して手伝うことになった。
そのため、子育てサポートの仕事は1日キャンセルさせてもらった。
孫が手足口病になったので…とメールしたので、予想した通り今週いっぱいゆっくり休んでください、来週からまたサポートお願いしますと返信があった。

孫と同じ部屋で寝起きしていたのだから、わたしも移された可能性はある。
移ったとしてもまだ潜伏期間だ。

我が家に戻った翌朝、母の暮らす施設の看護師さんから電話があった。
朝食の後、ロビーのソファーに倒れ込み起きられなくなって車椅子で部屋に戻ったという。 
以前は高血圧で薬も飲んでいたが、この頃は異常に血圧が低い。
この日は上が60だったという。
お腹も痛いといっているので、出入りの医師に往診してもらっていいですか、という用件だった。

お願いします、わたしもこれから伺いますと返事をした。

やりかけの洗濯物を干し、戸締まり、着替えをして車で向かう。

医師は採血だけして帰った後だった。

話しかけると普通だったが、すぐにいびきをかいて寝てしまう。

この頃ほとんど食べない日もあるというので、昼食を部屋で一緒に食べることにした。
 
なんとか起き上がれたが、いくら勧めても「あー、見ただけで食べる気がしない」と一口も口にしない。
確かに見た目はあまりパッとしないが、食べてみると薄味ながらなかなか美味しい。
母の代わりにわたしが完食した。
看護師さんが部屋に血圧を測りに来てくれた。
上は80下は40
少しはマシになったが、大丈夫なのか?

医療施設ではないので、点滴はできないと以前聞いた。
でも水分補給の点滴なら出来るらしい。
ブドウ糖とか?

ボケているから食べないと生きられないという知恵も気力もなくなっている。
しかしそれが老衰というものなのか。

「こうなったら生きとってもしょうがない」というのが口癖だ。
完全にボケているわけでもない。

血液検査で何かわかれば、今後の方針がはっきりするかもしれない。

このままだと弱っていく一方だ。
夜は高カロリー栄養食を食べさせてもらったらしい。

またお昼時に行って、好きなお寿司でも差し入れてみよう。

施設の一階には笹飾り、色とりどりの短冊がぶら下がっている。

「主人と二人の息子たちと〇〇〇で楽しい日々を過ごした事を想い出す此頃。天国の主人へ。早く迎えに来てください」
ある老人の願い事。

今年は母の短冊は見当たらなかった。