見出し画像

新しい喫茶店

昨年、徒歩圏内に新しい喫茶店がオープンした。

わたしの住む郊外の住宅街には、
昔ながらの〇〇銀座みたいな商店街はない。
大きな駅まで歩いていけば、全国展開のカフェはある。

新しい喫茶店には純喫茶風のものを求めていた。

しかし、期待はあっさり裏切られてしまった。

まったくケレン味のない、店内。
そして店名。

失礼ながら、オーナーのセンスも
ヤル気も感じられない。

喫茶店なら、コーヒーの味もさることながら、雰囲気を重視したい。
正直、コーヒーの味はあまりわからない。
雰囲気といってもわたしが求めるのは、そんなに大仰なものではない。

落ち着ける空間。
ホッとできる時間を提供してほしい。

あまり気取ったお店は敷居が高い。

コーヒーの原価ってそんなに高くないと聞く。
場所代も含まれているけれど、ここは所詮郊外。

それなりのお値段で、精一杯のおもてなしをしてほしい。

一回行ってみて、もう来ることはないだろうな、と思った。
ケーキセットを頼んだら、如何にもの大量生産の冷凍ケーキを出しているのはすぐにわかった。

ケーキは1種類でもいいから、チーズケーキとか、アップルパイとか、手作りのものを出してほしい。
(外注でも構わない)

隣にはこの界隈で人気のケーキ屋さんがある。
欲をいえば、ここのケーキを出してほしい。
しかしそれではケーキセットは1000円を超えてしまうだろう。
この場所で1000円超は厳しいかも知れない。

経営アドバイザーの気分であれこれ考える。

リピートはないと思っていたのに、また来てしまった。

ケーキセットは低糖質のナッツとベリーのケーキを選んだ。
なかなかいける。
そして、トアルコトラジャのコーヒーと合う。

少し評価が上がった。
お手洗いもチェックしてみた。
とても清潔で女性好みの装飾が施されている。

お店はガラス張りだが、道路から死角になる席が多く、入店してみると、意外とお客が入っているのがわかる。
マダムたちが楽しそうにおしゃべりしている。

ご近所の人には、昼間から喫茶店にいるところは、なるべくなら見られたくない。

2回目にして、このお店の良いところが発見できた。

こんな喫茶店、早晩潰れるに決まっている…と低評価だったけれど、もう少し温かい目で見守っていくことにしよう。