病院へ 母の付き添い
昨日は、母の手術後初の診察日だった。
車椅子の母を、広い大学病院の中をあちこち連れ回すのは、考えただけでも気が重い。
一週間ほど前から、なんとなく落ち着かない気分だった。
今月3日に退院したときには自宅の車を使ったけれど、車椅子のまま乗れる介護タクシーを頼もうと思い、先週施設の方に相談した。
すると、うちの車を出す予定になっていますよ、というお返事。
そのようなサービスがあることを初めて知り、驚いた。
以前、転倒して肋骨にヒビが入ったときには、わたしが運転して整形外科に通った。
あの頃は、車の乗り降りもまだ普通にできた。
今回の長期の入院で、すっかり足が萎えてしまった。
この先も車椅子のままなのか、もう一度杖をついて歩けるようになるのか。
今はベッドから自力で起き上がることさえままならない。
部屋のトイレにも、ひとりで行けなくなり、結局オムツになってしまった。
現在、要介護1 。
先週、区の担当者が介護度の見直しのために面談に来られた。
質問に答えて、あれもできなくなった、これもできなくなったと伝えていたら、不覚にも涙がこぼれた。
それはともかく…
昨日は9時に施設に行き、準備をして、9時半に病院へ出発。
後ろのドアからスロープを上り、車椅子ごと車に乗ることができる。
わたしは母の隣の席に座り、
10分足らずで病院に到着。
受付を済ませて2階で採血、1階に降りてレントゲン撮影、再び2階へ戻り、消化器外来受付へ。
ここで長時間待たされる。
モニターに受付番号が出たら、診察室の前に移動する。
そこで更に待たされる。
母はあっちが痛い、こっちが痛い、痒い、寒い、などとあれこれ訴えてくる。
その都度宥めながら、「もうちょっともうちょっと」と励ます。
病院の待ち時間の長さ、なんとかならないものか。
病人、高齢者にとっては苦行以外の何物でもない。
予約を取っていても待たされる。
診察は問題なく終わったが、次回の検査の注意事項の説明があるので暫くお待ち下さいと足止めされる。
会計まで、すべてが終わったときには午後になっていた。
施設に電話し、都合のいいときにお迎えお願いしますと、遠慮がちにいうと、今すぐ出られますという有難いお返事。
院内にあるコンビニで、鮭ハラスおにぎりとサンドイッチだけ買い、車椅子を押して車寄せに急ぐ。
施設に戻り、部屋に食事を運び、母と二人でお昼を食べた。
コンビニのおにぎり7割ほどと、小さなサンドイッチ2切れを母は喜んで食べた。
母の給食は、わたしが完食した。
母は数か月前からご飯しか食べなくなり、ふりかけや瓶詰め、つくだ煮などを差し入れている。
主菜も副菜も一切口にしなくなった。
その代わり退院後は医師が処方するエンシュア(高栄養のドリンク)だけは残さず飲むらしい。
もう栄養のバランスがどうとかいっていられない。
エンシュアのお蔭か、血色も良くなり、言葉にも表情にも活気が出てきた。
いろいろ残念なこともあるけれど、母のことに関しては、もう一喜一憂しないことにしている。
次回の受診は3か月後。
付き添いは疲れるけど、母もよく頑張った。