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スカッと爽やか…のつもりが

95歳の一人暮らしの義母は、軽い脳梗塞で入院し、きっちり2週間で退院した。

夫はその間、実家に泊まって、家の中のチェック、不用品の整理(主に食品)、毎朝リクエストされたものを病室にせっせと届けるということをやっていた。
退院後のケアまでして、そろそろ戻ってくる予定だ。

これまでも入院やら引っ越しやら、骨折の自宅療養やら、いろいろあったが、息子たちは現役で働いていたため、その度に駆り出されるのは嫁のわたしだった。

義母は世間的には良い人、立派な人で通っているが、家族にとってはある意味厄介な人かもしれない。

嫁として、意地悪をされたこと、嫌味をいわれたことはない。
寧ろよくしてもらった。

とはいえ、言動に矛盾を感じたり、理解の範囲を大きく越えることも多々あった。
万事自分の思い通りに事が運ばないと気が済まない人だ。
尤もこのぐらい強い人だからこそ、95歳一人暮らしが出来るのだろう。


80代で入院したときは、義兄が帰省して、少し付き添っていたが、生まれてから一度も怒ったことがないような温厚な義兄が、母親に「わがままをいわないように」と説教しているのを見た。

わたしはこのときひと月程付き添っていたが、心身ともに疲弊した。

今回の入院で、夫から毎日のように母親の悪口メールが届いた。
義母の言動は強烈過ぎる。
そして疑問点も多い。 
見舞客に初めて入院した、などと話していたという。
わたしも初めのうちは、笑いながら付き合っていたが、過去の諸々が突然蘇ってきて、堰を切ったように流れ出した。

夫に今までの不平不満を長文メールで送りつけてしまった。
ほぼ悪態、暴言だった。

墓場まで持っていけば立派な嫁のままでいられただろう。
しかし、そうは問屋が卸さなかった。

積年の恨み辛みがマグマのように煮えたぎり溢れた。

一夜明けても不思議と後悔はなかった。
なぜかスカッと爽やか。
せいせいしていた。

しかし、一度飛び出した言葉は戻ってこないことも知っている。

夫はどんな顔で戻ってくるだろうか。