ご近所の謎とエマージェンシーコール
駅前のマンションから、同じ町内の今の家に越して来た。
この一画は、地主さんが農地を手放して何軒もの家が同時期に建てられた。
元同じマンションの住民も多い。
元々の住民と後から移り住んだ住民が混在している地域だ。
引っ越して来た当初は、小学生、中学生の子どもたちが多く、賑やかだった。
あれから二十余年。
住民にも高齢化が進む。
お孫さんの泣き声が聞こえてきて初めてお子さんの結婚を知る。
ご近所付き合いはあっさりしたものだ。
それでも、離婚した娘さんが子連れで戻ってきたり。
長く奥さんの顔を見ないなと思いつつ、誰にも訊けずにいたら、病気で亡くなられていたことが数年後にわかったり。
外国の方と娘さんが別居結婚をされていて、第一子の誕生をインスタで知ったと思ったら、第二子を妊娠されていることも発覚した。
いつの間に?
あちらから言われない限り、知らんぷりをするしかない。
まぁ、どこのお宅にもいろいろあるが……。
最近の気がかりは、あるお宅にしょっちゅう救急車が来ること。
最初は月に数回、それが週に1回になり、ここのところ、3日に1回から2日に1回に。
入院されるほどでもないのか。
高齢のご夫婦ふたり暮らしで、80代後半とお見受けする。
奥さんの顔は最近見ないが、ご主人は時々スーパーでお見かけする。
病状の深刻度はわからないけれど、あまりの頻度に気が気ではない。
まさか認知症ではないと思うけれど。
昨日NHKで、「エマージェンシーコール〜緊急通報司令室〜」という番組を観た。
119番を受けるオペレーターの方々。
さまざまな電話が掛かってくる。
食べ物を喉に詰まらせた
痙攣後の呼吸停止
リストカット……
勿論緊急性があるから、考え込んでいる暇はない。
個々のケースに応じた判断が瞬時に求られる。
冷静的確に、対処法を矢継ぎ早に指示する。
その場にいる人を落ち着かせ、動かす。
相当な知識と訓練を積まなければできない仕事だ。
救急車が到着するまで、指示を出し続ける。
観ているこちらまで、緊迫感が伝わってきて、動悸息切れが激しくなる。
まさにプロフェッショナルの現場だ。