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結論を押し付けず、自分の感情を素直に。

昨日は20年近く参加している「トーストマスターズクラブ」の全国(全日本)スピーチコンテストでした。トーストマスターズクラブはスピーチを通じてコミュニケーションとリーダーシップについて学ぶ世界的な教育NPOで、日本には約200のクラブがあり約4000人が参加しています。その中で年に一度、クラブ、近隣クラブ(エリア)、近隣エリア(ディビジョン)のコンテストがあります。最終的に全国に10あるディビジョンからの代表が全国大会でのコンテストに参加し、その年のチャンピオンが選ばれます。(2021年春現在)私も毎年挑戦し、何度か全国大会の舞台に立ったこともありました。今年はオンラインで観覧しただけでしたが、やはり、思い入れのあるコンテストです。

制限時間4分30秒以上7分30秒以内、トピックは特に制約はありません。(細かい運営規則は世界標準で規定されています。)皆さん、日々の出来事や、大きな失敗、仕事での苦労、影響を受けた人とのエピソード、など、様々なことを話されました。日本語部門と英語部門があり、今年は特に日本語部門で優勝された方のスピーチが心に響きました。

ご近所の方とのおつきあいについて語られたスピーチでした。偶然、自分が所属するクラブと同じエリアの方だったので、エリアコンテスト、ディビジョンコンテストと全国大会、と3回同じスピーチを聴いたのですが、知っている話だというにも関わらず、昨日も聴いていて涙が出ました。

その他にももっとドラマティックで壮絶な話もたくさんありました。でもそんなスピーチの中でその方のものがもっとも心に響いたのは、個人的なエピソードを語り終えた最後の部分で、決して人に結論を押し付けることなく、その方ご自身ががそれぞれの場面で感じたこと、その体験を通じて学んだことを、とても素直に率直に、言葉を練り上げられて語られたからだと感じました。結論である最後の部分は、えてして説教くさくなりがちで、「私はこうでした。さぁ、あなたも!」みたいに言ってしまいたくなるところです。その方のスピーチの結論はご自身の感情を素直に的確に表現され、押し付け感がなく、それでいて聴いているそれぞれが、自分の周りにいる人に思いを馳せ、その人たちとの接し方について自然に考えさせられる、そんなスピーチでした。

織り交ぜられたユーモアや、その方の自然な語り口、オンラインで制限されがちな中で有効に使われたジェスチャー、そういったデリバリーの部分ももちろん秀逸でした。ですが、やはり、何といっても日常のシーンの切り取り方や、それを語るご自身のスタンス、聴衆との距離感の取り方が圧巻でした。

コンテストは毎年行われ、私自身は年に一度、自分の考えや感情を整理する、いわば「定点観測」のために毎年出場することにしています。英語部門で全国大会で優勝すると、世界大会予選に進むことができます。世界大会で世界中の人にスピーチを聴いてもらう、というのが、私の秘めたる夢(野望?妄想?)であったりもします。(ここに書いた時点で「秘めたる」ではなくなってしまいましたが。)

来年のコンテストに向けて、日常での自分の体験や感情を丁寧に集めていきたいと思います。そう思っていたら、ちょうど受講中の文章講座の講師の方も同じようなことを書かれていたので、私も昨日の感情を整理し、書いてみました。

noteに記事を書くのはまだまだ苦手ですが、自分の感情を素直に表現し、共感を生み出せればと思います。

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