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「スパイダーバース」をみた

マルチユニバースものとして過去のコミックス、アニメ、実写映画のファンにキッチリ目配せしつつ、一人の少年がヒーローになるまでの物語として単体でも完成度が高くて本当に最高の映画だった。

自分的にスパイダーマンはトビーマグワイヤ版3部作なんだけど、3でピーターがよくわからないイキリ方してるのをちゃんと黒歴史としてイジってて最高だった

この作品はラストでキャラクターを元の次元に戻す時に「アンタはアンタの次元に戻ってやるべきことをやれ」っていうメッセージがさりげなくポジティブに観客にも向けられてるように感じた。

今までのスパイダーマンとの構造の違い

これまでの作品の構成て、蜘蛛に噛まれる→スパイダーマンとしての能力が覚醒!ムキムキになって壁にくっつけるようになって、ついでに視力もめちゃめちゃ良くなったぞ!(何故?)→いじめっ子をコテンパンにして、気になるアノ子といい感じに!?スパイダーマン最高ー!ウッヒョー!て調子に乗ってたら中盤で悲劇が起こって、自分の使命と向き合い真のヒーローとしての覚醒→悪者とのラストバトル!

ていう感じで、前半でスーパーパワー身につけてリア充エンジョイ!

からの、中盤でおこる悲劇と、ヒーローとしての覚醒を経て、

後半悪者とのバトルという構造なんだけど、

今回は「ヒーローとしての使命の自覚」が先で「能力的な覚醒」はラスト30分で起こる

そこまではマイルスは「思いやりもあるし、使命感もあるけど自分の能力を使いこなせない」という、酷い言い方するとチームのお荷物的存在

なので前半は結構見ててしんどい、

だからこそあの覚醒の瞬間の「落下、落下、落下、、、上昇!!!」の瞬間の高揚感が本当にヤバい

内面描写のギミック

マイルスが獲得する能力は「壁にくっつく」「スパイダーウェブ」というオーソドックスな能力に加えて「電撃」「透明化」がプラスされてて、これだけ聞くと「チートじゃん」て感じなんだけど、

劇中これらをバトルで意識的に使うのは一回づつで(確か、多分)、これが「バトルスキル」というよりは「マイルスの成長を描くためのギミック」として使われててるのが本当に面白かった

まず、透明化はラスト30分以前はマイルスの「逃げたいほど怖い/恥ずかしい」という感情に反応して無意識に発動してる、

で、よく見てるとラストバトルのあの絶望的なシーン(1:38:30あたり)で、やはり無意識的に一瞬透明になりかけていて「マイルスの中に絶望が芽生えている」というのが視覚で表現されている

この、たった1人で絶望的な状況になって心底恐怖している場面で「立て立て!」と自分を鼓舞して立ち上がるシーンでこの作品の中で何人ものスパイダーマン達が「ヒーローの資質」として挙げ続けてきた"何度打ちのめされても立ち上がる"を体現して本物のヒーローになるっていう

そういうギミックとしてこの「透明化」っていう能力が使われてるの本当に感心した

あと電撃に関しても最後の切り札であるのと同時に「あの人は今でも俺の心の中にいるぞ」っていうアレなんだよな

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