記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。

映画『長ぐつをはいたネコと9つの命』を観てグッタリしてしまった話

※ネタバレあります

感想

この作品を一言で言うと”バカが考えた超大盛りお子様プレート”

フルコースという言葉すら生ぬるい、
スープもサラダもなし!!
ずーーーーっとメインディッシュだけ出してくる104分!!

あれです。田舎の親戚の集まりでたまに発生する「ちゃんとメシ食ってるか?」「寿司食え!!」「こっちの肉も食え!!」「カニも食え!!」「大盛りカラアゲもあるぞ!!」みたいな、とにかくご馳走に次ぐご馳走でメチャクチャにされるあれです。

「コミック好きはこういうの好きだろ」「ゲーム好きはこういうの好きだろ」「俺たちもそうだからわかるんだ」っていう製作者側の愛情がビシビシ伝わってきて心の底からワクワクしてしまう。(アニメ作品なんだけど、めちゃめちゃコミック感やゲーム感がある不思議な映画だった。)

そういうのがメチャクチャちりばめられていて、遊園地で1日大ハデャギしててヘトヘトに疲れるみたいな体験が出来る映画だった。

この2本の動画でほとんど冒頭のシーン全部みれるんだけど、コレみてピンと来た人は劇場に見に行ったほうが良いです。

ちゃんと期待を裏切らずにコレを104分フルスロットルでやってくれる。

細かな話

スピード感

"9つの命を持つ猫が8つ目の命を失い、最後の命を刈り取りに死神がやってくる"って言うとこから話が始まる”

このスピード感ですよ、皆さん

「”猫おばさんハウス”のところで絶対中だるみするんだろうなー」って思ってたんだけど、そんな事は全くなく、途中トイレに行くタイミングが全然なくて困った。

「ウルフの武器そうなるんだ!!」とか、そこもうちょっとじっくり見せてよ~ってのが猛スピードでビュンビュン通り過ぎていくので、それについていくのが大変なんだけど、このスピード感のおかげで、ラストの感動シーンが甘ったるくならずに済んでいると思った。

お涙頂戴的なシーンってどうしてもテンポが下がっちゃったりするんだけど、この作品だとそんなことが全くなくて、感動シーンもバク速で駆け抜けていくので湿っぽくならない。

ライムスターのウタマルさんがマッドマックスを見た感想で「情報量が凄すぎてグッタリする」って言ってて「めっちゃ分かるぅ~~~!!」ってなったんだけど、この映画もそういう作品だった。

映画3本分くらいの情報量を104分で脳にぶち込んでくるような映画なのでメチャメチャ疲れる。

映画のあとにショッピングとか遊ぶ予定入れないほうがいいです。マジで。
疲れすぎて何も出来ない、帰りの電車で映画の感想とか漁るの好きなんだけど、クタクタすぎて文章が全く頭に入ってこなかった。

演出

自分は映画リテラシーが低いので、よく他人の映画考察とかを読んで「そこってそういう意味だったんだ」っていうのがあるんだけど、この映画だと全部画面上で説明してくれるような親切感があった。
(例えば歩きながら話してるシーンなんかで、含みを持たせたシーンになるとちょうどそのキャラクターの顔に影がさしたりするような光の演出とかがされていて、「あー、何か今不穏な話してんだな」というのが画面から伝わってくる。)

ディズニーとドリームワークス

「死神の追跡を受けながら、バディとともに宝星を探す」という筋書きだけで映画として成り立っていると思うんだけど、そこに「いや、お前らだけで映画1本作れるだろ」って連中が2組ほど追加されるので、ほんとに"バカが考えた超大盛りお子さまプレート"みたいな作品になってて最高だった。

言い方は悪いんだけど、この"バカが考えたお子様プレート"っていうのが「おとぎ話をちゃんとやろう」というドリームワークスの覚悟にも見えた。

ポリコレにがんじがらめにされているディズニーとはこの辺が本当に対照的で、ディズニーへのアンチテーゼから始まった、いわば邪道のドリームワークスが、王道のディズニーを抜き去る瞬間を目撃してしまったような高揚感があった。

バカが考えたお子様プレートを大人たちがきちんと全力を出し切ってやるって言うのは最高に素晴らしいなぁと思った。


ただ、逆に「この点はまだまだ全然ディズニーに勝てないな」と思った点があって、ドリームワークス、本当にキャラクターグッズを売る気がない。

あのネコナイフとかみんな絶対欲しいだろ!!

映画見終わってすぐグッズ販売所のぞいたけど、あのナイフがなくてガッカリしてしまった。

ドリームワークス、そういうとこやぞ!!!
(映画は本当に最高です皆さん絶対劇場で観てください!!!!)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?