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選手の移籍についての考え方

サッカーではシーズンが一段落して、今は差し当たりプロ野球で言うところの「ストーブリーグ」の時期だと思います。
とりわけ、選手の移籍が多く取りざたされますよね。例えば「Aというチームに所属していたXという選手が、ガイナーレ鳥取に完全移籍で加入することになった」とか。逆に例えば「ガイナーレ鳥取に在籍していたYという選手が、Bというチームに×年×月×日から〇年〇月〇日まで期限付き移籍することになった」みたいな。
加入の場合はポジティヴな感情でもって迎え入れることになるんですが、出て行ってしまう場合はネガティヴな感情が生まれてきがちで、ひどい人になると「XはA(推しチーム)を裏切ってB(移籍先)に転んだ!あいつは許せないヤツだ!」みたいなことを言い出す連中も出てきたりします。
でも、その移籍がこの社会のルールに違反していない手法で正当な手続きを経て行われるものであるなら、非難される謂われはないと思うんですよ。
何でこういうことを書き始めたかっていうと、昼前にこういう連ツイをしまして。

当たり前のことですが、選手だって1人の人間であって、場合によっては養うべき家族が付随していることもありますよね。奥さんがいたり、お子さんもいたり、あるいは老親がいたりとか。扶養家族も場合によっては様々な事情を抱えているかもしれませんね。その辺りは、人によりけりでいろいろあるでしょうよ。
そういうことも鑑みる時、「推しチームから出て行くな」とはファンの立場として強硬に主張できないでしょう。移籍先のチームは、推しチームより何らかの手厚い要素があるのかもしれない。それまで否定できますか?
それを否定したとして、じゃああなたがそれを当該選手に負担してあげられますか?という話になると思うんですよ。
俺にはそれはできません。そんな原資がありませんし。せいぜいチームグッズを買ったりする程度ですよ。そんな、選手の生活の面倒までとても見切れないですよ。誰だってそうでしょう?

プロスポーツ選手たるもの、自分の価値を認めて高く買ってくれるところに行きたい、とする心情はあると思うんですよ。安く買い叩かれるよりは自分を少しでも高く評価してくれるところに。あるいは年俸の金額はともかく、例えば福利厚生が良かったり、チームを運営するクラブが有するAという施設やBという制度に恩恵を感じたりすることもあるでしょう。
ともあれ、所属選手が何らかの理由で移籍を考えることはあって、それは彼らにとって当然の権利なんですよ。「裏切った」とかそれはお門違いの文句であって、そういうものを用意できない推しチームに問題があるんです。
用意できない理由はいろいろあるでしょう。そこに回せる資金・施設・人員などがなかったりする、というのが最も大きそうですね。それはむしろ経営サイドの問題です(これは単純に移籍が絡まない退団、若しくは減俸などの場合も含まれます)。
ならば、そういう経営環境にできるために、応援者としては自分たちにできる範囲で様々な支援をする、しかないと思うんですよ。出資者(あるいは株主)というような立場でないなら、なおのことそうでしょう。

Xという選手が推しのAというチームから、ライバルのBというチームに移籍した」という事実を取っても、そりゃ単に「Bに魅力があると感じたからそっちを選んだ」だけの話で、それ以上でもそれ以下でもありませんし、ましてそのことを「裏切り」だみたいに言うのはお門違いも良いところですよ。
むしろ「今まで在籍してくれてありがとう。来季以降は向こうでも活躍してくれよ」となるもんじゃありませんかねえ。

だとすると、こういう場合、責められるべきはむしろクラブ側で、選手個人ではないはずですよね。また、クラブを責めるにしても罵声を浴びせたりするのではなく、「これこれこういう理由から好ましくないと思うので、ご再考願えませんか?」というような感じの文面でメールなどを送付するなどして、穏便に対処すべきです。
選手のSNSの個人アカウントやクラブマスコットキャラクターのそういうアカウントとかに、わけのわからない徒に攻撃的なリプライを飛ばして憂さを晴らしても、誰も得などしません。飛ばされた方ももちろんですが、飛ばした方もです
ガイナーレ鳥取の場合だったら、ガイナマンのアカウントにそういうものを飛ばしたとして、誰も喜ばないでしょう?
マスコットの存在するチームには大抵、そのマスコットのアカウントも用意されています(なければチーム公式のアカウントでツイートしている場合が多いようです)が、そんなところに罵詈雑言込みのリプライなんか送ったところで、スッキリするのは送った人だけですよ。

とにかく、意に沿わない移籍や退団などが発生した時、それに反感を持つのは構いませんが、それに抗議するための手段だけは穏当に願いたいもの。
過激な手段を遣ってアピールするなど以ての外。ワンクッション置いて落ち着いて、その上であれこれ考えてみましょうよ。

かく言う俺だって、長いこと鳥取のサポーターの真似事みたいなことしてる間には、いろいろ承服できない選手の移籍や退団もありましたよ。
だけど、我々の手で何とかできないんだから、しょうがないと思って最終的には諦めて、次の年度に揃うSquadに期待を持つようにしてます。

俺としては、あんまり選手に強く感情移入しないようにしてるんですよ。彼らに愛着を持ちすぎてしまうと、移籍や退団の際にマイナスの感情が出てきやすくなっちゃうので。
もちろん、それは考え方の一つに過ぎず、絶対の正解でもありません。特定の選手に興味を抱いたので、その選手が所属しているAというチームが好きになった、という事例も当然あるわけですから、一概に特定の選手推しをダメとする理屈はありませんよね。
なので、それはそれとして考え方の一つと受け止めます。

その上で俺は、この先もいろんな移籍・退団などがあると思うんですが、違法なもの・ルールや道義に反するものでない限りは、その対象になった選手たちに徒に失望したりはしないようにと思っています。だって彼らの人生の選択ですもの。彼らの行く末に幸あれと願うだけですよ。

基本的に他人様にどうこう、と偉そうに提示するような文章ではなく、「こいつ、馬鹿でぇ」と軽くお読みいただけるような文章を書き発表することを目指しております。それでもよろしければお願い致します。