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ガイナタイガーに会いに行ったけど、ガイナーレ鳥取は思いっ切り負けた、という話【Short Letter】

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私は前にこんなのを書いている。

この時紹介したガイナタイガーという選手。ガイナーレ鳥取のユニフォームを身に纏って入場することについて、以前から何となく知っていた。

そのガイナタイガーが、ホームリングであるところの鳥取だらずプロレスの一員として試合に出場するのだという。

というので、2021年10月3日にチュウブYAJINスタジアムに行ってきた次第。
そこでは、ガイナーレ鳥取がテゲバジャーロ宮崎と試合をするらしいが、普段ガイナーレ鳥取の応援者然とした態度を取っているような私が言うべきことではないが、私にとっては正直なところどっちでも良かった。

ずっと前から鳥取だらずプロレスはどうしても見たかった団体だからだ。ガイナタイガーを含む、選手は数名観たことがある。
この写真でいえば、今やっつけている方とやられている方。つまり、やっつけているのがヒール(悪役)のDAISENという選手で、やられているのがベビーフェイス(善玉)のガイナタイガーということになる。

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この2人が、2018年には一緒に、2019年にはDAISENだけ、松江だんだんプロレスの朝山大会に参加したことがあるのだ。
「で、君は何でそんなマイナーな大会を知ってるの?」という人もいるだろうが、この出雲市南部にある朝山地区の祭の一環であり、その祭にプロレスを呼んだわけだ。
たまたまその存在を知った私は、ガイナタイガーが出てくる、というので一も二もなく観に行った。

DAISENは有名どころでいえばヨコズナまたはグレート・コキーナとして知られるレスラーを想起していただけるとわかりやすいだろう。そういうタイプの巨漢だ。

一方、本文の主人公でもあるガイナタイガー。見ていただくとわかるように虎のマスクをしている。
そして入場時にはガイナーレ鳥取のユニフォームを着てくるのがお約束になっている。

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2018年の朝山でもそうだった。

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もちろんこの日もこの日で例外ではなかった。聞いたところでは、本当にサポーターらしい。ゴール裏にも出没しているとかいないとか。


さて、この日の試合は午前と午後の2部構成で、計4試合行われた。

試合は、この掲載順とは若干順序が違っている。

午前の部(10:30~11:30)
第1試合=大塚りん組vsカルロス大原棚ボタ弘至組(30分1本勝負)
第2試合=DAISENCOW佐伯藤原タクヤ組vs矢野俊治山口謙吾ガイナタイガー組(20分1本勝負)
午後の部(12:00~12:50)
第1試合=原口知弥vsセーフティこうき(だらず最強トーナメント・20分1本勝負)
第2試合=棚ボタ弘至藤原タクヤCOW佐伯DAISEN組vs矢野俊治ガイナタイガー山口謙吾組(30分1本勝負)

とりあえずガイナタイガーに関しては後述するとして、他の選手たちからピックアップしてみる。

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午前の部の第1試合に出て来る大塚りんというのは女性レスラーである。この写真ではスカート姿の選手で、それが男子に交じって普通に試合をしている。
昔、あの大仁田厚が創立したことで知られるFMWは、男女両方とも選手がいたが、男子の試合に女子が混ざるようなケースはほとんどなかったように記憶している。
昨今はフェミニズムが喧しい世の中で、Vtuberやアニメのキャラにいちいち文句を言い出す人もいるが、そんな人たちはこのプロレスを見てどう思うのだろう?私にはジェンダーのボーダーレスみたいな様相で面白かった。
だけどたぶん、そんな大袈裟なもんじゃないと思うけど。当人は楽しそうに試合していたようだし。

また、同じ試合の相手にいた棚ボタ弘至は、見たらわかると思うが、新日本プロレスの棚橋弘至のパロディみたいな選手である。
この、やたらと胸元を広げてみせるムーヴを本家がやるかどうかは知らないが、個人的には結構気に入った。T.M.Revolutionみたいで面白い。

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午後の部の第1試合では、原口知弥という選手がシングルで登場した。彼は今の鳥取だらずプロレスでは強い部類の選手らしい。ただ、今回の紹介ページには写真が掲載されなかった。理由は知らない。
で、そのせいもあって本人御機嫌斜めだったとか。その試合だけでなく、午前の第1試合以外に絡んでいる。
一斗缶持ってるのは、アジャコングか原口知弥かってぐらいかもしれない。

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午前午後とも第2試合に出ていた中で、藤原タクヤ(ふじら・たくや)という選手がいるが、別にこの選手ではない。サッカー選手は「ふじら・たくや」だ。間違えないように。プロレスラーは下の写真の選手だ。
はじめ、ガイナーレに藤原拓也が加入したという話を聞いた時、藤原タクヤの名前だけは知っていたので、素で驚いたことがある。

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あと、忘れてはいけないのは、この団体の創立者でもあるG。現役の歯科医師だという。

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この日はガイナタイガーに倣ってガイナーレ鳥取のユニフォームを着てきたが、GK2ndだった。

まあ、それはいいとして。


さて、いよいよガイナタイガーの話をしたい。

やっぱり、アニメのタイガーマスクだとか、佐山聡や故・三沢光晴などが扮していた実在のタイガーマスクをリアルタイムで知っている世代だと、あの虎のマスクは、それだけでシンボリックなアイテムたり得る。

無論、私などもそう。タイガーマスクには憧れたものだ。アニメのタイガーマスクはほぼ一貫してベビーフェイス、つまり善玉で、過去のヒーローでいえば月光仮面に近い精神性かもしれない。

実在のタイガーマスクは、同じように善玉だが、そうした劇画的なスーパーヒーローというより、もっと現実感のあるヒーローだったのではないか。

ガイナタイガーも、そういう系譜の上にいそうな気がする。無敵かどうかはどうも言えないけれど、カッコいい。佇まいが良いじゃないか。

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かと思えば、午前の第2試合で原口知弥らに痛めつけられたので、その腹いせにと奇襲をかけてみたりする荒っぽさも持ち合わせる。

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無論、彼お得意の華麗な立体殺法も忘れずに。

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ちなみに彼はこの試合の最中に、自動販売機の上に乗っかって、そこからダイブするというクレイジーな技も披露した。

さすがに本人もこれはやりすぎと思ったようで、謝罪ツイートもしたようだが。でも、こういうクレイジーなプロレスラーがいても良いと思う。

ガイナタイガーは単に行儀の良いベビーフェイスに留まらず、幅広いイメージの選手なのかも、とこの興行を見て思った。

ちなみに少し話もさせていただいたが、こんな病気持ちのおっさんの相手をさせるのが申し訳ないほど、話していて気持ちの良い選手だと思う。彼のことはやはり今後も好意的に見ていたい。


ところで、サッカーはどうなったのかって?

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この試合をどう説明しろというのか。そりゃこの前岐阜に完勝したからといって簡単にいかないことはわかっているよ。

実際のところ、この試合にも勝ってると、最高の気分だったのにね。

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それはそうと、2018年に朝山で買ったこれを今回着けていったよ。自分としては、いずれ何処かで鳥取だらずプロレスの大会を、キチンと見てみたいと思うようになった。
鳥取県在住でないので、いろいろ難しいけど、行けるなら行ってみたい。

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