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天皇杯の話を見聞きしてSC鳥取ドリームスについて思った。「夢は見られる時に見ておけ」、と。

天皇杯全日本サッカー選手権は、日本のトップカテゴリにいるチームと、それ以外のチームとがガチンコ対決をする機会だ。当然、下のカテゴリにいるチームは上位カテゴリにいるチームを一発喰いたいと思っているだろう。

その昔、SC鳥取ドリームスというガイナーレ鳥取のファミリーチームが、ガイナーレ鳥取と天皇杯の鳥取県予選で対戦したことがある。

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2008年の天皇杯鳥取県予選決勝

私はこの試合も当然観ているのだが、この時、私はガイナーレ鳥取側ではなく、SC鳥取ドリームス側のゴール裏にいた。

そこにはドリームスを長年応援している某氏がいた。彼は長年ドリームスのコールリーダーをしてきた人だ。このあとも長らくその立場を続けた。
その後、数年前にその立場を退いた。彼にもいろいろと事情があってのやむを得ない決断だった。

それはともかく、だ。

この頃は、まだドリームスのコールリーダーとしていろいろな仕掛けを尽くそうとしていた頃だった。

私もその仕掛けに乗りたかった。確かにこの頃、ガイナーレ鳥取のゴール裏にもいたし、そこでバリバリ応援行為をしてはいた。

しかしながら、ドリームスの応援はまた風合いがちょっと違う。サッカーそのものを楽しもう、みたいな姿勢が表に出る。勝ち負け云々以前のそういう感情が、私は嫌いじゃない。

サッカー観戦に限らず、スポーツイベントは一種の祭みたいなものだ。そう思うと、その祭をよりディープに満喫してみたい、と思ってしまう。

もちろん、試合をする側からしてみれば、カテゴリを問わず相手に勝つことを第一義として試合をすると思う。それは当然だ。

しかし、この試合に限って言えば、SC鳥取ドリームスというガイナーレ鳥取のファミリーチームが、あわよくばガイナーレ鳥取を慌てさせ、場合によっては勝てたりすると楽しいだろうなあ、と想像した。

その想像が楽しいから、ガイナーレ鳥取側でなく、SC鳥取ドリームス側にいたし、そこで応援行為を楽しんだ。

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前半終了時点

試合はドリームスが先制した。当時のドリームスは、まだSC鳥取のカラーを残した選手構成だった頃のドリームスだけに、こちらとしては馴染みのある選手も多かった。

それが先制しちゃうのだから、こちらはもうヤンヤの大歓声。対するガイナーレは、Jリーグ参入を目指していた頃で、チーム編成もいろいろと本腰を入れていた頃だった。
それが、ファミリーチームに足許を掬われつつあった。当時はチームの監督がヴィタヤ・ラオハクルだった。ヴィタヤもこういうゲームプランでなかったらしく、前半から選手を入れ替えたり、困ったのではないか。

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試合終了段階

だが、結局はこの頃のガイナーレ鳥取にいた超絶外国籍選手だった、コン・ハメドに得点を決められるなど、最終的にはガイナーレ鳥取に逆転され、面目を保たれる形になった。

とはいえ、ドリームスのゴール裏は、やりきった感でとても清々しい印象があった。これは、ガイナーレ鳥取のゴール裏では先ず経験ができない感覚だと思っている。

それはそうだろう。楽しむ応援はやっている方も絶対に楽しい。祭なんだから、楽しまなきゃ損に決まっている。我々はその渦中にいて、そのことを何となくわかっていたから、楽しんだ。


この試合のあとも、ドリームスの試合を応援に行くことは何度もあったが、そこで心掛けたのは、殺伐とせずに楽しむことのみだった。

このチャントメドレーを企画したのも、サポーターの首謀者である例の某氏なのだが、こんな感じで、やってる方が積極的に楽しんでしまえ、みたいな感じだ。

私も、これではなかったと思うが、チャント集の録音につきあったことがあった。いや、これにも参加したかもしれないが、自分の記憶が定かでない。

ただ、一回は確実に覚えている。何故なら2012年の春先に湘南ベルマーレ戦を鳥取に観戦に行った直後の話で、この時には脳梗塞を朧気ながら発症していた頃だったからだ。よくぶっ倒れなかったな、と思う。

最初の中国リーグへの参入の年だった、というのもあるのだが、私も気が張っていた部分があったと思う。

その録音につきあった直後、帰り道で寄ったとある店で、自分の身体の様子が何となくおかしいことに薄々気づいたが、この時はまだ症状から何が起きているのかつかめていなかった。

結局、その後に脳梗塞とわかって長期間の入院を余儀なくされたが、結局、このシーズンは、中国リーグの試合をほとんど観ていない。一試合ぐらいはあるかもしれないが。


その後、2013年から本格復帰したが、その頃は鳥取県リーグに逆戻りしていた。でも、楽しむことを第一義に据えて、入れ込まないようにするスタイルは、逆に私の性に合っていたのかもしれない。

いろんな応援もしたし、いろんな試合を観た。

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霧の中のドリームス

2015年にはこんな濃霧の中で試合を観てもいる。冗談みたいな試合だったけれど、楽しめたと思う。

別のある試合では、例の某氏も来ていたが、試合の後半ぐらいから、単一のチャントを延々とぶっ込み始め、私もやってて何が何だかわからなかったけれど、とにかく必死に食らいついていった。
最後は死ぬほどへばったが、そういうのが不思議とイヤではなかった。むしろ思いっ切り楽しめたと感じたのだから、自分もどうかしている。

そういう経験もした。


2016年には二度目の、そして現状では最後の中国リーグ入りを果たした。このシーズンもまた私は夏の終わり頃に脳梗塞でぶっ倒れているが、そうなるまでに、何度も試合を観に行った。

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2016年夏の廿日市FC戦

これは倒れる前に行った廿日市FC戦の模様。これも含めて、このシーズンのドリームスはリーグ戦に於いて全く勝てなかった。
このように、ガマンのシーズンだったが、中国リーグという場を満喫することはできたと思う。

まあ、このおよそ1ヶ月後に、脳梗塞の再発でぶっ倒れてしまったわけだ。


そして鳥取県リーグに舞い戻ったSC鳥取ドリームスを、その後も観に行くことになった。

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鳥取県リーグ降格後のドリームス

今のところ、最後に観たのは、2019年にあったけろー会との試合だ。

この辺にも書いているので、御一読いただくと有り難い。


2020年以降、鳥取県社会人サッカーリーグが無観客で実施されているため、一試合たりとも観戦できていない。

2022年はどういう状況になるか不明だが、可能ならまた、久々にドリームスの試合を観てみたく思う。

それはともかく、ドリームスにはもう一度、上を目指してほしいし、そのための応援ならできるだけしたい。身体の都合もあって、なかなか声を出しての応援もできかねるが、できることはしたい。

2021年については、Yonago Genki SCの試合なら、有観客で観戦できたがために、中国リーグのホーム8試合中7試合を観に行っている。もちろん、彼らの奮闘も楽しい。

この辺に書いたので、お時間のある方はお読みいただけると嬉しい。ガイナーレ鳥取やSC鳥取ドリームスとはまた一味違う楽しさを有している。

だが、本当のことを言えば、ドリームスの試合を観たいに決まっている。彼らの試合を楽しみたいだけなのだ。私はずっと、ガイナーレ鳥取と同じぐらいに、SC鳥取ドリームスを贔屓にしてきているのだ。

本当に、COVID-19が憎くて仕方がない。あれらが早く悪さを止めてほしいと思う。最近は新株も登場して収束傾向がなかなか見えない。本当にもどかしく思えてしまう。

そうしたら、またSC鳥取ドリームスの試合を観戦できるだろう。ギラギラして、とにかく勝ちたいという意欲を表に出す、SC鳥取色がかなり薄まった今のドリームスも、また楽しい。

彼らを観ていると、常々思う。


夢は見られる時にこそ、ふんだんに見るに限る


……ということを。また天皇杯の予選に登場して、ガイナーレ鳥取をまごつかせるドリームスが観てみたい。それができるポテンシャルを持ったチームのはずなのだから。

そんな彼らを応援がてら観戦するのは、やはりとても面白い。特に勝つと、その喜びも倍増する。難しいかもしれないが、また勝ってほしい。彼らの夢を、この目で見てみたいのだ。

それができるなら、私は本望だとも思っている。

基本的に他人様にどうこう、と偉そうに提示するような文章ではなく、「こいつ、馬鹿でぇ」と軽くお読みいただけるような文章を書き発表することを目指しております。それでもよろしければお願い致します。