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教育・生き方・働き方コラム『未来へのまなざし』

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教育・人財育成・組織開発に携わるコーチ、ファシリテーター、キャリアコンサルタントである山本が気になった記事やトピックスを紹介していくマガジンです。 コンテンツは基本無料ですが、時…
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記事一覧

手段となる組織から目的となる組織へ

「手段の目的化をいかに回避するか?」 これはあらゆる問題解決の場面においても言われてきたことです。 実際、支援の現場でもこの視点で対話をし、常に本質に立ち返りながら施策を打つことを進めてきました。今もなお大事にしている観点です。 しかし、最近ふと思ったことがあります。 それは、「手段の目的化」が問題となるのは、思考することを手放し目の前の手段を闇雲に続けることを習慣化しているときであり、思考した結果手段そのものに目的を付することが出てくることがあるのではないかというこ

挑戦に喝采を。ローカルベンチャーの祭典開催【12/23 LOCAL VENTURE SUMMIT in NIIGATAレポート】

12月23日(土)地域密着型ベンチャーの祭典・LOCAL VENTURE SUMMIT in NIIGATAを開催しました。 本イベントは、Inquiry合同会社の新規事業として8月よりスタートしたローカルベンチャーシップの成果発表会であり、次なる挑戦者を生むための場として企画したイベントです。 ローカルベンチャーシップSeason0の振り返りも兼ねて、イベント当日の様子をレポートします。 はじめに:ローカルベンチャーシップとは?自社の経営課題を題材にした実験的プロジェ

地域の中小企業の人手不足問題が解消しない「3つの根本的要因」

社外CHROとして中小企業の経営支援をしていると、採用課題について相談を受けることがよくあります。 一般的な採用エージェント、広告代理店では媒体や求人条件を中心に提案をしていきますが、コロナ禍からの揺り戻しも手伝い昨今の新卒/転職は超売り手市場。最低賃金の引き上げなどの待遇改善も進み、これまで採れていた条件でも採れないような人材の争奪合戦となっています。 そうするともっと採用広報に予算を使わねばという思考が働くかもしれませんが、予算を増やして解決するかどうかを判断するため

「まちづくりは人づくり」という言葉の本当の意味。

7/26熱海のまちづくり会社・machimoriが手掛ける教育研修事業の企画、越境学習型企業研修プログラムのモニターに参加してきました。 熱海といえば昭和の慰安旅行や企業の保養所で栄えたまち。バブル崩壊以降の衰退を経験し、10年ほど前からエリアリノベーションによる民間主導の稼ぐまちづくりが行われた結果、熱海銀座商店街の1階空き店舗が全て埋まり、観光客だけでなく多くの移住者や関係人口が集まり活気を取り戻したまちです。 ※詳しくは熱海の奇跡をどうぞ 依然として空き家や高齢化

地域に足りないのは情報発信ではない、”私たちの挑戦”だ。

SNSでも発信しましたが、現在地の確認と今後に向けた決意も兼ねてnoteにも残しておきたいと思います。 新潟市・新潟日報社と協同で展開してきた「新潟ライフデザインカレッジ」の次なる一手として、若者から選ばれる新潟市をめざす新たな試み「ローカルベンチャーシップin新潟」を2023年8月よりスタートします。 事業化までの背景(なぜやるのか?)どの地域でも起こっている問題ではありますが、新潟の喫緊の社会課題といえば若者の社会減です。 私自身もそうですが、一度出たからこそ気づけ

ファシリテーターがもつべき人間観

ファシリテーターをはじめて10年。インターンへのレクチャーをしていて気付きましたが、コロナ禍でオンライン対応が増えたことで、ファシリテーションの場数も通算1,000件を越えました。 500名参加する大規模オンラインイベント、対面の150人参加研修、地域振興の人材育成講座、起業体験イベント、火中の栗を拾うかのような炎上事案の支援ミーティング、中学生全校生徒の読書ワークショップ、家族会議などなど…対象者は小学生から上は80代までやってきましたが、問題解決においてこのスキルは汎用

地域だからこそできるオルタナティブな生き方を探そう(新潟ライフデザインカレッジレポート)

新年度から3か月、早いもので2023年も半分が過ぎました。 新生活がスタートした皆さんは新しい環境に慣れましたでしょうか? 就活中の皆さんは恐らく選考の真っ只中。内定やお祈りメールに一喜一憂し、ガクチカと自己分析という言葉にうんざりしている頃だと思います。 新社会人の皆さんのなかには、入社したものの早くも違和感を感じているかもしれませんね。 コロナ禍でリモートワークが普及したこともあり、20-30代を中心に副業兼業が広がり、地域でも一部企業、金融機関でも副業解禁の動きが増

新潟マイプロのこれまでの歩みを振り返る。

2021年12月19日(日)、念願の新潟県単独のマイプロSummitが開催されました。 NIIGATAマイプロジェクト☆ラボのスペシャルアドバイザーを拝命していることもあり、今年も僭越ながら推薦された代表PJの審査講評と表彰という大役を務めさせてもらいました。 全体的に非常にレベルが高くて審査に頭を悩ませましたが、どのプレゼンも本当に素晴らしく、ここから何か新しい始まりを感じさせるような素晴らしい舞台でありました。 ベストマイプロ賞、ベストアントレプレナーシップ賞、そし

これから注目されるであろう副業をきっかけとした「官民人財の還流」による地方創生の可能性。

今回気になった記事はこちら。 いずれも自治体が力を入れていきたい事業に、企業で働く外部人材に副業的にかかわってもらう取り組みです。 「大人の地域未来留学」はレンタル移籍という扱いであり、1年間の期限付き出向。 高校魅力化を図る自治体へと派遣し、高校教育を取り巻く地域課題の解決を包括的に取り組んでいくのがミッション。 これまで特定非営利活動法人クロスフィールズが企業で働く人材をNPO、NGOに留職という形で派遣していましたが、そちらに近い形でしょうか。 第2期まち・ひ

【リフレクションの探究】2.リフレクションの意義と効果

前回は「リフレクションとは何か」をテーマに特に混同されがちな「反省」との違い、リフレクションは教育や人材育成の文脈に関係なく、一人ひとりの成長に必要なものであることをお伝えしました。 まだの方はこちらをご覧ください 今回のテーマは「リフレクションの意義と効果」と題し、リフレクションを行っていくことで何が起きるのか、どのような変化が生まれるのかについて探究していきます。 vol.2テーマ:リフレクションの意義と効果リフレクションは明確な唯一の定義がある訳ではないのですが、

【リフレクションの探究】1.リフレクションとは何か?

2021年がはじまりました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。 不定期ではありますが、今年も現場の実践からの気づきや気になるトピックスからnoteを更新していきたいと思いますので、どうぞお付き合いください。 さて、2020年もコロナ禍もありながら学校・企業・自治体・NPOとさまざまな方々とお仕事をし、その現場に応じてコーチ・カウンセラー・ファシリテーター、プランナー、コンサルタントと実に多様な役割を担わせていただきました。 いかなる立場においても”関わった人と組織が

オンラインゼミvol.3発達理論から見るキャリア教育の課題と展望

2020年最後、3回目となるオンラインゼミを12月26日(土)に開催しました! 前回は、「不確実な世界を捉える感覚・思考を研ぎ澄ます システム理論と統合的思考に学ぶVUCA時代のリテラシー」と題し、システム思考やインテグラル理論を題材としたこれからの時代に求められる思考フレームをご紹介しました。 オンラインゼミは、「人と組織の発達をテーマに、自己・社会を捉える観点や価値観に新たな気づきをもたらす、学び続ける大人のための学びの場」をコンセプトにした少人数×双方向のオンライン

「よき相談」とは何か?誰もが誰かの支援者になれる時代の支援の在り方

今回は記事の紹介はないですが、最近興味深い出来事があったので、それをご紹介しながらタイトルにある「支援の在り方」についての考えを述べてみたいと思います。 教員、コーチ、カウンセラーなど対人支援を生業にしている方やサービス業の方、誰かの力になりたいと思っている方の何かの参考になれば嬉しいです。 きっかけは美容室での会話 5年前に新潟にUターンし、現在はこれまで住んだことがなかった新潟市内のエリアに住んでいます。 馴染みのお店も特になかったので、髪を切るの場所も転々としな

オンラインゼミvol.2 不確実な世界を捉える感覚・思考を研ぎ澄ます

前回、探究学習と発達理論の接続についてのテーマで試験的に開催したオンラインゼミVol.1 いろいろな意見をいただきまして、いまの自分ができる皆さんに貢献できる手段として、「人と組織の発達をテーマに、自己・社会を捉える観点や価値観に新たな気づきをもたらす、学び続ける大人のためのオンラインゼミ」とコンセプトを打ち立てた少人数×双方向のオンラインセミナーとして実施していくこととしました。 開催は不定期ではありますが、新たな考えが浮かんだり、研究の進捗があったとき。または発達理論

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