見出し画像

問題解決あるあるコラム#26:親亀の背中に子亀が乗るのは必然だった

こんにちは。いちおか@問題解決サポーターKAIOS代表です。

問題解決あるあるコラム第26回のテーマは、「親亀の背中に子亀が乗るのは必然だった」です。今回もよくわからないテーマですね。このコラムを読んで頂いている方がたの中で「親亀の背中に子亀を乗せて、そのまた背中に孫亀乗せて、そのまた背中にひ孫を乗せて、親亀こけたら皆こけた」という往年のギャグを知っている方がどのくらいおられるでしょうか? まあ、ギャグを知らなくても、亀が亀の背中の上に乗っかる、という様子は目に浮かぶと思います。今回はそんな情景をイメージして頂くところから始めてみたいと思います。


亀といえばタートル図

今回なぜ亀の話にしたかといえば、もちろん「タートル図」の話をしたかったからです。皆さんはタートル図をご存じですか? ISO 9001やIATF 16949などの品質マネジメントシステムの運用でよく使われている分析ツールで、プロセスを運用しインプットをアウトプットに変換するのに必要なリソース「人、設備、材料、方法」をリストアップし、最後にそれら取り組みの有効性を評価するための「監視指標」を決めて文書化するための便利なツールです。それぞれ情報を記載する「ハコ」が亀の甲羅を中心に頭と尻尾、そして手足に見えることから「タートル図」と呼ばれています。

タートル図はプロセスの4M設計図

今説明した通り、タートル図ではそのプロセスを運用するのに必要なリソース=4Mを定義するので、プロセスオーナーはタートル図で定義した4Mを整備し、変化点などを含めてそれらリソースを維持・管理していけばプロセスを効果的かつ効率的に運用できるので、プロセス運用の際に非常に便利なツールなのです。足りない物もこのタートル図上で明確になるので、未然防止計画も立てやすいです。タートル図とコントロールプランを持っていれば、まずプロセス運用は怖いもの無しです。が、実は本当に怖いのは意図せぬ行動を取る「人々」です。

タートル図は強力なサポーター

でも心配要りません。そんな「人々」を安定管理するために「方法」を用いて標準化を図り、人々がその通りのパフォーマンスを発揮できるのか「スキルマップ」でしっかり管理しスキル向上の支援を続けていけば、やがてプロセスは安定し着実に「意図した成果」が生み出せるようになります。心配なことがあれば「監視指標」を決めて定期的に見張りましょう。何か異常がみつかったら、すぐに対応すれば大きな問題にならずに済みます。

みんなタートル図を書くのが大嫌い

このように、こんな便利なツールなのに何故か皆さんこのタートル図を作るのを避けようとします。「書き方が分からない」という声もよく聞かれますが、おそらくその前に「使い方が分からない」のでしょう。使い方が分かれば、何を書くかは勝手に思いつくはずです。が、結局ここでも「書くこと」が目的になってしまい、「書いてあればいい」という棚卸しチェック的な活動が「書くのが面倒くさい」という心理を生んでしまっているのだと思われます。先ほど説明してきたことを読んで頂ければ、わからないながらもなんとなく使い方がわかって「だったらこんなものも必要だよね」ということが頭に浮かんでくるはずです。面倒くさがらずに一度思いついたことを書いてみてください。

親亀と子亀はどっちが上に乗る?

そしていざ書き出してみると、なんか「もやもや」してくるはずです。「これって書くべきことなのか?」「これって自分に関係あるのか?」という疑問が次々と出てくると思います。実はそれ、皆さんの頭の中で親亀と子亀がケンカしています。どういうことかというと、「レイヤー」が混ざってしまっているのです。我々は物事を考える時に、常に自分にとって都合の良い視点から物事を眺めます。例えば、「それって課長の仕事ですよね」とか「それって私の仕事じゃないですよね」などと言って、なるべく自分から問題や責任を遠ざけるために、自分とは関係のない「職制」の視点を持ち出し自身のスコープから問題を排除しようとします。その「職制」=「レイヤー」は、自分より上位の場合も下位の場合もあります。あっちいったりこっちいったり、視点が定りません。そんな視点から生まれた言葉達がタートル図の上に並べられているので、一貫性も整合性もつかめず「もやもや」し、挙げ句の果てに「面倒くさい」と投げ出したくなってしまうのです。

タートル図はレイヤー毎に作ることができる

なので、まずはレイヤーを固定しましょう。「管理者」としての視点なのか、「実行者」としての視点なのか、そこを固定しないと必要なリソースも意図した成果物も決められません。いくつも生まれてしまっている「視点」を「視点毎」に分類してあげて、レイヤー毎のタートル図を作ってみてください。きっと頭の中もスッキリ整理できると思いますよ。

カメがあなたのやるべき事を教えてくれる

よく「立場が人をつくる」という言葉を聞きます。確かにその通りですが、誰もがその立場になった途端その立場に求められる職責を果たせるわけではありません。そのための準備や支援が必要です。しかし、残念ながら昨今のご時世、十分な教育訓練を受けてからその職位に就ける様な恵まれた人は殆どいません。みんな、止むに止まれぬ事情でいきなりそこに投げ込まれ、即、成果を求められます。まさに生き地獄です。そんな「不幸な目」に遭っている方がたを助けてくれるのがタートル図なのです。自分のレイヤーに合ったタートル図を作れば、それが自分の仕事の設計図になります。そうすればあなたの手元の「カメ」が、あなたのやるべきことを教えてくれます。

まとめ

世の中はさまざまなレイヤーが重なって構成されています。そして、それぞれのレイヤーから意見が発信され、コミュニケーションが図られています。でも、多くの場合、このレイヤーが噛み合わない状態でコミュニケーションが交わされ、「不整合」が起きています。こじれた会話からはなかなか解決策を見出せません。親亀は親亀、子亀は子亀の立場があります。これを整理しないでマウントを取り合うと、結局「皆こけた」となってしまいます。それを避けるためにも、皆さんも一度自分のレイヤーで「カメ」を書いてみてください。結構スッキリするはずです。そうしてスッキリと整理された道を、亀の歩みよろしく一歩ずつ着実に前に進んでいけば必ず目指したゴールにたどりつけるはずです。

今回も最後までお読み頂きありがとうございました。
次回のテーマは「体重計乗るだけダイエットはなぜ載るだけで痩せる?」です。
次回もお楽しみに!


いいなと思ったら応援しよう!