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さよならのそのあとで。<遺品整理編②>

できるだけ無駄に捨てない、
できるだけ業者を使わない、ということで、
Twitter、ポッドキャスト経由で
たくさんの方から教えていただいた情報が
大変ありがたく、本当に役に立った。

ここでは、いただいた情報や、
自分で調べて得た情報をもとに
私が実際に使った方法を
ご紹介します。

① 古着deワクチン

不要になった衣類などを専用回収キットで
送ると、発展途上国で再利用してくれる、
というチャリティ。
3300円で専用回収キットを購入するのだが、
この代金は、ポリオワクチンとなって
発展途上国の子どもに送られるシステム。

届いた回収袋は、とにかく巨大で、
いっぱいいっぱい衣類を詰めると
30キロ入るそう。
衣装持ちだった母の衣類のほとんどは、
この回収袋にいれた。

詰め終わったら、佐川急便さんに連絡。
私には到底持ち上がらない袋を
ひょいと抱えて階段を降りていく
配達員さんの後ろ姿に感動してしまった。

きれいに手入れされていたので、人にあげるのも楽でした。

② ジモティー

無料で広告が出せる掲示板サイト。
冷蔵庫や洗濯機といった大きなものから、
食器や虫眼鏡、本、書道セットまで、
ありとあらゆるもの180点超を出品。
ほとんどすべてを欲しい方に
お渡しすることができた。

何度かやってみて、私がたどり着いたのは、
「●月●日午前/午後に、
××まで引き取りに来てくださる方を
優先します」と明記して出品すること。
そうすると、大量の品物でも、
短時間に集中して引き取り手の方に
渡すことができて、効率的だった。

また、知らない人に
家のドアまで来てもらうのは
やはり、ちょっと不安だったので、
母の団地の号棟までお知らせし、
建物の下に到着したらメッセージしてもらい、
品物をもって降りていく、
という方法に。

退去直前、洗濯機や冷蔵庫など、
大きなものの引き渡しをする時には、
さすがに、家のなかに入っていただき、
運び出しをお願いした。

捨てるのは惜しいな、と感じるものは、
「こんなもの誰も欲しくないよね?」と
思うものであっても、
捨てる前に一度出品するのがおすすめ。
お布団、使いかけの化粧下地、
20年前の暖房器具、パッチワーク用の端布、
などなど、すべてもらい手が見つかって、
ありがたかった。

広告を出したのは、180点超。そのうち160点超が新しい家に引き取られて行きました。

③ 団地の自治会主催のフリーマーケット

たまたまタイミングよく、
団地の自治会が年に一度開催する
フリーマーケットの広告を見たので、
さっそく出品することに。

すべて100円の値段づけにして、
また「ご自由にお持ちください」Boxも
設置して、かなり多くのものを
持っていってもらった。
この日の売り上げは6000円。

また、私は利用しなかったが、
Twitterで教えてもらった情報のなかに、
国立の「0円ショップ」というのもあった。https://twitter.com/kunitachi0yen?s=20&t=AHj60S3ayEkXYD8S1WKmpQ

国立の大学通りの路上で、
毎月第2日曜日に開催される
フリーマーケットで、出店無料、
予約も事前連絡もなしでOKとのこと。
ほかの地域にも同様のマーケットが
あるかもしれないので、
調べてみる価値あり、と思う。

④ ファッションブランド主催の衣類回収

衣類のほとんどは、
①の古着deワクチンに送ったが、
一部、なんとなく手放すのが惜しくて
サイズも合わないくせに、
とっておいた服が何着かあった。

一度、古着屋さんにも持っていったけれど、
10枚くらい見てもらって、
「計50円」なんていう傷つく見積もりで、
そそくさと持ち帰ってきた。

そんな数枚を最終的に持っていったのが、
ファッションブランドが主催している、
衣類の回収リサイクルプログラム。

私が持っていったのは、ゴールドウィンと、
ビースリーの2カ所のみだったけれど、
H&Mをはじめ、ほかにもいくつかの
ブランドが主催しているらしい。

店舗に持っていって渡すだけ、
という手軽さがおすすめポイント。

⑤ フィリピン 貧しい母子の診療所

これは、別のエントリーでも掲載したが、
家には、多くの処方薬が残っていた。

病院からは「燃やせるゴミ」に
入れていただいて大丈夫です、
とごく普通に言われたが、
英国人の配偶者から、
「(世界にはきっと必要としている
人がいるのに)
これをゴミにするなんて、クレイジー!」
言われて、確かにそうだな、と思った。

そこで、あれこれリサーチしているうちに
たどり着いたのが、こちらの、
フィリピンの診療所。

サイトにある電話番号に連絡したうえで、
手元にある処方薬のリストを作成し、
あらかじめ、メールで送付して、
使ってもらえそうなものがあるかどうか、
確認したところ、飲み薬だけでなく、
軟膏や目薬など、ほとんどのものを
寄付することができた。

フィリピンへの送料として、
私が子ども時代に集めていた切手帳に
あった記念切手をかき集めたら、
3500円くらいになったので、
それも同梱。

また薬のほかに、毛布やバスタオルなども、
使ってくださるとのことなので、
ミカン箱にぎゅうぎゅうとつめて、
日本国内の事務局に宅急便で送った。

⑦ PickGoエクスプレス

PickGoエクスプレスは、
英語でいうところの「Man wih a Van」を
マッチングしてくれるサービス。
車両に載せられるだけ載せることができて、
A地点からB地点へと配送してくれる。

母の持ち物で、始末に一番苦労したのは、
おそらく、昭和56年度製の耐火金庫だろう。
なんと重さは56キロ、
とても私がひとりで運べる重さではない。

ジモティーに広告を出したら、
11キロ離れた場所に住む、
女性が名乗りを上げてくれたけれど、
運び出しを手伝ってくれる人がいない、
また配送業者を頼める経済的余裕もない、
とのことで、いくつかの選択肢を検討した。

耐火金庫は、廃棄に特別な処理が必要なため、
市では、引き取ってくれないらしい。
業者に回収して処分してもらうとしたら、
その費用、18000円。
通常重量30キロまでの宅配便だが、
重量オーバーの特別便をお願いするとしたら、
約11000円かかる、とのこと。

PickGoエクスプレスで、
11キロの距離を運んでもらうとしたら、
その見積もり、5500円。
18000円出して処分してもらうよりも、
5500円で欲しい人に使ってもらうほうが、
無駄もなく、みんながハッピー!
ということで、
PickGoエクスプレスにお願いすることに。

集荷に来てくれたドライバーさんは、
56キロの金庫をひょいと持ち上げて、
軽快に階段を降りていく。
またしても、その後ろ姿に
感動してしまった。

通常は軒先から軒先という条件なのだが、
配送先でも、家のなかの配置まで
してくれたらしい。
どんなドライバーさんにあたるかは、
運次第かもしれないけれど、
また次にこういう機会があったら、
リピートしたいと思う。

⑧ 「ご自由にお持ちください」BOX

余った掃除用洗剤各種、食材も、ほとんどどなたかが持ち帰ってくれました。

ジモティーでもらい手がつかなかったもの、
最後まで使っていたゴミ箱や、
また余った掃除用洗剤、ビニール袋、
延長ケーブルなどを入れた、
「ご自由にお持ちください」BOXを、
退去直前の4日間、
団地の階段下に設置した。

この頃までに、ジモティーで
フォローしてくださっていた近隣の方が
一定数いたので、
「差し上げます広告」ひとつひとつに、
BOX設置の告知も添えた。

おかげで、またまたかなり多くのものが、
新しい家に引き取られて行くことになり、
ゴミに出すものが減ってありがたかった。

⑨ エコトレーディング

Twitterで教えてもらった
チャリティ団体で、
ぬいぐるみから食器、アクセサリーなど、
多くのものを引き取ってくれる。

小さな装飾小物が好きだった母。
私にはまったくそういう趣味はないので、
たったひとつだけ持ち帰ることにして、
ほかは、このエコートレーディングに
すべて寄付することに。

ここに送付したミカン箱は、
最後の日まで蓋を開けておいて、
「ご自由にお持ちください」BOXで
残った食器類、またほとんどのジュエリー、
携帯ストラップ、キーホルダー類も同梱し、
最終日に宅配の集荷に来てもらった。

ひとつひとつ、ちょっと立派にみえるように、
100円均一で買った、
小さなジップ付きの袋に入れて梱包。
有効に使ってもらえたかしら。

⑩ 市の粗大ゴミ回収

母の団地があった市の
粗大ゴミ回収は、点数制になっていて、
一度に出せるのが20点以内、
という縛りがあった。
例を挙げると、カラーボックスが1点、
椅子が2点、という具合。

ありがたいことに
オンラインで予約ができて、
しかも、回収日の2日前まで、
内容の変更やキャンセルも
オンライン上でできるシステム。

なので、あらかじめ、
退去日に最も近い日付を予約しておいて、
ジモティーで品物がはけるたびに、
回収内容をアップデートした。

結果、粗大ゴミの回収に出したのは、
古いカラーボックス、椅子1脚、
一枚板のアイロン台のみで、
合計4点で収まった。

そのほかのゴミも、
燃やせるゴミ、燃やせないゴミとも
それぞれ市の回収袋数個で済んだので、
結果、我が家の場合は、
業者をまったく使わずに済んだ。

私はたまたま、母の家に住みながら、
そして仕事をしながら、
3か月もの時間をかけて
遺品整理をすることができた
かなりラッキーな部類だと思う。
でも、さまざまな事情で、
急ぐ場合は、業者に頼らざるを
得ないこともあるだろう。

そういった際に、多くの人から
アドバイスされたのは、必ず、
複数の業者から見積もりをとること。
業者によって、値段もサービスも、
かなり差があるようだ。

あなたが親の遺品整理をしなければならない
時がきたら、どうぞ焦らずに、
そして、ご自身の心の整理の一環として、
モノを通して、故人の人生を
愛でることができますように。
私がそうだったように。

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