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どうすればいい?不妊クリニックへの子連れ受診

12月ぐらいにTwitterで話題になっていた、子連れでの不妊治療クリニックへの通院の話。

stand fmでも語っているのですが、こちらでも取り上げてみようと思います。
放送はこちらから聞くことが出来ます

そもそも病院は子連れ受診を想定していない

不妊クリニックに限らずそもそも病院は、元気な子供を連れて大人が受診することを想定していません。

病院を訪れるのは「当人及び付き添いの人」というのが一般的な考え方です。

理由は様々ありますが…
・子どもは長時間静かに待っていることが出来ない
・感染症などを持ち帰るリスク
・具合の悪い人に対して配慮した行動がとれない
・親も落ち着いて受診できない
・子どもが触れると危険なものが多い
などが考えられます

ですから、不妊クリニックに限らず子どもは預けて受診するのが基本的な考え方になることをまずは知っておく必要があります。

とはいえ、実際は預け先が確保できず、仕方なく子供を連れて不妊クリニックを受診されている方がほとんどだと思います。預けて受診できるならそうしたい…そう思っている人がほとんどでしょう。

不妊クリニック受診時の預け先問題

では実際にどのように対応していくのがいいのでしょうか?

まずは、不妊クリニックのルールに従うようにしましょう。

子連れ受診NGもしくは子連れ受診は指定時間での受診を定められている場合はそのルールに従います。
どうしても預け先が見つからない、パートナーの都合が悪くなったということも出てくるかもしれませんが、今回だけは…と自己都合で勝手にルールを変更するのはNGです。

保育園や一時保育等を活用する

一番スムーズなのは、保育園や一時保育に預けてクリニックを受診することです。(病院の受診等で保育園の利用を認めない…という投稿をSNSで見かけることがありますが、この点に関しては行政がしっかりと見直しを行ってほしいものです)

既に保育園に入園している場合などであれば利用しやすいと思います(お迎えはパートナーに行ってもらいましょう)

ただ保育園に入園していない場合は一時保育を利用することになります。一時保育等の空きがなかったり、急な利用が出来ない地域もあるため、事前に利用しやすい一時保育やベビーシッター等の情報を複数集めておきましょう。

また、近くに両親がいる場合は両親に頼むのも一つですが、身内ゆえ、治療に関して遠慮のない過干渉が起こることもあります。
預かってもらっている手前何も言えず、余計なストレスをため込んでしまうぐらいなら、少々費用はかかっても第三者に任せた方がストレスなく通院できるでしょう

パートナーに任せる

Twitterでなんどか話題にあがっていたのが、パートナーが透明化していることでした。
不妊治療は女性だけの問題ではありません。そもそも女性が一人で時間と預け先を必死にやり繰りして通院しているのであれば、まずはその状況を改善するのが先です。

とはいえ、女性すら不妊治療のための休暇や遅刻・早退に理解してもらいにくい労働環境ですから、男性が通院のたびに休んで子供の世話をすることは、そう容易い事ではありません。

ただ職種によっては在宅ワークへの切り替えや、保育園の迎えなど出来ることもあります。

まずはどのように役割分担しながら2人目不妊治療を進めていくのか、治療開始前にしっかりと話し合っておくことが必要です。

くれぐれも女性が一人で抱え込まないようにしましょう

クリニックの託児等を利用する

クリニックによっては託児を併設していたり、近隣の託児施設と提携を結んでいたり、紹介を行っている場合もあります。

近くに預け先がない場合は、一度クリニックに聞いてみましょう。HP等に記載がなくても、近隣の情報を持っていることもありますし、近隣になくても、少し離れてたところの託児情報などを教えてもらえることもあるかもしれません

子連れ可能なクリニックを選ぶ

中には子連れ専用の待合室が用意されているクリニックや、キッズスペースが用意されているクリニックもあります。
産科併設のクリニックであれば、産科側で待つことが可能な場合もあります。

待ち時間に子供が耐えられない、医師の診察時に子供が気になって集中できないなどのデメリットもありますが、どうしても預け先が確保できない場合は子連れ受診可能なクリニックを選ぶのことも一つの選択肢です。

ただし専用待合スペースがない場合は、例え子連れOKでも周りへの十分な配慮が必要です。静かに待合室で過ごせるようにしましょう。

2人目を考えたクリニック選びも必要

不妊クリニックを選ぶ際、近くて、実績があって、医師や培養士の技術力が高いところ…そのような条件をもとに探す人がほとんどでしょう。

ただ2人目を考えているのであれば、そこにプラス2人目の通院をどうするのかもあわせて考えておいてほしいのです。

「子連れ受診不可のクリニックに凍結胚があるけど、子どもの預け先が確保できなくて悩んでいる」そんな話を伺うこともあります。

また「1人目は県外の遠方の不妊クリニックで妊娠しそちらに凍結胚もあるが、子供連れでは通院できない」なんて声も聴きます。

この場合は凍結胚が移管できればいいのですが、そうでなければ子どもの預け先をなんとしても探す必要が出てきます。

1人目の不妊治療の時は、2人目の通院のことなんて考えている余裕がない人がほとんどだと思います。それでも子供は2人・3人と考えているのであれば、いずれぶつかる課題です。早い段階でパートナーと情報と課題を共有し考えておくことが必要です

そして不妊クリニックには、HP内のわかりやすいところに子連れ受診についての方針を明確に記載しておいてほしいと思います。

最後に

2人目不妊の子連れ受診についてお伝えしてきましたが、これらの問題を個人だけで解決することは難しいです。
預け先がない、パートナーの職場の理解がない(もしくはシフト勤務等で労働時間の裁量性が乏しい)等の場合、2人目をあきらめる、凍結胚を破棄するという結論に至ることも少なくないでしょう。

だからこそ個人の解決だけに委ねるのではなく、利用しやすい一時保育やシッター制度を行政が充実させてくれることを願っています。


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