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くだらなイイ話 躁(そう)と鬱(うつ)

祖母は浮き沈みの激しい人だったようです。
「だった」というのは、孫のわたしにはいつも明るくて優しかったから、そうだと言われても、想像できませんでした。
亡くなってから初めて聞きました。
躁うつ病だったそうです。
(※現在では双極性障害と呼ばれています)
とことんハイになるのと、どん底までローになるのとを繰り返す、かなり気分の落差が激しいツラい病気だとか。
そういえば以前一度だけ、しばらく祖母がふさぎ込んでいた時期があったのを、思い出しました。

「あぁ、あの時期ね」
父も覚えていました。
ばあちゃんはじいちゃんの遺産を全部パチンコで使っちゃったんだよ。
「え、どういうこと?」
うん、なんだかハイな気分でパチンコに嵌ってね。
これが躁状態だよ。
それで通帳に300万円くらいあったはずなんだけどね、すっからかんになったんだって。
まあ、どん底の気分だよね、そりゃあ。
で、この時から鬱状態。
「あぁ、まあ・・・」
そのお金はね、じいちゃんが新しい生活のためにせっせと貯めていたんだってね。
ばあちゃんが先に亡くなったら、お父さんたちのお家をリフォームして、一緒に住もうと思っていたらしいんだよ。
「大切なお金だったんだね」
まぁ、じいちゃんが先に亡くなったから、使い道もないっちゃあないんだけどね。
「躁うつ病って、そういうものなのかな?」
その状況なら病気がなくても鬱になるんじゃない?
「そりゃあそうだね」

父とわたしは顔を見合わせて力なく笑いました。


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パチンコは良くない

躁うつ病は怖い


この時わたしが得た教訓は、上の二つです。
やりきれない話ではあるのですけどね。
くだらない話なのは確かです。

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