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【シーズン4-5:エグゼクティブの成功マインドを磨くCEOコーチング】「周囲」とうまくつきあう①~部下との接し方

(1)「営利組織」の目的を考える


こんにちは。
エグゼクティブ専門コーチの久野和禎です。
 
シーズン4のテーマは、「つきあい上手になる考え方」。
ここまで、自分の内面とのつきあい方をメインにお話ししてきましたが、ここからは「自分以外の人」とのつきあい方を扱っていきます。
 
今回の対象は、職場等において自分よりも経験が浅い「部下」や「後輩」です。
部下や後輩とのコミュニケーション、つきあい方を考えるには、「組織の目的」を思い出すところからはじめるといいと思います。
 
営利組織なら、組織の目的は、従業員、顧客、地域、行政といったステークホルダーと関わりながら、利益を上げ、存続していくことになります。つまり、「営利組織」の目的に照らすならば、部下や後輩との関わり方においても、会社が利益を上げながら存続するために必要なコミュニケーションになっているかがポイントになります。
 
もちろん、「部下」や「後輩」と仲良くなって、友達として休みの日に遊んでも構いません。「一緒にいるだけで楽しい関係」になることはよいことですが、ステークホルダーに価値を提供したり、貢献し続けることで、それが回り回って、従業員にも還元されることになるという、営利組織の目的を念頭に置いて、今回は話を展開していきたいと思います。

(2)「いま」と「未来」を考える


営利組織において、上司や先輩が、部下、後輩に期待することはいたってシンプルです。
「フィードフォワード」的に考えると、営利組織には(実際のところは誰にとってもそうではあるのですが)、いまから始まる未来しかありません。そうすると、「いまの成果を上げるために必要なこと」「未来の成果を上げるために必要なこと」という2つのテーマが浮かび上がってきます。
 
1つ目の「いまの成果を上げる」には、いまいるメンバーにベストを尽くしてもらうしかありません。その場合の接し方は、たとえば、「いまのまま最大限、力を発揮してください」といったものになるでしょう。
 
2つ目の「未来の成果を上げる」には、部下や後輩が「成長する」「伸びる」という発想が必要になります。その際、「いまのことはできる限りやってください。そのうえで、将来、花開くことも意識しましょう」というコミュニケーションになるはずです。
 
ちなみに、(認知科学の発見によれば)人間の脳は2つのものを同時には認識できないので、「いま」と「未来」を上手に切り替えるのは意外と難しかったりします。ですから、大きな飛躍を期待して、いまいるメンバーにチャレンジングな職務を担ってもらうことは、実はいまのパフォーマンスを下げることにつながります。
「できない」ことにチャレンジすることで、「できる」ことに手が回らなくなる可能性があるからです。
 
その前提でリーダーはチームを編成する必要がありますが、「いまの成果も上げながら、未来においても成果を上げられるようにする」のは、実は「言うは易し、行なうは難し」なのです。
 
それはスポーツチームも同じです。
今シーズンの結果にフォーカスするなら、ベテラン選手や実績のある選手で戦ったほうがよいかもしれませんが、来年以降も勝ち続けるためには、キャリアのある選手たちに頼ってばかりはいられません。
 
コミュニケーションにおいても、「いま、もっとできるはずだ!」と伝えるのか、「いいね!その感じで伸ばしていこう!」と伝えるのかで、選手の受け取り方も変わって、選手自身がどの程度自分を追い込んでがんばるかも変わってくるはずです。

(3)実は相手は混乱しているかもしれない


しかし、ここで問題が1つあります。
部下であれ、後輩であれ、選手であれ、受け手側からすると、「いま」の話なのか、「未来」の話なのか、判別するのが簡単ではありません。「『もっといけるよ!』と背中を押してもらったと思ったら、細かいことを詰められている……」と困惑してしまったりするのです。
 
だからこそ私は、「いま」のことを話しているなら、「これは、いまのことを話しています」と言ったり、「未来」のことを話しているなら、「未来のことを話しています」というように、前置き、枕詞をつけるようにしています。
 
たとえば、「将来のことも大切ですが、いま、結果を出すために必要なことを伝えますね」と言えば、相手も混乱することなく、「これからいまの話をするんだな」と理解できるはずです。
 
「いま」と「未来」は、「短期」と「長期」という言葉に置き換えてもいいかもしれません。いずれにしても、「いま、何の話をしているのか」をしっかりと伝えたうえでコミュニケーションをすることが肝要です。
 
そのうえで、「いま」にも「未来」にも同時にアプローチできる方法はないだろうかと模索するのはよいことだと思いますので、今日の話を参考にチャレンジしていただければと思います。
 
今回も最後までお読みいただきありがとうございます。
次回またお会いできるのを楽しみにしています。

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