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遺伝よりも大事な運動神経を決める要素

ついに東京オリンピックが開催されました。
色々な問題が重なってしまい純粋に応援しにくい状況になってしまいましたが、選手の皆さんには本当に頑張ってほしいなと思います。


オリンピック選手の話題が出たときに必ずといっていいほど上げられるのが幼少期の頃の話。活躍している選手の親が元々その競技のスペシャリストだったり、幼少期より厳しい訓練を経験していたりと、何かと子供時代の話が話題になることが多いかと思います。
では運動の才能は遺伝や環境で大きく変わってくるのでしょうか?逆に運動できない親の子どもは運動が苦手な子どもになってしまうのでしょうか?


結論から述べると、遺伝的な関わりは大きいけど絶対ではなく、環境や全身を使った運動をたくさん経験することで運動神経神経は育つ事がわかっています。


今回は、遺伝よりも体験をする事が大事な理由を述べていきたいと思います。



遺伝よりも大事なのは環境因子

遺伝的な要素はどのくらい重要になるのでしょうか。この問題はこれまでにも多くの研究がなされてきました。
ある研究では、その人の身体機能に関して遺伝が関与するのは3〜6割とされています。幅は大きいですが、この研究では遺伝の関わりが認められているという研究になります。


しかしその一方で、遺伝が絶対的なものではないという研究も挙げられているのです。
その中でも、最近提唱されている遺伝子の理論の一つに、エピジェネクスという理論があります。
この理論を簡潔に述べると、遺伝子は元々データーが決まっているものではなく、その人の過ごしている環境によって遺伝子が変化し、継承されていくという理論になります。


この場合、遺伝子は環境に適応する様に変容するので、例え親が運動神経が良くなくても環境次第で子どもへの影響は絶対的ではないという事です。


この理論によってわかることは、遺伝子は確かに子どもの身体機能に関与はしているけど、絶対的ではないこと、遺伝子自体もその人の過ごしている環境で変化しているということです。



環境を整えることの重要さ

では遺伝子よりも大事になってくるのがにになるのでしょうか。エピジュネクスの時も述べましたが、一番重要なのは環境になってくると考えています。
プロアスリートの子供たちは幼少期よりプロフェッショナルの人たちから教育を受けていることが多いです。本人の好き嫌いは別にして、しっかりとした環境で長年訓練を積むことができるのはそのスポーツにおいてスキルを伸ばすためには非常に有効になります。


この様に、親からの遺伝よりも、大人が用意できる環境があるからこそスポーツのスキルや運動神経が向上するのです。


運動を神経を高める秘訣は「遊ぶこと」

では一般の場合はどうでしょう?親の遺伝の関わりが少ないことがわかったので、あとは環境を整えてあげる必要があります。
ここで一つのスポーツを鍛えてあげたくなる気持ちはわかりますが、少し待ってください。子どもの運動能力をあげるなら、まずは遊びや色々な運動を通して全身を使う運動を行わせることが大事になるのです。

https://note.com/kazuyoga/n/n3f4dc15edd16


以前記事にも書きましたが、効率の良い動きで重要なのは、筋力だけではありません。全身が連動して効率よく動く事が非常に大事になります。

全身が効率よく動くためには、全身を使った運動をたくさん経験する必要があります。経験する事で動きが学習され洗練されるからです。

そのため、子どもの頃は基本動作をしっかりとできるようにすることで、身体の動かす能力が向上します。

なので、最初は一つの運動に取り組むよりも、色々な遊びを通して身体全体を使った方が、将来の運動能力の向上につながりやすいのです。


そして何より大事なのは子どものやる気。どんなに運動神経が高くても、子供に無理やり運動をさせてしまうとモチベーションの低下や怪我につながってしまいます。
その子が何をしたいのか、楽しく遊べているか、大人がしっかりと観察しながら子どもと一緒に運動を楽し無事が重要になります。


親が運動音痴だから…と決めつけないで

僕も運動音痴で運動ができない人間です。子どもの頃は球技が苦手で、体育の時間はいつも誰からも取られないので悔しかった記憶があります。

なので僕の子どもも運動神経が悪かったらと、とても不安でした。しかし子どもはすごく運動神経が高いわけではないものの、一緒に運動遊びをするのをとても楽しんでくれています。運動が好きなおかげか、鉄棒や縄跳びといった僕が同年代のときにできなかった事ができる様になっており、身体を動かすことをとても楽しんでくれています。


自分が運動音痴だっからこの子も運動音痴に違いない…
そういうふうに子どもの可能性を決めつけないでください。僕らの関わりや色々経験させることで子どもの可能性はどんどん広がっていきます。ぜひ一緒に運動を楽しんでください。

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