一年の終わりに『おめでとう』の言葉にかえて

地球に住む全ての人々にとって、2020年は、歴史に残る節目の年になりました。

ローレンシャンスクールでも、今年は、大きな変革とチャレンジの年となりました。

まず、今年、小学校受験にチャレンジしたすべての年長児さんとその保護者の方々、本当にお疲れ様でした。今年は、コロナウィルスの感染と戦いながらの小学校の受験準備、本当に大変でした。

例年にも増して、保護者の皆様と緊密に連携しながら、信頼関係を構築しながらの準備となりました。ご家族の皆さまにとりまして、忘れられない、特別な一年だったと思います。また、多くの卒業生、在校生の方々にも、あたたかい応援いただき、心より感謝申し上げます。

ローレンシャンスクールでは、10年前に、現在の高校2年生16人全員が合格した次の年を境に、小学校受験に対するスタンスが変化しました。


母校南山学園が南山小学校を創立した初年度は、年長児、小学1年生・2年生の三学年から多くの子ども達が合格し、それに続き、翌年も、南山小学校を始め、椙山小学校、愛知教育大学附属小学校、名進研小学校に全員が合格。有難いことに、テレビ各局や雑誌などにも何度も取り上げていただきました。

しかし、その頃から、スクールで受験した方が、合格しなければならない、全員合格に向けて、スクールが頑張っているのに、我が子だけ、ご縁がなかったら申し訳ない、といったようなお声を保護者の方々から聞くようになり、これはいけない、と、大反省をし、さまざま対策を考えました。

真っ先に行ったのは、スクールから受験する保護者の方々に、何度も、受験がゴールではないこと、受験までのプロセスの大切さ、

家族が心をひとつにして、今一度、生活全般だけでなく、自分たち家族が、大切にしていることは何であるのか、

保護者は、何を子どもに伝えたいと思い、そして、それは子どもたちに伝わっているのか、

そういった本質的な問いに向き合うことで家族が価値観を共有したり、再確認したりする経験の大切さをお話ししました。

だからこそ、もし、ご家族が希望される小学校とは別の小学校にご縁があった時のことを、受験前の段階で、時間をとってお話しするようにいたしました。

派手な宣伝がなくなり、入校者数は、一時期に比べ、少なくはなりましたが、

『受験前にたくさん入校して来て、受験が終わったらたくさんやめる』代わりに、

小さな時から通い始め、腰を据えて、じっくり取り組むご家族が増えました。

子育てはいうまでもなく、マラソンのような長い道のりです。その中で、小学校受験は、単なる通過点に過ぎません。これは、小学校受験に限らず、全ての受験に言えることだと思います。

少なくない大人の方が、希望する学校や企業、職業ではなかったけれど、だからこその出会いやその後の素晴らしい道筋が拓けた経験をお持ちだと思います。

受験を一時期のものと捉えず、そのプロセスを通じて、子も親も成長する、そんな受験スタイルに変わってきたのではないかと思います。

ローレンシャンスクールは、来年創立45年を迎え、これまで3000組以上を超える(実際は、もっと多いと思いますが数え切れません)ご家族の皆さまとの出会いのなかで、

それぞれの子ども達が、力強く、自分にとって一番良い学校とのご縁をしっかりと引っ張ってきて、それぞれの学校で、素晴らしい出会いやその先の未来に繋がる学びや経験をしている実例を、たくさん、たくさん、見てきています。

ローレンシャンスクールに、現在在籍している子どもは、1歳さんを筆頭に、在籍年数が、10年を超える子も数多くいます。

(例:2歳で入校され、12歳になる現在もスクールで学んでいます。)

ご兄弟で通い続けて下さるご家族も少なくなく、それぞれのご家族とは、強い信頼関係で結ばれていると感じています。

特に、このコロナウィルスとの戦いの1年間は、そのことを痛感いたしました。

スクールでは、今日12月27日も、来年度、小学校受験にチャレンジする年中さんが午前はプログラミングのレッスンを、明日は、お正月のお支度として、おせち料理やお椀やお箸の扱いをお勉強をしたり、一年使ったお教室に感謝して、皆でお雑巾を縫ったり、お掃除をしたりします。

そして、午後からは、小学校受験を終えた年長さんたちが、新たな時代を見据えた小学生向けのプログラム:本日は、0から1を生み出す『イノベーション・プログラム』を受講しています。

今年の3月、ロックダウン中のニューヨークと繋ぎ、国連の方から伺ったお話を、スクールの保護者の方々や、4年生以上の児童にも、zoomでの全学年向けガイダンスでお伝えしました。

来年から起こる様々な世の中の変化に無縁でいられる人は、一人もいません。

スクールでは、保護者の方々にはもちろんのこと、一定の年齢以上の子ども達には、これから起こるであろう変化について、言葉や表現に配慮しながらも、できる限り伝え、その事柄を、自分の頭で考え、自分なりに準備を進めていくよう伝えています。

経済の立て直しが最優先になる中で、おそらく、一旦進みかけていた、公教育での変革は、後回しになることが懸念されています。

ローレンシャンスクールは、新たな時代に向けた教育の実践の場であることを常に考えながら様々なプログラムを実施して参りましたが、

今後、変化のスピードが早まること、や、様々な意味においての二極化が進むことを念頭におきながら、2021年もプログラムを提供して参りたいと思います。

この一年は、人との繋がりの大切さを痛感する一年となりました。

節目を迎える2021年も、子ども達に、保護者の方々、そして、スクールに携わるすべての方々にとりまして、人生のよろこびとなり、支えとなる人との繋がりや人間関係をつむぐこをが出来る場となるよう、

講師、従業員一同、頑張って参りたいと思います。

皆さまにおかれましては、どうか、よい年末年始をお迎えくださいませ。

新しい一年が、笑顔と希望に満ちたものとなることを願って。

心からの感謝とともに

ローレンシャンインターナショナルスクール

校長 中村和世



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