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年間100本舞台を見る②

2月と3月はまとめて記事を書きます。
まあ、まとめていいような本数というか、通ってましたね、あの輝かしい時期というか…。むしろ、これは切り離せない気がするので、そういう事です。
2~3月は12本。


「PARAMUSHIR~信じ続けた士魂の旗を掲げて」
これ、2・3月中は、これ、☆公演ひとつしかないんですけど、どう考えても冷静さを失った観劇回数で、それでもまだ見たかったのだから大したものだと思う。
今のところ、最大多ステした舞台。あの日の私は正気か、8回。ライビュ含めれば9回。でも今も見たい。
先に謝っておくと、これにリソースを割きすぎて、他が疎かと言えば疎かになっていた、とも言えるけど、いやしかし、やっぱこれ書いている数カ月経ってちょっと冷静になれた私も☆をつけて後悔ない出来だと思うので評価は翻しません。
じゃあ何が良かったのか、を書くためには別に記事を書こうと思いますが、どういうタイトルで書こうかと考えているかと言うと「エモーショナルに抗うことは出来るのか」。
とにかくエモーショナルな出来で、刺さる人間にはがんがん刺さってこんな目に合ってしまった。
100本に最初に立ちはだかった大きな壁。
メタシアターでエモーショナルとか、こんなにちゃんと出来るなら最初から毎回ちゃんとやってよ!!WARRIOR入り NACSファンはこっそりそう思っています。
改めて考えると、この公演の評価高くしてしまうの、このカンパニーで今できるベストの公演だと感じたからだと思う。「もう少し頑張れたでしょ」も「背伸びしすぎ」もなく、本当に丁度良く「ベスト」。
まあ次はまた3年くらい待つのだろうし、満足いく作品にまた出会えのは更に先かもしれないけど、気長に待ちましょう。20年先、30年先、さらに先を約束してくれている点がTEAM NACSの強みだと思う。健康診断にはちゃんと行って欲しい。


ハイバイ「ヒッキー・ソトニデテミターノ」

めっちゃしんどい気持ちになって帰ってくるんだけど、私みたいな人間でも生きててまあいいんじゃないか、と思わせて帰らしてくれるところが次もハイバイ見に行くんだろうな。古舘寛治復帰後の公演見たんだけど、サンプル松井周版も評判だったから見ておけば良かったよね、とか言っていますが、私、東京にすらいなかったな…。

「働く私」「さようなら」
平田オリザのロボット演劇すごい!!!!!!!!
というテンションで、見ていたのはSF好きとしてそれだけで浮かれていたのかもしれないんですけど、内容もすごくいい。働く私のが好みなんですが、あれのロングバージョンとか見たいな。
ロボットを人らしく見せる演出なら本職へ、という平田オリザ氏のアフタートークも凄く心に残っている。演出、そう演出なんだよな。

「パタリロ・スターダスト計画」
これもう何度も繰り返してるんですけど「2.5次元系芝居みたいんですけど」って問いに対して、ひたすら「パタリロ!やってるならパタリロ行ったら?」って返してるんですけど私は間違ってないと思うんですよ。
だって絶対、満足いくもん。コスパもいいもん!オープニングだけでも満足度やばいもん。
今回、銀河劇場だから若干遠いな~と思ったけど、箱には向いてたし、無問題です。ぜひとも、続けてほしい。キャスト変えても…見せてほしい…。

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その他作品について、やっぱここらへんなんか記憶の濃度が薄くて平べったいなぜならリソースが、ってことなんですが、いくつか振り返ります。
まずiaku+小松台東「目頭を押さえた」なんですが、この内容も題材も演劇でやる意味ってと思ったのを覚えてる。これ、地域発枠のNHKのドラマで1時間半くらいで見たいと思ったんだし、もっと言うとiakuの戯曲、どれもわりとテレビドラマ向きなのではと思うんだけど他にそう思っている人はいないんですかね…すごくNHKでやってそう(偏見)
「そして僕は途方に暮れる」三浦大輔だしと身構えてみてきた割にはそういう衝撃はなかったんですけど、わりと身近に転がってそうな人間の話でよく考えればそっちのが怖いな。藤ヶ谷くんのあの好青年イメージから離れた役柄で新鮮だったし、公演経るごと良くなってたのが印象的。そして前田敦子最高。
「赤道の下のマクベス」は、これも変なとこで引っかかってるんだけど、でもいろんな劇評でも見たので触れますが、「マクベス」の意味が生きてないというか意味ないというか…。「マクベス」でその題材だったら、絶対マクベスが雇った暗殺者屋のエピソード入るだろと当然思ったのになんもなくってびっくりした…。
あとラストの雨のシーン、あれ実際そんなザーザー降らないからああなんだろうけど、あそこはもっと雨を土砂降りで降らせてほしかったな。

で、流れでホリプロ「密やかな結晶」の話なんですけども、私これ見た後、滅茶苦茶笑ったし怒ったし、身近な人にはしゃべり倒したのですが、やばいです。悪い言い意味で。
どうしてこうなったんだ、という気持ちばかりだったんだけど、この時はまだ鄭さんの作品見たことなかったから察せなかったんですよ(赤道の下のマクベスより上演は前だったから)
誰がどうジャッジ下しても、小川洋子の原作と鄭さんの作風は食い合わせ悪いです。なぜ、なんで、その組み合わせにしようと思ったんですかホリプロwww
「最初から察するべき」みたいなのは、分かるんだけど、皆がみんな察せる訳ではないので…。これ、それなりに原作が思い入れあるから思うのかもしれないけど、特にキャストも豪華だからこそ勿体ないって思うのもある。
キャストといえば、山内圭哉も全然消えなそうなのに消えるし、鈴木浩介もあまり消えなそうなのに消えるんですよ。今改めて考えても消えなそう…。(物語の話です)
原作は置いておいて、企画段階で鄭さん新作は無理としても過去の作品このキャストで再演とかもホリプロできたろうに、いや鄭さんのじゃない戯曲を鄭さんらしく演出、とかでも良かったはず。とにかく小川洋子原作と食い合わせが悪いったらないのになぜ…(二回目)
あとなんか原作が変質してし…小川洋子をどう読めばああなるのかが分からなくてですね…。
これだけ書いてるけど、最後に。あの舞台をいいと思った人もいたとは思うので、出来不出来の話とは別で。実際、コメディ要素は面白かったし…いやだからあの原作でキレっキレっに面白いコメディ要素がいるのか、という話でもありますが。

人は、やばい芝居を見た方が筆が進むな…(文の分量)(自戒)


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