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若返り

歳をとるということは辛いことである。
身体の衰えを顕著に感じる。
これまで何も意識せずにできていたことがなかなか難儀である。
40を過ぎたころから5年刻みに体力の減退を感じてきた。
徹夜など絶対に無理。お酒の量も段階的に落ちてきたように思う。
良く寝た朝の爽快感も長い間感じていない。
代わる代わる体に痛みや不具合があらわれる。
体感だけでなく、いろいろ社会とのかかわりの中でも感じる。
医者に診てもらっても「加齢だからしかたないですね」と言われるのに決まってるから行くのが億劫になる。政府は70歳まで働かせようとしているが現役の時に近い収入を確保できる仕事など100%ない。
アルバイトをしながら、脳活のためにnoteで文章を考えるくらいが精一杯である。
寂しい限りである。

昨日、希望を持てる記事があった。
iPS細胞を発見した、京都大学の山中伸弥教授が2023年度以降の研究方針を明らかにされた。iPS細胞の技術を応用した「若返り」研究等に注力するということらしい。テレビやネットで「若返り」と称する効くのかどうかあやしい医薬品がよく通販で売られているが、さすがに違うだろう。
これが開発され、30歳代くらいの体をもう一度手に入れることができればどうなるのだろうか。胸躍るとともに疑問ものこる。

体中の臓器が入れ替わりサイボーグみたいになるのは夢のまた夢であろうが寿命が延びるのは間違いなさそうである。30歳に戻ったらもう一回人生をやり直すぞ!と思うが、みんながみんなそう考えた時、社会システムは対応しているのだろうか。30年以上前の社会環境を前提に考えがちであるが、恐らくそれから50年以上後の日本である。当時ネットも携帯もなかったし人口そのものも半分くらいだったであろう。
「やり直すぞ!」は良いが可能だろうか?
就労人口も倍になるはずだし、企業競争も過酷になるだろう。
生活を考えても、住居はどうなるんだろう。食糧問題は。。。
実は夢も希望もない世の中なのではないのだろうか。う~ん、大変そう。

身体の若さは取り戻したとして、精神的にはどうだろう。
精神的には超高齢で、身体だけ30代である。
経験を積んだ人ということだが、あそこで失敗したから今回はこの分岐点で違う方向に進もうということだろうか。
結婚に失敗したと思っている人は、ここであいつと結婚したから失敗した。次は違う人と。。。というのはどうも違う。
これらは「生まれ変わり」である。
30代の身体を得ても、失敗の経験は残るし、配偶者も横にいる。

ではiPS細胞の技術が「脳」にまで至った場合はどうだろう。
脳と精神の関係はよくわからないが、脳がすべてiPS細胞に置き換わったとき、すべてリセットされているのではないだろうか。
それまでの自分の経験も記憶も癖も、すべてリセットである。
これは「生まれ変わり」ではないだろうか。
身体が30代で年齢が100歳くらいの赤ん坊である。

iPS細胞を考えていたら、頭が変になりそう。
どなたか解明を!

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