スペインMOD portrait2023大賞受賞について2
2024年3月4日
今回のスペインのコンクールで日本文化である『浴衣』のモチーフで大賞を獲れた事は大変嬉しく大きな可能性を秘めていると感じています。
前回のFigurativas 2023での大賞作品である『Grimoire』は私の思う西洋絵画の全てを集結させた作品でした
技法や衣装の色味やモチーフに至る迄、学んできた西洋絵画への憧れを集結させた集大成的な作品でした
ですが、一方でやはり西洋絵画の価値観から抜け出ていない、とも感じていました。
3年前、世界への挑戦を始めてから浴衣の作品で何度か海外のコンクールに出品しましたが賞には届かず
やはり、日本文化を全面に押し出した作品では評価を受けるのは難しいのか?と思っていた矢先
最初の世界的なコンクールでの受賞は『Grimoire』でした。
大変喜ばしい事と同時に複雑な気持ちを抱えていました。
多くの善意ある海外のキュレーターや有識者から、やはりもっと世界で活躍するにはモデルは日本人では無い方がいい。衣装は洋服が良い。と親身なアドバイスを何度となく頂いていました。
そんな中、Figurativas 2023の表彰式後にMEAM(ヨーロッパ近代美術館)の館長ホセさんと食事をしたさいに
その事を相談した時
髪の毛が逆立つ程の怒りの気配で、しかし気持ちを押さえた口調で『他人の言う事は絶対に聞くな。自分のやりたい事をやるんだ』とアドバイスをくれました。
あれ程に心の籠った言葉をもらった事ありませんでした。
通訳の方が丁寧に誠実に訳し伝えてくれたのと同時に全てが伝わって来ました。
受賞後、やはり日本でもスペインで評価されたのは『Grimoire』である。こっちが代表作だね。という雰囲気は常々感じていました。
日々の葛藤の中で答えは出ません。
もちろん、売れなければ活動出来ない
評価がなければ前進出来ない
ですが、やはり大切なのは自分が何をしたいのか。
そんな中で、MOD portraitでの大賞は大変心強いものとなりました。
現在、西洋と東洋
それらを私自身の思いと願いで紡ぎ合わせた作品を
専門家の協力を得て進めています。
我々人間が何世紀にも渡り取り組んで来た芸術とは
誰かより上手いとか
誰かより値段が高いとか
誰かより有名だとか
その程度のものなのでしょうか?
息の続く限りチャレンジを続けて行きたいと思っています。
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