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Vol.6 バスケットにおける5つのアドバンテージ/ 5 Advantages in basketball

2023/7/15

今回はバスケットにおける5つのアドバンテージを紹介したいと思います。

スライドにある通りです。順に詳しく紹介していきます。

A『数的有利』


は、オーバーナンバーやアウトナンバーと言われています。つまり、相手よりも多い人数で攻めたり、守ったりすることでアドバンテージをつくることです。特に目指したいのは、①ペイント内、ゴール下の1:0です。ノーマークでゴール下のシュートを打つことができれば、高確率でシュートを決めることができます。それが効率的なオフェンスに繋がっています。また、①のシチュエーションをつくるために、②や③のシチュエーションを速攻(ファストブレイク)やチームオフェンスでつくっていくことが重要です。

多くの選手(特に育成年代の選手)が好きな1:1の勝負も、根本的な目的は相手をドライブで抜き去り、自分を1:0にしたり、ヘルプを呼んで味方を1:0にすることです。

B『位置的有利』


は、ボールを持つ場所、ミートポジションです。ボールを持つ際にリングから遠いところではなく、リングに近い場所や相手が嫌がる場所で持てればアドバンテージのある状態で攻めることができます。
ただし、これは自分のマークマンのディフェンスが遅れたり、ズレたりせずにしっかりと1:1の勝負をする場面の話です。複数人や1:0(オープンな状態)の場合は優先順位が変わります。例えば、オープンなシュートを打てる場面では、②のペリメーターエリア(3PTラインよりも1〜2m内側)で2PTのシュートを打つよりも、③の3PTエリアでシュートを打つことの方が期待値が高いという話は既にしました。

C『質的有利』


は、ミスマッチ、クロスマッチと言われます。個人の能力の差のことです。高さのミスマッチやスピードのミスマッチが考えられます。そのため、スクリーンプレイなどでは、安易にスイッチ(マークマンを入れ替える)をしないことが求められます。得点がほしいときにチームのエースプレイヤーに攻めさせることも同じ話です。

D『時間的有利』


これは、今まで読んできた書籍などにも記載がほとんどありませんでしたが、重要なアドバンテージだと感じています。いくら数的有利や質的有利をつくれても、シュートクロックが残っていなければシュートは打てませんし、ギリギリに余裕のあるシュートは打てません。反対に時間に余裕があれば、ディフェンスにシュートのタイミングを読まれにくくなったり、余裕のあるハーフコートオフェンスができたりします。

「どんなアドバンテージも時間がなければ使えない」


と考えると、時間的有利もアドバンテージの1つと言えるでしょう。

E『タイミングの有利』


これも書籍などで明確に記載されているわけではありませんが、現代バスケットのオフェンスは、「いかにクローズアウトのシチュエーションをつくることができるか」と言われています。数的有利ほど大きなアドバンテージではありませんが、ディフェンスが遅れている状態で、ほとんどが局地的数的有利(例えば、ボールが存在するサイドと逆のサイドという局地的な場面では、オフェンスが2人に対してディフェンスが1人で守っている)の状況で発生します。
オフェンスもディフェンスも互いに準備が整っている状態で「よーい、ドン」の勝負をするのではなく、

ディフェンスが遅れているタイミングで逆

をつく
という考え方です。これを、

パニッシュメント や カウンター


と呼んでいます。

以上のような有利をオフェンスの中でつくりだすことを、
オフェンスクリエイト
と言います。現代バスケットでは様々なオフェンスが存在していますが、究極的にはどれも以上のような有利をつくりだすために行なっていると考えることができます。

代表的な例をいくつか紹介します。
・ダウンスクリーン
 ➡︎ゴール下のノーマーク 『数的有利』『位置的有利』
・22-23シーズンのNBA finalでのナゲッツのヨキッチが、ヒートのアデバヨ
 がマッチアップしている時間帯よりも、控えの選手がマッチアップしてい
 る時間帯に1:1をたくさん攻めた
 ➡︎高さや能力の差を攻める 『質的有利』
・ペイントアタックしたドライブからキックアウトのパス
 ➡︎クローズアウトをカウンタードライブ 『タイミングの有利』

チームオフェンスでは、これらのような

アドバンテージをつくること


を繰り返します。また、アドバンテージをつくることができても、そこを攻めることができなければ意味がないので、
個人のスキルでは、

アドバンテージを見つけ、攻めること


がメインとなります。よく「どちらが重要か?」と議論になりますが、チームオフェンスも個人スキルもどちらも重要であることが分かると思います。強いてその一般的な比率を示すとすると、

チームオフェンス:個人スキル=4:1


になると自分は考えています。これはオフェンスの中でボールを持つ時間に比例するためです。(ボールを持つ時間はオフェンスの5分の1です)
一方でディフェンスに関しては、個人の力がなければ不利をつくってしまい、そこを攻められてしまう(NBAではハントと言われています)ので比率が変わってくると思います。

Kazuya

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