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企業訪問① グリッターテクノ株式会社様

今回のnoteは、Notionアンバサダーとして、中小企業にNotion導入実績のある会社を紹介してまいります。
「Notionがいいのはわかっているけど、本当にいいの?」
「ITやプログラミングに詳しくないけど、使いこなせるのかな」
「Notionを我社に導入すると、どう変わる?」
実際に、Notionを導入して、黒字回復まで実現させた事例をご紹介いたします。
初回、第一弾として、「Notion×ものづくり」で発信されているグリッターテクノ株式会社様です。
社長は、元サラリーマンです。
50年続いた製造業会社を第三者による事業承継によって、2022年4月に社長就任されました。
「Notion for ものづくり」というFacebookグループの管理人として、ものつくりのDX化を積極的に発信されています。
Notion for ものづくり | Facebook




会社概要

事業内容

金属削り出し加工業をを営んでいらっしゃいます。
主に、試作品の部品を製造されています。

工場にある道具


金属材料から削り出しする機械


製品の部品(一部)

主な取引先

  • 大手光学機器会社

  • 総合家電メーカー

ほか

社員構成

  • 会長

  • 社長

  • 専務

  • 総務・会計・事務ほか

全5名

紙ベースからNotionへ受注から納品管理を実施

先代の社長(現在の会長)は、激動の昭和を技術一本で価値提供を続けてきた方です。
工場の道具を見ても、腕の良さは伝わってきます。
当時の工場は、どこも「紙ベース」でした。


納品書の山

すべて、元社長(元会長)の頭の中に情報が集約されているため、製品の進捗管理情報が社内で把握できるようになっていませんでした。

受注から納品までの流れ

  1. 受注→設計図がFAXで送られる。

  2. 見積書作成→工数の割り出し、材料費割り出し、人件費試算

  3. 製造

  4. 納品


紙ベースでのメリット

紙のよさは、思い立ったときの情報をすぐに記載できることです。
元会長が携わっていた頃の、設計図を少しのぞかせて頂いたのですが、細くて細かい数字で、計算式が書かれていました。
その設計図を見れば、その製品のすべての情報が集約されているのです。
そして、工場での現場には、その設計図と受注書など置かれてる場所が決められていました。
例えば……。

  • 工場入口付近に置かれたもの→これから着手する製品

  • Aという機械の横にある紙→これから表面処理を出すもの

  • Bという機械の横にある紙→最終点検するもの

こういった工程ごとに、紙も移動していきます。
この紙の存在のあるなしで、今の進捗状況をひと目で見ることができます。

紙ベースのデメリット

しかし、何事にもデメリットはあるものです。
① 紙の行方不明時に、原因を特定するのに時間がかかる。
② まだFAXがきていないのか、受注が取り消しになったのか、社長に聞かないとわからない。
③ 製品ごとの粗利計算が、やりにくい。
紙ベースは、上手く言っているときは、とてもやりやすいツールです。臨機応変に対応できて、即情報を把握することができます。

しかし、一つイレギュラーなことが起こると、作業がストップしてしまうリスクをはらんでいることは、どなたにも経験があるかと思います。
紙ベースは、熟練した人には便利ですが、新人や中途入社の方にとって、慣れが必要です。
この慣れるまでの時間も、生産性をロスさせる要因にもなっているのです。

月次試算表の遅れによる対策もれ

紙ベースで一番苦手とするものは、情報伝達の高速化です。
これが一番顕著に現れるのが、月次試算表がいつ仕上がるのかという点です。
もし、対処できるタイミングで、月次試算表が出来上がっていれば、早急に手当をすることができます。
しかし、現状把握が遅れたことで、手当ができず、赤字になってしまうというケースは、どの会社にも起こっている現実でもあります。

事業を回復するためには、この「紙ベース」の欠点を解消し、問題点をいち早く把握することが求められます。

紙ベースからDX化へ

グリッタ−テクノ株式会社さんは、ここで、この紙ベースの仕組みを、Notionに置き換えることに着手されました。
社長の山下さんは、すでに、「Notion for ものづくり」にて、ものづくりに必要なNotionのテンプレートを作られています。

コミュニティ「Notion for ものづくり」メンバーが中心となって作成されたテンプレート

そして、自社に特化したNotionを、受注から納品までの業務フローをすべてNotionとGoogleドライブの連携で完結されました。


毎日の朝礼で、必ず開く「生産管理用ポータル」

Notionでは、次のデータマスターを作られています。

  1. 顧客マスター

  2. 見積マスター

  3. 図面マスター

  4. 工程表

  5. 製品番号


見積書原本は、Googleドライブにて保存


図面マスターに登録された図面

そして、実際送られてきた図面や、先方に送った見積書や請求書などは、Googleドライブに保存します。そのURLをデータベースに転記することで、シームレスに情報が見えるようになっています。見積書や請求書は、すべてスプレットシートで作成することで、無駄なコストをかけない工夫もされています。簡単にシステムを構築するより、一つ一つツールを選択し、Notionをハブにした仕組みをつくることで、固定費の圧縮も可能にされています。

その他、「受注から見積もり」「製造進捗管理」をNotionで管理されています。

黒字回復の要因は?

さて、このように、かつて「紙」で管理していた業務フローを、NotionによってDX化を試みて、課題だった月次決算の改善がみられるようになったのでしょうか。
DX化がもたらしたものは、現状を把握しやすくなったことと、即改善できる環境でした。

工程の見える化

まず、見積もりから受注、そして制作して納品するまでのフローを、Notionで管理することで、誰もが状況を確認できるようになりました。
グリッターテクノ㈱様は、毎朝行っている朝礼にて、工場、営業、バックオフィスのメンバーがひとつの情報を閲覧できるようにしており、互いにフォローできることを、1日が始まる前に洗い出しすることができます。
これによって、工程の見える化が実現することができました。
そして、今、オーダーやコスト情報は一部品毎に入力することで、詳細情報が残り、見積情報とオーダー情報が繋がるようになりました。

トライアンドエラーの高速化

Notionの利点で挙げられるものの中に、運用しながら仕様変更をすることができる点です。
システム構築で、ネックになるのは、運用してみないとあぶり出せない問題点です。
物事には、やってみないと判明しないものが存在しています。
かつての大掛かりなシステム導入の場合、すでに出来上がった仕様を変更することができず、自分たちのやり方より、システムに合わせた運用を強いられるケースがありました。
せっかく効率化のために導入したのに、逆にシステムに振り回されるという、本末転倒な結果を産むこともあったのです。

しかし、Notionの場合、自分たちで組んでいけるツールです。
大掛かりな変更出ない場合、すでに抱えているデータベースを壊すことなく、情報のつながりを組み直すことができるのです。
これによって、やってみて直し、また運用してみて改善するという、トライアンドエラーのサイクルが短くすることができます。
これによって受ける恩恵は、最短で使いやすいツールを、自分たちで構築できるという点です。
そして、一番の良さは、事務員さんやメンバーの習熟度に合わせて、記入項目を精緻化できることです。
この臨機応変で、変化し続けるのがNotionの利点とも言えるでしょう。

粗利管理と予実管理

このように、「工程の見える化」「トライアンドエラー」ができることで、どのような利点を得ることができたのでしょうか。
それは、受注案件ごとの粗利管理と予実管理が即時できるようになった点です。
これは、かつての会計ソフトだけで管理した場合、即時管理は不可能とされていました。

理由は簡単です。会計ソフトへ仕訳入力して、帳簿チェックを経て月次試算表が作成されるわけですから、経営者の手元に情報が届く頃には、あとの祭だったりするのです。
粗利管理は、月次決算のスピードアップが欠かせません。
そこに、経理担当者に負荷をかけて、急がせたとしても、限度があります。

でも、Notion上で、「受注」「工数」「材料」「外注費」といった原価を管理することで、毎日リアルタイムで粗利管理をすることができます。
そして、粗利管理とともに確認できるのが予実管理です。
予想していた売上、粗利が予定通りに推移しているか、即時に確認できることで、小さな誤差が生じたその日に、修正をかけることができます。
そして、年次決算。これは月次決算の積み重ねです。
毎月、粗利チェックを行うことで、決算月の粗利は、大きくズレることはなくなります。
また、日々チェックすることで、小さな失敗も拾い上げることができます。

こうすることで、次におなじような失敗をしないようになるのです。

社長の仕事が場所を選ばなくなった

最後に、NotionによるDX化によってもたらされたこと。
それは、社長がどこにいても、工場の状況や粗利管理などを行えるようになったことです。
中小企業で一番困ったことといえば、決済や決定の権限を持つ社長が、いつも社内にいないという問題です。
社長自ら営業もしている会社がほとんどなので、これは、しょうがありません。
でも、このデメリットは、状況把握が遅く、決定が遅れることです。

Notionは、パソコン、タブレット、スマートフォンアプリから同じアカウントで入ることができます。
社長が外回りにいっても、進捗状況などを随時見ることができことができるので、
「今、社長は不在のため、対応できません」といったことがなくなります。
もちろん、事務員の方の在宅勤務も可能になります。
このように、フレキシブルな働き方ができることも、大きなメリットなのです。

まとめ

今回の事例は、Notionを工場(現場)、営業、バックオフィスと連携したことで、社員全員が同じ情報を見て自分たちの動きに反映できた成功例とも言えるでしょう。
Notionの良さは、自分たちが賄える費用で、自分たちの手で、自分たちのDX化を実現できる楽しさを味わえる点です。
外注で、システムを組むのは簡単です。
しかし、現場の業務フローは生き物で、一旦決めたルールですべてを賄えるとは限りません。
都度、自分たちが修正改善を繰り返し、システムを育て上げていくことができます。
そして、それは、より強い中小企業の形となっていくのです。

もし、興味があれば、ご連絡いただければ。
より、詳しいお話しをさせていただければと存じます。

なお、グリッターテクノ株式会社社長が中心になって作られた
「社内ホームページ雛形」はこちらからご覧いただけます。


Notionをバックオフィスへ導入を検討されている、
中小企業の社長さんへ

こちらでご相談を受け付けております。


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