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鉛筆の微かな記憶

お正月には筆始めというイベントもあり、普段は使わない習字道具を出してきた方もいるかもしれませんが、パソコンやワープロなんていう便利な道具が登場する前は、何かを書くときには鉛筆を使うことが普通でした。小学校ではじめて文字を覚える時も、使う筆記具は今でも鉛筆です。

鉛筆

鉛筆を使うに当たっての儀式として、鉛筆を削るというのがあって、入学の時に学習机と共に鉛筆削りを買ってもらった覚えがあります。当時、最新式の電動だったのですが、まだ自動的に止る機能はなく、いくらでも削れていくので、どんどん削ってしまいすっかり短くして怒られた記憶もあります。だって削るのが楽しいですからね。

最初に使う鉛筆はBか2Bあたりの硬さが定番だったと思うのですが、私は筆圧が強かったようで、すぐにHBを使うようになり高学年になった頃にはFがお気に入りでした。ノートに粉が残って周囲が黒くなってしまうのが嫌で仕方がなかったのですよね。その後、中学になるとさらに筆圧が上がり2Hが普通になっていましたが、その頃になるともう鉛筆を使うことはなく、もっぱらシャープペンになっていたのですが、書いていると芯ではなくペン自身の先の部分を折ってしまう始末で、これはロットリングを使うようになって筆圧なしの世界を会得するまで悪化の一途でした。

JISで決められているのは6B~9Hまでのようですが、製品としては12B~10Hまでが用意されているようです。

JIS S 6006:2020 鉛筆,色鉛筆及びそれらに用いる芯

そもそも私は字がきれいな方ではなく、特にメモ書きに至っては謎の波がうねっているような文字だったのですが、謄写版のガリ切りをするようになって一文字ずつ丁寧に書き込んでいかないと他の人が読めないだけではなくロウ原紙を破ってしまうので、丁寧な文字という他所向けの別人格を確立しました。こういう用途と覚え方なので、いわゆるキレイな文字ではなく形が正方形で読みやすく他の文字と誤認しにくいような書き方をするようになりました。

鉛筆の歴史

そういえば小学生の時の鉛筆って、いわゆる緑の当たり前の鉛筆が1本10円くらいだった気がするのですが、紫色になっただけのが20円、おしりが黒くなっているハイユニだと30円だった覚えがあります。このハイユニが憧れで1ダース分を買うと素敵なケースに入っていて、これを筆箱として使うとちょっとカッコよかった気がします。

三菱鉛筆 鉛筆 ユニ HB 1ダース UHB

大人になると鉛筆を使うのは製図であるとか(今は鉛筆使わないですね)、清書前の下書きとかでしか使うことは無くなりましたが、青いやつとか黄色の消しゴムが付いているのがプロを感じさせました。

ステッドラーの鉛筆

ゴム付き鉛筆 - トンボ鉛筆

そういえば以前に神社仏閣巡りで記事を書いた内藤神社の境内に三菱鉛筆の碑があったことを思い出しました。

神社仏閣めぐり19 - 多武峯内藤神社

三菱鉛筆 - 三菱財閥とは関係ないんですよね

三菱鉛筆のあゆみ

筆記具って高校辺りまではいろいろとコダワリをもって、いろいろなものを使っていたのですが、パソコンが便利になるにつれ、どんどん手で文字を書く機会が減ってしまい、今ではメモですら手書きをすることは珍しくなってしまいました。まだボンヤリとした図を描くにはデジタルなツールは力不足で、そこだけは紙に手書きしたりするのですが、書いたらすぐに写真を撮って紙自身は捨ててしまっています。

文房具の思い出も、いろいろ出てきそうです。


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