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スター・トレック ディスカバリー 時空をも跨いで遂に終結

2005年に放送が終わった「スター・トレック エンタープライズ(ENT)」以来、しばらくは映画版のみの時代が続きましたが、そちらも一段落した2017年から今回紹介する「スター・トレック ディスカバリー(DSC)」が始まり、続いて2020年から「スター・トレック ピカード(PIC)」が始まりました。スター・トレックというコンテンツはネット配信との相性が良かったようで、2022年からは「スター・トレック ストレンジ・ニュー・ワールド(SNW)」も始まりました。

STAR TREK:PICARD - TNGの同窓会

実はこれに留まらずアニメ作品である「スター・トレック ローワー・デッキ(LD)」と「スター・トレック プロディジー(PRO)」も継続中です。もっともプロディジーは日本語字幕すら無いので見ていないのですが。

これだけ多くの作品があると、ドラマ「シリーズ」ですから観る方も大変です。あまり急ぐこともなくDVDなどが出てからでいいかなとノンビリ構えていたのですが、この春からAmazon Prime Video に Paramount+ が参入し、いくつかのシリーズの配信が始まりました。そうなると最新シーズンまでが一気に観られるので、もうスター・トレック三昧です。そしてつい先日、ディスカバリーの最終シーズンである第5シーズンの最後のエピーソードが配信され、ここに遂に完結の日を迎えたわけです。

物語は、最初のスター・トレックである「宇宙大作戦(TOS)」の少し前の時代から始まります。ミスター・スポックの両親がクリンゴンに攻撃され両親を殺された地球人のマイケル・バーナム(=ソネクア・マーティン=グリーン)を養子として引き取り、その後、彼女が宇宙艦隊に入りジョージャウ船長(=ミシェル・ヨー)の下、副長としてUSSシェンジョウに勤務しているところから始まります。そのシェンジョウでクリンゴンとの接触があり紆余曲折があって、最新技術を開発中の科学探査船であり、このシリーズのタイトルでもあるUSSディスカバリーに乗船することになり、最初のシーズンが始まります。

スタートレック:ディスカバリー

ソネクア・マーティン=グリーン

ミシェル・ヨー

まあ、その後もビックリ箱のような展開が続くのですが、そこは「観てのお楽しみ」としておきましょう。遂にアフリカ系アメリカ人女性が主人公になったのかと思うのですが、彼女が船長になるのは少し先のシーズンで、珍しく船長以外が主人公のストーリーが続きます。

スタートレック:ディスカバリー - Paramount

ドラマ・シリーズの再開にあたって、おそらく「初心に帰れ」を目指したところがあるようでミスター・スポックが絡むのもその現れかもしれません。いろいろな見方もあるとは思いますが、いつの間にやら観ている方も当たり前のように「ワープ」であったり「転送」のようなSFの小道具に慣れてしまい、宇宙をどこまでも一瞬で飛び回れる世界を当然のように思ってしまっています。ディスカバリーでは「ワープ」の不思議についてが問いかけられます。トレックの世界では実際には存在しないワープ・バブルであったり、並行世界についてありもしない理論がかなり整然と組み立てられていますが、そんな知識をブッ飛ばしてしまうのがディスカバリーです。

このシリーズの特徴としては、シーズンごとのゴールが与えられ、ゴールに向かって必要なミッションをひとつずつこなして行くという、今流と言うかゲーム的な進め方が目立ちます。主要な登場人物と思われた人物があっさりと死んでしまったり、役柄を大きく変えて復活してきたりもします。シーズンごとの入れ替わりもそれなりに多く、ひとりずつに焦点を当てる間もなくスピード感のある展開が続きます。

そして今までの他のシリーズでのエピソードも、ところどころに散りばめられトレッキーを喜ばせることも忘れません。若きスポックも登場しますし、ピカードが出会ったあの種族も大きな鍵になります。アーチャー自身は出てきませんが、彼を振り回したあの乗組員がこのシリーズの最後を締めくくるのです。

シーズン2までは宇宙大作戦よりも古い時代を扱うので、今から見ると少し古めかしい当時の未来ギミックたちを今でも未来に見えるように苦労しているのが楽しいです。ただ、すぐ後ろの歴史が決まっているので、ストーリー展開に苦しんだのかシーズン3からは遙か未来に舞台を移します。その後に登場するギミックは今、考えられる最も未来的な要素を思う存分詰め込んでいて、見慣れていた未来をブチ破る要素が楽しめます。

STAR TREK: DISCOVERY

そうです。見慣れていた未来を否定するのがディスカバリーの醍醐味なのかもしれません。船長とクルーの関係もなかなか今どきなものを感じますし、エリート一点張りではなく過去に傷を持つ者が、それをいかに乗り越えるのかというのも大きなテーマに思えます。

スター・トレック:ディスカバリー (Star Trek: Discovery) (字幕版) - YouTube (シーズン1~4)

スター・トレック:ディスカバリー - AmazonPrimeVideo (Paramount+の加入が必要です)

まだつい先日、最後のエピソードを観たばかりなので、こみあげてくる想いが止まらないのですが、まだ観ていない人のほうが多いと思うので、ネタバレにならないようにここまでにしておきます。配信だとDVDなどと違って、オマケのコンテンツもなく撮影秘話などがどこかで公開されないかとは思うのですが、シリーズは終わってしまったものの、スピンオフの噂もありますし、ジョージャウを主人公とした作品が作られるという話もあるようです。その辺りはきっと今年も例年9月に行われる”Star Trek Day”で何か発表があるでしょうから、楽しみにしておきましょう。

Star Trek Day 2023 | Paramount+

スタートレック

LIVE: Star Trek: Discovery | Cast Favorite Episodes | Paramount+

ヘッダ画像は、以下のものを使わせていただきました。
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Star_Trek_Discovery_logo.svg
Vilnisr - 投稿者自身による著作物, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=50312327による

#海外ドラマ #Paramount #スタートレック #ディスカバリー #DSC #ソネクア・マーティン・グリーン #ミシェル・ヨー

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