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PC-6001のキーボードと文字コード

kzn

昔のPCのキーボードと文字コードを調べていると、なかなか興味深いことに気が付きます。時代的にだんだん複雑になっていくのですが、いったい何故そのキーは追加されたのか、そのコードに意味が割り当てられたのかということですね。それを追うには時代の順番に並べてみる必要がありそうなんですが、なかなかそこまで手が回りません。

さて今回はPC-6001です。このPCについては

PC-6001 - パピコンって覚えています？

に書いたのですが、タイミングとしてはPC-8801と同じ頃ということになりますね。今回、調べたのは初代PC-6001です。あのボタン型のです。

PC-6000シリーズ

キーがボタン型で、かなり小さいのでキートップにはアルファベットしか刻印されておらず、かなに関してはキーの下にある隙間に書かれています（かなが書かれたシートを敷いてあった模様）。特徴的なのが「ひらがな」が使えたことで、かなキーを押すと「ひらがな」モードになり、SHIFT＋かなで「カタカナ」モードになりました。かなキーの隣には小さなLEDが付いているのですが、このときに何色に光るのかまではわかりませんでした。

普通の状態
シフト状態
かなモード（シフト＋かなで、カタカナモード）
かなモードでシフト状態
GRAPHキーを押しながら

テンキーはありませんが、独立したカーソル移動キーがあり、INS/DELも独立しています(BSは無い)。TABが追加されていますが、PC-8801のようにCOPYであるとかROLL UP/DOWNといったキーは追加されていませんね。特徴的なのはRETURNの上にある画面切り替え（ページ）キーで、複数ある画面をこのキーで切り替えられるようになっていました。単にページ切り替えというよりも、テキストとグラフィックの重ね合わせが出来ないので、グラフィック画面をこのキーで切り替えて見ながらコードを修正したりするのに使えたようです。

PC-6001シリーズ技術情報いろいろ

しかし、まあよくボタン型キーボードでパチパチ、いやヌルヌル入力していたものだと思いますが、キーの間隔があるので、思ったよりも使い勝手は悪くなかったのかもしれません。

キーボード荒技修理！

やはりこの手のキーボードは耐久性に難があるようで、中古で手に入れた場合に困る人も多いようですが、それはそれで修理用のパーツがでまわっていたりもするようです。

【ぷらミタ】30年以上前のレトロマシンキーボードが大量入荷、即完売していた件

さてコードもまとめておきましょう。ひらがなを表示コードに追加したので、ほぼすべてのコードが使われています。

表示コード

JISで定義されていない隙間にひらがなを入れたので、ひらがな前半と後半がカタカナの前後にわかれています。見覚えがあると思ったらMSXとほぼ同じでした。VDPによる画面表示、PSGによる音出力、ジョイパッドの扱いなど、PC-6001がMSXの基本設計に大きく影響しているのかもしれません。

ところで、なぜファンクションキーが追加されたのかですが、PC-8001にもあったからという可能性が高いのでしょうが、端末として使われることのないPC-6001にも必要だったのかというと、よく使う文字列をファンクションキーで入力する使い方が既に当たり前になっていたかもしれません。メニュー画面などで機能を選択するのに使うのもわかりやすいですしね。日本ではもう一般的なキーとして認識されていたのかもしれません。

海外勢はというと、見当たらなかったのですよ。おそらく最初に付いたのがコモドールのVICなんですが、どうやら日本のパソコンを見て付けることにしたのではないかという説があります。コモドールは日本市場を重視していたので、充分に可能性はありますね。

Commodore VIC 20 のファンクションキーと PC-6001

16ビットの時代になりMSDOSが普及した頃は、このファンクションキー、意外と使いにくく、これで行の編集を行う人は限られていた気がするのですが、日本に限れば日本語変換の際に重要な機能が割り当てられていて、無くなてはならないものになっていましたよね。今でもファンクションキーを使ってウィンドウを閉めたり移動したりする人は多くはないと思うので、こんなにファンクションキーを叩いているのは日本（もしかしたら他のアジアの国も）くらいなのかもしれません。

おまけ

NEC系のBASICに関する良さげな資料

N系BASICの中間言語仕様

https://www.antun.net/tips/p2v/nBasic.html

パソコンPCシリーズ 8001 6001 ハンドブック

キーボードと文字コードの資料を作成するのに使ったファイルを貼り付けておきます。これらのファイルは改変も含めご自由にご利用ください。


ヘッダ画像は、以下のものを使わせて頂きました。かなを印刷してある茶色のシートが無い状態の写真です
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:NEC_PC-6001_no_brown_seat.jpg
By Darklanlan - Own work, CC BY 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=69053038

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