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8インチフロッピー - 元祖フロッピーディスク

始めてフロッピーディスクを使ったのは、APPLE][と同時に手に入れたDISK][で、これはミニフロッピーと呼ばれる5インチのものでした。

フロッピーディスクの歴史 - 最初はミニ

これより大きい8インチフロッピーは、もっと昔から使われていたのですが、もっぱらミニコンなどのお高い機種で使うもので、パソコンで使うようになったのは5インチよりも遅く、私が最初に使ったのは確かBUBCOM-80でCP/Mを使わせてもらった時じゃないかと思います。

CP/MはZ-80用ですが、データをミニコンなどとやり取りするような用途も多かったです。例えば8ビット黎明期はCPUパワーがあまりに貧弱だったので、ミニコンなどでクロス開発して出来上がったコードをフロッピーに入れてパソコンで実行するなんていう使い方も多かったような記憶もあります。

大きさは文字通り8インチで、シングル盤レコードの7インチより一回り大きいサイズです。円形の磁性体が塗布されたペラペラのフィルムが、やや硬さのあるジャケットに封入されているのは5インチと同じです。最初にIBMの大型機で使われたのは1970年で容量は80Kバイトでした。この後、両面が使われるようになり、さらに高密度化しパソコンで使われるようになった頃には、1977年に開発された1.2M(未フォーマット1.6M)の両面倍密度(2D)フォーマットが一般的でした。

フロッピーディスク

フロッピーの表面は、外周から内周に向かって0から始まるトラック番号が付けられており、それぞれの円周をセクタという単位に分割して使っています。初期には、このセクタの位置をインデックスホールと呼ばれる磁性体に開けられた穴を使って機械的に検出するようになっており、これをハードセクタ方式と呼びます。この方法だとセクタの数だけ穴を開けておく必要があり、その後、第1セクタ位置のみ穴が開いているソフトセクタ方式が主流となりました(これで同じメディアでセクタ数も増やしても大丈夫)。パソコンで使うときには、もうハードセクタの事はまず無かったのですが、メディアの互換性があるので、稀にハードセクタのメディアを見かけることもありました。これを見つけると「おお!歴戦の勇士」と感動したものです(大抵はどても大事なものが入っている)。

パンチカードの置き換えから始まった元祖「8インチフロッピーディスク」(400KB~、1972年頃~):ロストメモリーズ File007

日常的に8インチを使うようになったのは、PC-9801Fを買ってからで、Fには2台の5インチFDD(2DD)が内蔵されていたのですが、他のPCとデータを交換するためには8インチが必要となることも多かったのと、8インチのほうが大容量(2DDは640K)で、読み書きの速度もかなり違っていました。そもそも8インチはフロッピーを取り出した時に、ちゃんと取り出したことがわかるように扉から信号線が出ていたのですが、2DD時代の5インチにはこれが無く、稀に入れ替えたことを気が付かずに内容を壊してしまうという事故がありました(ソフトからはどうにもならない)。そういう訳で外付け8インチドライブをつなげていました。まあEで間に合わせても良かったんですけど5インチしか積んでいない人もいるので、5インチは5インチで必要だったんですよ。なんか5インチはホビー向け、8インチはビジネス向けみたいな雰囲気はありました。

日本で最も活躍したパソコンと言えるPC-98シリーズ、その原点となった「PC-9801」

その後、5インチに2HDが出来て8インチとの差が無くなったので、徐々に8インチが使われなくなっていきました。VMの時代までは外付けで使っていたんじゃなかったかな。とはいえワークステーションとかは結構、後まで8インチだったような気もします。8インチが廃れる頃には3.5インチが登場しUXを買ったときには外付けが5インチになっていました。こちらも3.5インチで2HDが使えるようになって、ようやく置き換えられていった感じでした。なんとなく1.2M(または1.4M)という容量が基本で、これより大容量なフロッピーもあったのですが、その頃にはもうハードディスクが普及していて、フロッピーは他のPCとデータをやり取りするためのものとなったので、互換性のあるフォーマットが重要でした。

まだまだLANも普及していていませんし、通信なんかは遅くてフロッピーサイズのデータをやりとりするなんて一大事だったので、兎にも角にもデータはフロッピーに入れるものでした。この時代を覚えていれば保存のアイコンがフロッピーなのも頷けるわけです。

ええと2HDの話と3.5インチの話などは、次の機会にでも。

ヘッダ画像は、以下のものを使わせていただきました。3.5インチと比べると8インチはとてつもなくデカいですよね。https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Floppy_Disk_Drive_8_inch.jpg
By Swtpc6800 en:User:Swtpc6800 Michael Holley - Own work, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=3474713

#フロッピーディスク #FD #8インチ #磁気メディア #ハードセクタ #ソフトセクタ #インデックスホール

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