旅立ちの唄
10年前。2010年の12月27日。
Mr.Childrenの『旅立ちの唄』が、特別な思い出と重なる曲になった。
6年間、一緒にビジョンを追求してきた恩師の死。
経営についてだけでなく、人として、親として、数えきれないほどの大切なことを教えてくれた人だった。
最期を迎える1ヶ月ほど前だったか。
この曲のことが彼との雑談の話題にのぼった時の記憶が、今も鮮明に浮かび上がる。
自分と向き合い、人と向き合うこと。
その根幹を、厳しい資金繰りをやりくりしながら、ビジョンの実現への強い想いを持ち、「何のための事業か」を目一杯大切にして、人と人との間での本質的に大切なことを、血肉に染み込ませるように、教わる日々だった。
それから約5年。
託してくれたものや義理を通すべきものなどを抱えながら、世の中に自分の命をどう役立てるかを考え抜き、踏み出すべき道を模索し続けた。
共感できるビジョンに基づいたカルチャーを世の中に根付かせることを、人と人との想いをつなぐことを通して、
ビジョンと財務を中心とした経営実務の両面から経営をサポートする
といったことを担うことが自分の命を使うべきことだと信じて、必死で道を拓こうとしていた。
共感でつながった人達に支えられ、助けられ。
生まれたばかりのIchitoが、寝返りをうち、ハイハイをして掴まり立ちをして、立って歩いて成長していく様子を、離乳食を作るのを手伝ったりしながら間近で見つめさせてもらい、とてつもなく大きな力をもらいながら。
[Nozomi Suzukiさんが綴ってくださった記事]
ところが、それから4年が過ぎたある日、ふと思った。
全力で進んでいたようで、実は一歩も進めていなかったのかもしれない。
と。
辛かった。怖かった。
それでも、そのおかげで、そこから一歩踏み出すことができた。
ちょうどそんな時に出会ったのが、Airbnbだった。
Airbnbとの出会いをきっかけに、世界中の人と素敵な交流を生み出すことや、そのことに重なる価値観を持つ人達のコミュニティを育てることが、自分の道を拓いていくことにつながるんだという確信を得て。
そんなタイミングで耳に入ってきたのが、5年前と同じMr.Childrenのリリースされたばかりの楽曲、「足音〜Be Strong」だった。
夢見てた未来は
それほど離れちゃいない
また一歩 次の一歩 足音を踏み鳴らせ
例えば雨雲が
目の前を覆ったって
また日差しを探して 歩き出そう
時には灯りのない
孤独な夜が来たって
この足音を聞いてる 誰かがきっといる
作詞:Kazutoshi Sakurai
作曲:Kazutoshi Sakurai
涙が溢れて、止まらなかった。
それから5年。
世界中の人との交流と、価値観が重なる人達のつながりを丁寧に紡ぐこと、そしてIchitoと人として向き合い一緒に人生を切り拓くこと
を通して、ほんの少しずつ道を広げてこられたのだと思う。
あれからちょうど、10年が経つ今年。
巡り巡って、色々なものが重なって、自分が命を使おうと思ったところに戻ってきたことが、スッと腑に落ちるところまで来て。
自分が大切にしてきたものに強く共感し、支え応援し続けてくれている恩人が、それをこれ以上なく素敵な言葉にしてくださって。
それから5ヶ月。
一歩ずつ、本当に小さな一歩ずつではあるけれど、人生の大先輩とビジョンを一緒に追求させてもらえる道ができ。
この道は間違いじゃなかったと思わせてもらえたりしている、今。
改めてこの歌詞の言葉を、届けられるような気がしている。
10年前から、また一歩進んだ場所から。
Ah 旅立ちの唄
さあどこへ行こう? またどこかで出会えるね
とりあえず「さようなら」
自分が誰か忘れそうなとき ぼんやり思い出してよ
ほら 僕の体中 笑顔の君がいるから
背中を押してるから
でも返事はいらないから
作詞:Kazutoshi Sakurai
作曲:Kazutoshi Sakurai
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