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臨床の初期のジレンマに苦しんだ話

 こんにちは。家にずっといるとむしろネットショッピングでお金を使ってしまうことに共感してくれる人がいて謎の安心感を得ている理学療法士の竹中寿史です。

 本日は、臨床一年目に苦しんだ経験を書いていこうと思います。同じように苦しんでいる人もいるかと思うので少しでも背中を押せればいいなと思います。


臨床初期は自分の臨床能力の低さにやるせなくなる

 就職してしばらくすると担当患者を持つことになると思います。担当患者を持つとその人のリハビリに関して関わっていくため、基本的には自分で評価して治療してを毎日繰り返していきます。

 もちろん病院という組織の中に所属しているため、先輩方のアドバイスをもらったり、一緒に介入してもらいながら考えたりするわけです。しかし、基本的には自分が責任を持ってその人のリハビリを担当することになります。

 しかし、臨床に出てすぐの時には分からないことだらけです。向き合っているのは、人なのでそれぞれ個性や特徴があります。教科書的なことは学校で教えてもらってもそれだけでは全然太刀打ちできない経験が山ほど降りかかってきます。

 そうなった時に僕が感じたのは以下のことです。

・自分がリハビリするよりも先輩たちが行った方が効果が出るはず。

・なかなか良い効果を出す事ができないため、担当する患者さんに申し訳ない。

・それでも全て先輩方に介入してもらうわけにはいかないため、今日も自分がやらないといけない。しかし、上手くいかずまた自分の心が傷つくというジレンマ。


 このようなことはもしかしたら皆さんも感じた事があるのではないでしょうか?

 自分は上記のようなことを感じながら日々職場に向かう事が嫌でした。自分がやっても良くならないのに何でやらないといけないんだと。



ジレンマに立ち向かうために自分が取った解決法 

 このように臨床初期は知識も経験値も少ないため、上手くいかない事が多いです。しかし、その中で自分のメンタルを保ち、再度臨床に向かうために自分が取った解決法は3つあります。


①自分は先輩たちよりも患者さんを良くできなくて辛いという感情を持っていることをそのまま受け止める

②すぐに変えられるものと変えられないものを分けて、変えられないものを諦める

③担当患者さんにとって自分が一番向き合っていることを作る

 この3つを一つ一つ解説していきます。

 


辛いという自分の感情を受け止める

 一つ目というのは、素直に自分の感情を受けとめてあげることです。
「自分は患者さんをなかなか良くできなくて辛いと感じている」ということをまず受け入れます。ここができないとなかなか次に進めません。

 こんな事で辛いと感じている自分なんてダメだなとかは考えません。ただただ、自分の感情を受け止めてあげるのです。

 この時頭の中に考えていると客観的に受け止める事が難しいので、できれば紙に自分の感情を書き殴ってみると良いです。この紙に書き出す作業をすると自分の感情が少し引いた視点で捉える事ができるため、心も少し軽くなります。

 自分を批判せずに自分の感情を許容してあげる事が最初の出発点です。自己批判しても何も生まれませんし、むしろ心がすさんでいくだけですから。



変えられないものと変えられるものを分けて考える

 これは、頭で理解しても感情がついていかないため非常に難しいです。しかし、これができるとかなり楽になります。

 どういうことかというと、自分がすぐに変えられないものはいい意味で諦める。反対に自分が変えられるものには注力するということです。

具体例を挙げましょう。

 上に書いたように臨床能力を先輩と同じレベルまで引き上げることは現実的に無理ですよね。長期的には可能ではありますが、臨床に出て初期の段階では経験している数も違うため難しいです。

 このように変えられないものについては諦めましょう。「まあここはしょうがないよね。すぐには結果は出ないもんだと。」


 しかし、反対に自分ができることもたくさんあります。いい意味ですぐには変えられないものを諦めたからこそ一つ一つ積み上げていくしかないと開き直る事ができます。

 そうすると悩むべきでないことに悩んでいる時間が減り、今自分がやるべきことに目を向ける事ができます。

 人は基本的に何をすればいいのか分からない状態が生まれると悩んでしまう事が多いです。そのため、自分が今何をすればいいのか明確になる事で悩みは自然と減っていきます。



患者さんにとって自分が一番向き合っていることを作る

 これも先ほどの自分ができることに注力することと似ているかもしれません。自分が一番向き合っていることを作るというのは、先輩たちよりもこのことに関しては自分が一番責任を持って実行していることを作るということです。

 もう少し具体的にしましょう。

 例えば、
・担当の患者さんに毎朝挨拶しにいって少し会話する。
・リハビリしている時に真剣に話を聞いてその人の人柄を知る。
・看護師、家族、医者など他職種から情報を集めておく。

 などは自分が新人でも出来ることです。そして、その患者さんを担当として持っているからここまで深く関わる事ができる事です。

 これは、なかなか部署を統括するマネージャーをしている先輩等にはできません。そのため、これに関しては誰よりも自分がその人のために行っているということを作れば少し自分に自信が持てます。

 そんな事でいいの?と思うかもしれませんが、患者さんにとったら話を真剣に聞いてくれることは嬉しいし、毎朝少しの時間をとって顔を見せてくれることもありがたいはずです。

 そのため、まずは今自分ができることを考えてそれを実行していく事が必要です。自分が行動していくことでしか自分は変えられないですから。


まとめ

 ここまで自分が臨床一年目に悩んだジレンマについて書いていきました。少しまとめると、

自分が臨床するよりも先輩たちがした方が患者さんが良くなる。しかし、自分がやらないといけないというジレンマは少なからず起きる。

その時の3つの解決方法として
・自分が辛いと感じていることを受け止める
・自分が変えられないものは諦める。そして変えられるものに注力して行動する
・自分ができることで患者さんのためになることを誰よりも一番やる

があるということを書いていきました。


 今回も読んでいただきありがとうございました。少しでも皆さんの役に立てば幸いです。

これからもnoteは更新していこうと思いますのでよろしくお願いします。
ではまた!

#竹中かずし #学んだことシリーズ #日記 #理学療法士

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