すごいスマホ第6話の感想、考察(WJ28) 主人公瀬尾水

全一郎さんの株が上がった前回。個人的には文句なしだったんだけど、世間的には相高さんの心情変化に納得いかない派も多かった模様。今回は瀬尾水のキャラ立て回。…と思ってたら早くも三者邂逅。スピード感ありますね。

「会えば負ける…」


戦力分析が的確なQ。攻撃防御共に今のところ勝ち目なし。
でも、他のすマホ持ちに会ってる可能性までは思い至らなかったなあ。
Qがタワマン扇動メッセージの送信者を検索できなかった時点では、全一郎さんはQのことをまだ認識していない。
にも関わらず全一郎さんがブロック機能を利用していたのだから、Q以外のすマホ持ちを全一郎さんが確認していることは間違いないと。

しかし開放条件の、他の所有者を「確認」の定義が分からない。Qもタワマン犯を現認したわけじゃないしなあ。「こんなのすマホ持ちじゃなきゃ無理!」的な行為を見付けたら「確認」したことになるのか?
だとすれば全一郎さんが他のすマホ持ちに会えたとは限らない。だから、「最悪」仲間にしてる的な表現なのか。まあ、全一郎さんだから何らかのアクションは取ってるんだろうな。相手の秘密を握り合えば互いに簡単に足を掬われる関係になるわけだし、共闘関係になってるとは考えにくいが。

「一人なら負ける でも二人なら…」

メールを好き勝手覗かれて希望を託される瀬尾水。
実際のところ、Qが頭脳とすマホの機能を駆使して戦略を立てたところで、実現できることの幅が今は狭すぎる。タワマンとは言わずとも、マンパワーが必要な作戦が一切できないのはきつい。不特定多数への扇動で大衆を動かすのは、倫理観が邪魔をして思いきったことはできないだろうし。
すマホの存在をばらせないことも踏まえると、出所不明の情報でも動いてくれる集団の存在は必須。
警察関係者の中でも、「それなりの人数を動かせる発言力」があり、かつ、「突飛なことを言っても、性格のせいにしてもらえるため情報源を追求されない」という瀬尾水はまさにうってつけ。

ただ、Qが瀬尾水から勝機を見出だしている理由は、もう少し人格的な部分な気がする。「こいつマジ便利!」っていう理由だけで選ぶようだと、味方を駒としてしか見ていない全一郎さんと変わらないしなあ。
瀬尾水の正義感を踏まえた、タワマンの犯人が全一郎であることを証明する手段の算段でもついてるんだろうか。

「ほんと体力ねー体だなぁクソォ…」

何気に珍しいキャラ設定。
アウトローな警察とか探偵キャラは、朝起きられないならそれに抗わず遅刻し、「すいません、寝坊です。」って感じが多い。俺はマイペースでいくから、社会が自分に合わせろ的な。
体力のなさという自分の欠点を自覚し、それを嘆く瀬尾水は、そういったキャラ付けからは大分遠い。口が悪いだけで、可能な限り社会のルールは守って仕事に全力を尽くしたいというスタンス。応援したくなる。眠くてもがんばれ。
もちろん本気で社会のルールを守るなら口は慎めってことになるけど、そこはフィクションとして許容範囲。

操作本部の会議

組織のボス(警視総監)が出席する会議に、エースとはいえ係長より低い役職が出席するかなあ…と考えてしまうあたり、もう少年じゃなくなってしまったんだなと思う。捜査本部の会議に現場の捜査官が参加するのが警察では当たり前なのかもしれないけど。

うちの部下がすみませんね~と言いつつ、重要だけど自分が言うと角が立つことを部下に言わせ、後でその部下のフォローをする課長は理想の上司。どうにもならないってことは早めに言わないといけないもんな。

「圧倒的な実力がありますンでねッ!」

良い啖呵だし、その後の父に向けた語り、課内からの激励に対する満更でもない表情で、瀬尾水のキャラに深みは出たんだけど、その圧倒的な実力を早く見せてほしいところ。
仲間からの信頼やら家族との絆やらでQより主人公感を出してるし魅力的なんだけど、今のところビッグマウスが先行している。
太刀打ちできないレベルのテクノロジーに最初に気付いた時点で有能ではあるんだけど、読者視点だと、「そりゃ気付くよな」って感じもしてしまう。
展開のスピード感的に、瀬尾水の見せ場まで用意するのは難しいのは分かるので今後に期待。

「2人で普通にメールしろよクソッ!」

ほんとだよwww 
しかし翻弄されつつ、最後に悪者になること覚悟で未知の相手との鼎談に臨む瀬尾水は完全に主人公。決意の表情も、最後の「三者会談を…!」のコマの苦しそうな顔も、物語の中心人物のそれである。
ちなみに三者で話すことを鼎談と言うらしい。初めて知った。

まとめ

前回で全一郎、今回で瀬尾水のキャラ立てはバッチリ。
しかしこのタイミングでまさかこの3人が会話するところまで進むとは。第6話とは思えないペース。お手本のような展開だが、キャラもそれにつられて優等生的なところが気になる。全員地に足がついてて好感は持てるものの、もう少しぶっとんだ発想、発言があってもいい気がする。
何はともあれ次回の鼎談は、
Q:全一郎さんからボロを出させ、瀬尾水の信頼を得たい。
全:Qを支配する足掛かりにしたい。
瀬:すマホ持ちとつながり、警察として利用できる関係を築きたい。
この3人の狙いが交錯する面白い会話が見られそう。Qが主人公としての面目躍如を果たす展開を期待。

前話の感想はこちら
第5話

この記事が参加している募集

#マンガ感想文

20,242件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?