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観劇日記【セイムタイム・ネクストイヤー】

20220112-16 上本町ファントマスタジオ

美津乃あわプロデュース
「セイムタイム・ネクストイヤー」
観に行ってきました。

あわさまきれーだったーーーー
(それだけかいっ!!

いやいや。。。

『ぶっちゃけると不倫の話なんです。
メッセージとかは何もありません。
ドタバタなラブコメディを楽しんでください。』

12月のイベントで、あわさまはこうおっしゃった。

不倫の話と聞いてあまりいい気持ちはしなかったが、
大好きなあわさまが作るお芝居なら観たいと思って
チケットを予約した。
田村にいさまがどう化けるのかも楽しみだった。

公演会場は、いつも訪れるファントマ上本町スタジオ。
一歩入ると、そこはまぎれもなく劇場だった。

照明は劇場の四隅から舞台へ。
真上からの明かりがない分、間接照明みたく
いい雰囲気のやわらかい明かりが
ホテルの一室にピッタリ合っていた。

舞台はフラット。
客席側に平台を組んで雛壇にしている。
一番後ろでもいい感じに舞台全体を見渡せる
素敵な空間に。

ベッドやソファー、暖炉、壁に掛けられた
絵画やベッドランプなどなど
細部にまでこだわったであろう舞台美術は
本当にすばらしい。

その時代のアメリカの知識は私にはないが、
おそらくこうだったんだろう
こうに違いない。
なんて、ざっくりな思い込みで
客入れBGMに聞き耳をたてる。

メインテーマ曲は
カーペンターズの『遥かなる影』
(終演後、えん魔さまに教えていただいた。

下手側の最前列に席を取る。
近い。
近すぎる。
足を伸ばせば舞台に侵入してしまう。
手を伸ばせば舞台セットに届く。
そんな距離。
まさに小劇場。
芝居小屋。

BGMが上がり、徐々に暗転。
ベッドのあかり、暖炉のあかり。

客席の間を通っておふたり登場。
客席に一礼後、そこはホテルの一室となる。

情けなく優柔不断なジョージと
強くて優しいドリス
それぞれ家庭がありながら
1年に一度、同じ時、同じ場所で愛し合う。
25年間かわらず。

ジョージはいつまでたっても変わらない。
成長しない。
あっちも大事。こっちも大事。
自分は悪くない。

それに比べて
ドリスはどんどん成長していく。
少女から大人の女性へと。

年に一度なのに、
ケンカもする
言い合いもする
愛情一辺倒の物語ではない。

でも、感情、欲情丸出しの台詞劇なのに
ふたりの役者さんがなんともキュート。
かわいいことこの上ない。

感情、欲情のぶつかり合い。
すれ違い、同調し、
時に切なく、時に艶かしく。

初日観おわって
素直な感想は、

大切な人を
ぎゅっと抱きしめたい
そして
抱きしめられたい
そんな気持ちになるお芝居だった。


やはり、ひっかかりはある。
それぞれ、愛する妻や夫がいて
愛する子供たちがいる。
そんな身で、他の人との情事を
愛だのなんだのって言っても道理が通らない。

『ここにこうしていることすら罪なのよ』
ジョージに、求婚された時のドリスの台詞。
その通りだ。

ジョージは罪悪感を爆発させる
君は強いんだよ

ドリスは一人で噛み締める

でも
罪の意識があるからと言って
許される行為ではない。

私はどうしても
ヘレンやハリーのこと、子供たちのことを思ってしまう。

会話の中にしか登場しない人物に肩入れしてしまう。
それもお二人のうまさ。

とにもかくにも
あわさま、かわいかったぁー(惚
(お芝居の感想は?

えん魔さまはオペブースに
変わらずかっこええー(惚
(だからお芝居どこいった?

小劇場のいいところ。
(ハコからかい!!

舞台が近い。
いやいや
近いってもんじゃなかったよ。
一番前、かぶり付きの席を陣取って。
近っっっ!!
田村にいさまが、ぐぐっと迫る。
思わずのけ反ってしまう。
そんな感じ。

劇場内はめっちゃ暖房効かせてくれてて
秘密集会ばりに、厚手靴下と膝掛け持っていったのに、
全然必要なかった。
ありがたやありがたや。

そのひとの前でなら
素直になれる
そのひとの前だからこそ
素直になれない

ふたりの駆け引き
まだまだ若いふたりから
大人の男女になるまで

ひとの気持ちなんて
変わる
永遠はありえない
でも大概は永遠を誓って結婚する

それぞれ、妻や夫がいる身で
他の人を愛するなんて
私にはわからない
でも
生のお芝居だからか、あるいは
役者さんへの思い入れのせいか、
はたまた脚本の力なのかはわからないが、
そういう愛もあるかもしれないと感じた。

ぶっちゃけると
不倫の話
それもダブル不倫

でもきっと
世間にはよくある話。

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