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変化といかに向き合うか

 我々は、予測不能な変化の中にある。
 この社会や人生、そして幸せの変化を明確に論じた古典がある。それは三千年ほど前にその原型ができた書『易』である。
 『易』とは、英語名では"The Book of Changes"と訳されるように、その中心テーマは、変化であり、変化への向き合い方である。
 変化を論じる際に重要なのは今(現在)の捉え方である。実は、「今」という「過去」と「未来」の出会う点をどう見るかについては、二つの異なる視点が存在する。
 一つ目は、「今」は過去の確立された知識を活用する場であるという見方である。従って、既に確立された知識(学問や科学やノウハウ)を学び、その活用が大事と考える。過去の知識にないことは、この見方によれば対応できないことになる。
 二つ目は、「今」は「予想不能な未来へと向き合う最前線」であるという見方である。仮に予測不能であっても、多様な状況変化に体系的に処する方法はあると考えるのである。 

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