アンチヒーローとしての夏子:『夏子の酒』を読んで<ネタバレなし>
最近読んだ漫画で、出会った人、誰彼かまわずおすすめしたい漫画がある。それが尾瀬あきら著『夏子の酒』だ。ああ、あの作品かとピンとくる方も多いかもしれない。1988年から1991年にかけて「モーニング」で連載され、1994年にはテレビドラマ化も果たしている。私も作品名だけは知っていたが、漫画もドラマも見たことがなかった。そもそも酒が飲めないので、興味を持つ接点もなかった。
きっかけは、偶然。漫画アプリで全話無料のキャンペーンを行っていたので、なんとなく読んでみることにしたのだ。