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知識0でシン・ウルトラマンを見た

こんにちは。かずおです。

この記事は、ウルトラマンの知識がマジの0(なんならちょっとフォルムがダサいかなくらいに思ってた)の大学生が、庵野秀明につられてシン・ウルトラマンを見に行った感想をつらつらと書く日記です。

結論から言うと知識0の初見でも十二分に楽しめました。

記事の本文ではネタバレを(大いに)含んだ感想を書いていますので、これからシン・ウルトラマンを見る予定のある方はご注意ください。



〜ネタバレケアの余白〜




ウルトラマン視点

なんとなくウルトラマンが外星人であるということは知っていましたが、人間と融合していたとは…

既にウルトラマンを知っている人からすれば当たり前なのでしょうが、知識0ゆえ、いきなり驚きでしたね。

他の個体(子供)を庇って命を落とした神永の自己犠牲的な行動に興味を持ったウルトラマンは彼との融合を選択します。

融合した理由について、ウルトラマンは彼の行動に興味を持ったから、と発言しており、単に神永を哀れに思い、自らが掟を破って生かしたというわけではないようです。(勿論後者の理由が含まれている可能性もあります。)

しかし、ウルトラマンは本編の最後には自分の命と引き換えに神永を生かすことを選択します。
これは映画序盤で子供を守った神永の自己犠牲の行動そのものです。

ウルトラマンは神永と融合し人間の感情やコミュニティに触れることによってその尊さを理解していき、そしてそれを守るためなら自己を犠牲にすることさえ厭わないという決断をします。
ウルトラマンは神永と融合することで、自己より矮小な存在である人間への慈愛を獲得していったのだと感じました。
自己犠牲などは特に、無償の愛があるからこそ成せる行為ですよね。

こうしてウルトラマンの大きな愛に包まれ事なきを得た地球は今後どうなるのか、というところで終幕となります。


人類視点

映画冒頭で一瞬“シン・ゴジラ”のタイトルが流れた後、“シン・ウルトラマン”に切り替わります。

劇中でも、映画の序盤は意思の疎通が図れない禍威獣とのドンパチが、中盤以降は意思の疎通ができる外星人とのやりとりが描かれており、タイトルの切り替わりはその変遷を暗示しているのかなと思いました。

余談ですが、鑑賞後にwikipediaを漁っていたら、原作では禍威獣は怪獣と表記され、禍特隊は科特隊と表記されているようです。
この違いは原作とシン・ウルトラマンでは設定や背景が似て非なるものなのだという主張だと捉えました。

さて、人類視点ですが、話が大きく動くのはやはり中盤以降、意思の疎通が取れる外星人ザラブの登場からだと感じます。

ザラブの登場によって人類は外星人の存在を認知し、同時に人類が宇宙規模で見れば取るに足らない存在であるということも思い知らされます。

映画前半(いわゆる“シン・ゴジラ”の部分)では、人間は幾度も襲いくる禍威獣を撃退しています。
特に冒頭の隊長の態度が印象的で、禍威獣に対し、「面倒なやつだ」と口にします。

巨大な禍威獣に対してその程度の感想で済んでおり、人類が禍威獣退治に慣れてきていることが伺えるシーンかと思います。

しかし、ザラブの登場によって、人類は自分たちより進んだ文明の知的生命体に触れ、挫折を経験していくことになります。

個人的に好きだった登場人物に禍特隊の瀧くんがいます。
彼は非常に賢い隊員でありながら、しかしだからこそゼットンの脅威、そのどうしようもなさを誰よりも理解しています。

そしてウルトラマンがなんとかしてくれるでしょ、と投げやりになってしまいます。

ある意味彼がもっとも人間らしく絶望していると言えるのではないでしょうか。
そして、人類の中でも賢い彼が絶望するからこそ、人類の矮小さが強調されているシーンだとも思えます。

しかしウルトラマンが残したβシステムのヒントから、瀧くんら人類は自分達の手でゼットンを葬り去ることに成功します。

これはウルトラマンの助けがあったとはいえ、人類が自分たちの力でなしたことであり、劇中で宇宙の中での小さな存在であると再定義された人類の新しい一歩となっています。

またまた余談ですが、ゼットンというのはアルファベットの最後の“ゼット”と50音の最後“ん”を合わせた名前であり、原作でも最後で最強の敵だったようですね。ネーミングセンスがよすぎる。

この辺の知識があればゼットン登場のシーンでもっと盛り上がれたような気もします。

こうしてゼットンを乗り越えた人類には試練が続くことが示唆されていますが、当のウルトラマンは去ってしまいEND…
一件落着ハッピーエンドのようにも見えますが、この世界の明日はいかに!?という感じの終わりとも取れますね。


まとめ

シン・ウルトラマン、知識0でも1800字くらいで語れるレベルで面白かったです。

まとめると、小さき人類はそれでも愛を持って前に向かって進めるのだ、というところでしょうか。
それをウルトラマンという人類ではない存在が認めて、見守ってくれているんでしょう。

僕の感想/考察はこんな感じでした。

勿論シナリオだけでなく、特撮シーンも迫力があったりクスリとくるシーンがあったりで見応えがありました。

男の子だからでっかい禍威獣のシーンなどはやはりかっこよくてアガッちゃいますね。

それに特撮自体あまり見ることがないので新鮮でよかったです。

来年のシン・仮面ライダーも楽しみです。

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