【詩のようなもの】君が浜

波の音 秋の夜長に一人聞いている
右の先には犬吠埼灯台からの光線だけが見える
一定の間隔で光の線が現れて消える
まるで逃亡者を探すサーチライトのよう
初冬の空気は澄んでいて

空にはキラキラと星が美しい
こんなにも曇ってしまった目で見ても
まだ美しいと感じてくれる心があるのが救いだ
このまま海に向かい歩いて行ったのなら
己の罪も波に流されるのだろうか?
いつかは受けなければならない罰なら
禊をしながら波に流そうか?
誰かと話したくなった
なんでも良いから 話をしないか?
『こんばんは』と呟いてみる
風が答えてくれる
星が答えてくれる
光が答えてくれる
罪を償えと答えてくれる
立ち上がり ゆっくりと歩き出す
波の音は心を穏やかにしてくれる



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