【詩のようなもの】手袋

手袋

あなたは右の手袋
わたしは左の手袋
それぞれを外して繋いだ手
初めて触れた 最初で最後のあなたの肌は
暖かで少しゴツゴツしていて
わたしは嬉しさと恥ずかしさで
泣いてしまいましたね
あなたは慌ててだけど
手だけは離さないでいてくれました
嬉しかった
あれから77年が過ぎようとしています
あなたは17歳のまま
わたしは手もしわくちゃになってしまいました
それでもわたしを見つけて
また手を繋いでくれますか?
もうすぐあなたの元へ行きますよ
あの温もりを
もう一度だけ感じたかった

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