【詩のようなもの】LINE

刃先をそっと手首に当てる
漢数字の一をゆっくりと描くように
少し力を込めて刃先を動かす
少し遅れて赤い血が流れ出す
痛みは無い 心も無い 
感情は少しだけあったけど
2本目を引く時には無くなっていた
もう何度 こんな夜を過ごしたろう
肘まで伝う血は床に落ちて
またシミを作ってしまった
『染み抜きしなきゃ』
そんな事しか考えていない
落ち着くからなのか?
安定するからなのか?
生きてるからなのか?
壊れているからだろう
人として何かが壊れている
どこも壊れていない人間なんて
存在しているのだろうか?
壊れた箇所により 交換パーツもあるだろう
僕には そのパーツが無いのかもしれない
数本目を引き終わった時にLINEの着信音
心配してくれる人はいてくれる
嬉しいよ とっても嬉しい
愛してるよ 
ごめんね 
今夜は既読を付けないで眠るよ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?