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白八汐 〜 シロヤシオ こと五葉躑躅

新緑の若葉が輝く中で山桜が散って、徐々に極彩色の多様な緑が濃くなって単調に向かう少し前。初夏の今の時期の低山での私の楽しみがシロヤシオ(白八汐)こと五葉躑躅の花見です。
昨年も同じくシロヤシオのnoteを書いていますね。(末尾に引用)

もちろん、標高や緯度、日当たりの具合など場所によって開花時期には多少のばらつきがあるものの、同じ場所であればそんなに大きく前後せずに開花時期が来るものです。それが、今年はいずれの花も十日ほど開花時期が早いようです。これも温暖化の影響でしょうか。

西丹沢の山々では例年五月中旬に花期を迎えるのですが、今年ははや花が開き始めたとの情報に触れ、晴天の日を選んで出かけてきました。場所は昨年と同じ畦ヶ丸。

畦ヶ丸の中でも、標高や生えている場所によって開花の様子が蕾から満開まで様々。でも咲き始めとあって、まだ落花しているものは無いようです。桜のような散り際を楽しむ花とも異なりますので、開いたばかりの新鮮な花を見ることができる、ちょうど良い時期です(昨年は少し最盛期を過ぎていた)。

蕾もまだ少ない木
まだ開いたばかりで小さくとも、しっかり朱に縁取られた五葉が可愛らしい。
蕾から開き始めの木
いっせいに満開となり華やかな
でも五葉が閉じた木
白い八汐の名の通り満開の株

シロヤシオは数年おきに当たり年とハズレ年が来るようで、昨年がハズレ年。
そして今年は素晴らしい当たり年のようです。
昨年と比べると同じ木でも花付きが良い。

以前も書きましたが、私がシロヤシオが格別に好む理由は、小ぶりな可憐で気高さを感じさせるその白い花と、朱に縁取られた端正な五葉の協演。それらが一直線に上に上にでは無く、しなやかに横に枝が広がる風情。
白い幹も爽やかなブナの森の中にあって、そこここで輝いている空間も含めて魅了されます。決して派手な木では無いのですけれどね。

綺麗に朱に縁取られた端正な五葉の若葉
五葉躑躅の名前の通り
大輪では無く少し控えめに小ぶりに開いた可憐な白い花
繊細な細い枝がしなやかに横に広がって光を浴びます
今年のような当たり年には鈴なりに花はつくものの、決してくどくどしくはない

華やかに多くの花たちが輝く風情も素晴らしいですが。

下の写真のように控えめに花と五葉が舞い戯れる風情も好きです。

五葉躑躅は愛子内親王敬宮殿下のお印とされている木でもありますね。
那須もシロヤシオの美しい群落があり、那須御用邸内にもシロヤシオが生えているとか。それで登山好きでもある今上天皇陛下が御息女のお印として選ばれたのかもしれませんね。

御用邸内はもちろん入れませんが、これから開花時期を迎える那須岳のシロヤシオを、休日と好天と花期が合わさるようであれば、愛でに訪れたいと思います。


シロヤシオ。やはり格別に好きな花です。

※写真はいずれも2023年5月3日の西丹沢

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